"消えた神童、10年後の手紙" 第9話
浦は陸がきているとっていた。
事件の夜から。
町が「父親が息子を連れてへ入った」と噂しているも。
ゆみ子が毎13にカレーを2分よそっているも。
無言話を受けていたも。
壁に文字をかれたも。
町をたも。
引っ越しのに陸の机を4階まで運びげたも。
浦はっていた。
の声が初めてくなった。
「なぜ言わなかったんです」
浦は顔をげなかった。
「言えるわけないでしょう」
「なんで陸がきとることをっとるんやって、聞かれる」
そして浦は、ゆみ子へ送っていた3万円についても認めた。
「あれで許してもらおうとしとったんです」
声が震えた。
「あんな封筒で」
「いうのは、そこまで卑怯になれるもんです」
浦はそれ以何も言わなかった。
が落ち、のグラウンドはへ変わっていった。
刈られたばかりのの匂いだけが残っていた。
614。
浦誠は殺の疑いで逮捕された。
剛の遺体を埋めた為については、当の法律すでに効に関する問題があった。
しかし殺は違った。
平成22の法改正によって、殺罪の公訴効は廃止されていた。
10というは、浦を逃がさなかった。
取り調べが終わりにづいた627。
浦は担当刑事へ言った。
「の仏壇の裏板をしてもらえませんか」
「何があるんです?」
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「挟んであります」
そのの夕方。
浦のから、1枚の便箋が押収された。
4つに折られ、何度もいた跡があった。
は黄ばみ、縁は柔らかく擦れている。
字は読めた。
剛の字だった。
10、で倒れた剛の着の内ポケットに入っていたもの。
浦は持ち帰った。
燃やそうとした。
だが、どうしても燃やせなかった。
仏壇の裏へ隠し、そので10、毎朝毎晩をわせていた。
宛名は、ゆみ子だった。
7に入ってから、ゆみ子は県警へ呼ばれた。
さな部だった。
は透な袋へ入った便箋を机のに置いた。
ゆみ子はを伸ばさなかった。
触れたら消えてしまいそうにじたのかもしれない。
剛の文字を目で追った。
「ゆみ子へ」
最初ので、ゆみ子は止まった。
しを置いて、続きを読んだ。
「陸はドイツにやった。節子姉さんに頼んだ」
「半で必ず迎えにく」
「黙って決めてすまん」
会社のことで、どうしても片をつけなければならないことがある。
ゆみ子を巻き込みたくなかった。
それだけだった。
そして最の方には、庭のことがかれていた。
「おには麦茶の当番ばっかりさせて悪かった」
「あの黄いヤカン、かったやろ」
「帰ったら3で初めからやり直そう」
ゆみ子は1ずつ読んだ。
途で何度も止まった。
井を見げた。
また文字へ目を戻した。
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読み終えるまで、10分くかかった。
最まで来ると、子の背にもたれてかなくなった。
しばらくして、ゆみ子はさく言った。
「かったです」
は俯いた。
「本当に、かったんです」
ゆみ子は笑おうとした。
しかしうまく笑えなかった。
目の縁が赤くなり、のが赤くなった。
それからようやく涙が流れた。
ドイツ側の事も、しずつ判していった。
デュッセルドルフにむハンス・ローデは74歳になっていた。
本語はほとんど話せなかった。
通訳を介して聞き取りがわれた。
平成1310。
妻の節子が、本からを1連れて帰ってきた。
陸だった。
節子は夫へ、「親戚の子を事があってしばらく預かる」と説していた。
半ほどの予定だと話していた。
剛からは、
「ゆみ子も承している」
「落ち着いたら必ず迎えにく」
そう聞かされていたという。
節子は疑わなかった。
しかし半が経っても、剛から連絡はなかった。
その頃には、本語の聞などを通じて桂町の事件をっていた。
父親が息子を連れてへ入ったとされている。
母親が町で責められている。
節子はけなくなった。
名乗りれば、陸の父親は「息子を捨てて逃げた」として扱われるかもしれない。
当は剛が殺されているなどる由もなかった。
名乗りなければ、ゆみ子は息子を失ったとい続ける。
どちらを選んでも誰かが傷つく。
迷っているうちに1が過ぎた。
2くが過ぎた。
平成15。
節子はようやく決し、桂町の所へをいた。
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