"花嫁が僕を犯人にした朝" 第2話
僕は修理し、始末をいた。
秘密を守ることと、嘘を引き受けることの境目を、僕はいつも曖昧にしてきた。
午、奈緒は別のドレスでチャペルへ向かった。式は分遅れで始まった。
僕は窓のない会議で、くの鐘を聞いた。
すぎ、瀬が事担当者と戻ってきた。
「朝倉君。今から自宅待だ。保管の入退記録では、昨夜分に君のカードが使われている。その、分まで、ほかの記録はない」
「部ののカメラは?」
「装替えをする所につながっているため、内には設置していない。廊の映像は確認だ」
「奈緒さんは、裏の搬入側からました」
瀬の目が鋭くなった。
「なぜ、それをっている」
僕はまた、答えられなかった。
その、僕のスマートフォンが震えた。奈緒からのメッセージだった。
《ごめんなさい。ああ言わないと、母に全部られてしまうといました》
続けて、もう通届いた。
《でも、あの結婚は止めてほしかった。今も止めてほしいです》
チャペルでは、が誓いの言葉を交わした直だった。
翌朝、ホテルは僕へ自宅待命令を面で通した。ドレスの損害と婚礼遅延の責任を調査し、によっては懲戒解雇と損害賠償を検討すると記されていた。
僕は奈緒のメッセージを保したが、すぐ会社へ提することはできなかった。
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彼女が裾を切ったと直接いてはいない。式を止めてほしかったという言葉だけをせば、僕と嫁が共謀したようにも見える。
何より、僕は昨夜、奈緒へ約束していた。
《朝まで待ってください。必ず自分で話します》
約束は破られた。それでも、だから相の秘密を全部さらしてよいのか、僕には判断できなかった。
自宅は、ホテルからで分の古い賃貸マンションだった。玄関をけると、妹の澄がリビングのに布を広げていた。歳の澄は劇団で装を作り、収入が定しない期だけ僕の部へ転がり込む。
「ニュースになってる」
澄はスマートフォンを見せた。郎側の招待客がSNSへいたらしく、《名ホテルで嫁装が切られる》《担当者の嫌がらせか》という投稿が拡散されていた。僕の名はていないが、ホテルで男性の装修復担当はしかいない。
「本当に誰が切ったの」
「言えない」
「言えないじゃなくて、言わないんでしょ」
澄は布を畳み、僕の正面へ座った。彼女は昔から、兄の回しな言い方を許さない。
「お兄ちゃんは、のなら破れた所を見つけるのに、自分が傷ついてることは見ないよね」
「格好いいことを言っても、何も変わらないよ」
「格好いいんじゃない。面倒なんだよ。黙って誰かを守ったつもりになって、あとで周りに配させるから」
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僕がを直す仕事を選んだのは、母の響だった。母は町の裁で働き、客が持ち込む古いを何でも直した。父がをたあと、母は朝から夜まで針をかし、僕と澄を育てた。
歳の、僕は母が主の失敗をかばって、切な客へをげる姿を見た。帰宅、なぜ自分のせいではないと言わなかったのか尋ねると、母は笑って答えた。
《直せるが直せば、そのは収まるでしょう》
母は、病気でくなった。その言葉だけが僕のに残り、いつのにか、収めることが正しいことだとうようになっていた。
午、ホテルの顧問弁護士を名乗る物から話があった。事聴取は。僕にも代理を同席させる権利があると言われた。
澄はすぐ、劇団員が労働問題で相談した弁護士を紹介した。崎理恵、歳。オンライン面談で、彼女は最初にメッセージの画面を見せるよう求めた。
「原本は消さず、スクリーンショットだけでなく端末ごと保全してください。昨夜の通話履歴、移履歴、ホテルからの通も同じです」
「奈緒さんの秘密を、会社へ話さない方法はありますか」
「何を守りたいかによります。彼女の私活を必以に話さず、自分が切っていないことだけ説する余はあります。ただし、相があなたを加害者だと主張し続ければ、完全に伏せたままを守るのは難しい」
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