"「中卒は留守番してろ」と空港に置き去りにされた私" 第1話
第1話 2317分に消えた1席
「ほかの9名様は確認できていますが、野澪様の航空券だけ、昨夜取り消されています」
羽田空港の団体カウンターで係員に告げられ、澪は画面を見つめた。の夕方、配担当の本悠斗と10全員の発券を確認している。消えたのは、察責任者である自分の席だけだった。
篠原真由が、全員を次の便へ変更しようと言った。しかし、国内商品企画部の内雅は腕計を示し、発まで40分しかないと退けた。
「10分の変更料を誰が払うんだ。野の始末に全員を巻き込むな」
「でも、野さんがいなければ察を始められません」
「司の判断に従えないなら、君も来期の商品企画からすぞ」
篠原の顔がこわばった。澪は彼女をかばうようにへて、9には予定どおり搭乗してほしいと伝えた。
今回の目は、川県の老舗旅館・祥館だった。般の団体だけでなく旅会社の察もほとんど受けず、内が何交渉しても断られていた宿である。澪は域のや茶舗まで組み込んだ滞型商品を提案し、入社4かで初めて10の受入れを実現させた。
それでも内は、22歳で学卒業の澪を評価しなかった。働きながら取得した国内旅業務取扱管理者の資格も、宿泊施設での7の実務経験も無し、会議では企画の作成者名まで自分にき換えていた。
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保検査へ向かう直、内は澪へ振り返った。
「次の便が取れるなら、勝に来ればいい」
9を乗せた便が搭乗をれると、澪は係員へ取消刻を確認した。旅会社の法予約端末から処理されたのは、夜の2317分。偶然の誤操作とは考えにくい刻だった。
その、内からLINEが届いた。
《卒は留守番してろ。おがいないほうが話がい。祥館には俺が説しておく》
澪は送信者名と刻が入る画面を保した。直、内Wi-Fiにつないだ本から、取消完画面と8分12秒の音声が送られてくる。
『野の航空券だけ取り消せ。操作ミスだったことにしろ』
録音ので、内は従わなければ本の事評価を最にすると脅していた。本は自分が取消ボタンを押したと認め、帰社は処分を受けてもすべて話すといている。
澪はデータを複製し、社内のコンプライアンス窓へ第報を送った。それから13台の松便を自費で取り直し、祥館へ話をかける。
「私が到着するまで、察と商談を始めないでください」
話の向こうの女性は、理由を聞くと静かに答えた。
「承しました。責任者が到着するまで、どなたも客へはご案内いたしません」
第2話 チェックインできない9
松空港から約40分、企画部の9を乗せたバスは祥館へ到着した。
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黒瓦のをくぐり、苔の庭が見えるロビーへ案内されたものの、誰にも客の鍵は渡されない。支配は全員を子へ案内すると、丁寧にをげた。
「察責任者の野澪様が到着されるまで、チェックインと察始をお待ちいただきます」
内はすぐにちがった。
「責任者なら部の私がいる。野は自分の配ミスでに乗れなかっただけだ」
「野様からは、配ミスではないと伺っております。また今回の受入承諾には、企画を作成した野様の同が条件として記載されています」
「の言い分を信じるのか。企画だって、実際には私が指導して作らせたものだ」
内は、祥館との商談を自分がめるつもりでいた。澪がなら、企画の発案者も察の責任者も自分だと報告できる。しかし支配は、した条件を変えることはできないと繰り返した。
篠原がをいた。
「部、承諾にいてあるなら、野さんを待ちましょう」
「君は黙っていろ。空港でも言ったが、逆らうなら担当をす」
ほかの社員たちは顔を見わせた。本は膝ので社用携帯を握り、内と目をわせようとしない。
待たされるほど内の声はきくなった。客をロビーへ放置するのか、部である自分の命令が聞けないのかと支配へ迫り、最にはの澪へ責任を押しつけ始めた。
「あいつは航空券1枚も管理できない、使えないだ。
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