"「中卒は留守番してろ」と空港に置き去りにされた私" 第4話
第6話 再された2317分の声
曜の朝、内は誰よりもく役員会議へ入り、自分が提した報告を机の央へ置いた。
内容は、澪が航空券の管理を怠って遅刻し、母親の旅館を使って司を当に排除したというものだった。先に報告した自分の説が基準になり、部は評価を恐れて黙ると信じている。
9になると佐伯社と事部、コンプライアンス責任者が入し、澪、本、篠原、冴子と祥館の支配が席に着いた。
「確認する。航空券の取消しは本の操作ミスで、君は混乱を収めようとした。これが君の説だな」
「違いありません。野は実との関係を隠し、自分の失敗を母親に処理させました」
冴子は、企画の作成者を伏せて審査した記録と、全旅会社に共通する察料の規定を提した。個な便宜は与えていないと確認されると、議題は航空券の取消しへ移った。
画面に法予約システムの履歴が表示された。澪1の予約が、本のIDから夜2317分に取り消されている。
「やはり本の操作でしょう。私は関与していません」
内が言い終えると、会議のスピーカーから8分12秒の録音が再された。
『野の航空券だけ取り消せ。の朝になったら、操作ミスだったと説しろ』
『調査されたら、僕の操作履歴が残ります』
広告
『俺の名をしたら、おの評価は最にする。分かったな』
内は途でちがり、編集された音声だと主張した。しかし原本は本の端末から直接提され、発信元も内の社用番号と致していた。取消しに送った《終わったら報告しろ》というメッセージも残っている。
続いて、澪へ送った《卒は留守番してろ》というLINE、篠原を担当からすと脅した証言、研修の止め指示が提示された。
「能力のい部へ厳しく接するのは、管理職の責任です。野は卒で、社会としての常識もりない」
佐伯社は内の言葉を遮った。
「学歴と、部の航空券を正に取り消したことに何の関係がある」
冴子は共同商品の協議を止すると告げた。内個の問題だという反論にも、彼は都トラベルの部として来館したのだと退ける。
最に、澪が作成した陸ツアー企画の更履歴が映された。本文を完成させたのは澪だが、提直、内のIDから作成者名だけが自分の名へ変更されている。
事部は、さらに別のファイルをいた。
画面には、過2に同じ方法で作成者名がき換えられた5件の企画が並んでいた。
第7話 部の名が消えた
「提責任者を私の名に統しただけです」
内は5件の更履歴をにしても、部の企画を指導した結果だと言い張った。
広告
しかし元の作成者たちは、内容を共同で作った事実も、名の変更に同した事実もないと証言していた。
篠原は、希望していた業務からされたのメールを提した。ほかの社員からも、残業申請を取りげるよう命じられた記録や、評価を盾にしたチャットが続く。
「おたち、今まで何も言わなかったじゃないか」
「言えないようにしていたのは部です。1ずつ呼びして、逆らえば仕事をすと言っていたでしょう」
篠原が答えると、内は社へ向き直り、自分は会社のために部を厳しくまとめてきただけだと訴えた。
「結果をしたのは部で、君は名を奪った。今回は企画者を排除するために別の部へ正操作を命じ、その部へ責任を負わせる虚偽報告までした」
佐伯社の言葉に、弁解の余は残っていなかった。
事部は、内を部職から解き、調査終まで自宅待とする面を置いた。社用端末と入館証はそので回収され、社員への連絡も禁止された。
「野が実を使って騒ぎしたせいだ」
会議をる直、内は澪をにらんだ。
「私が提したのは、内部自の言葉と操作記録です」
澪はそれ以言い返さなかった。
3週、法予約システムの正利用、証拠削除の求、虚偽報告、継続なハラスメントと成果の横取りが認定され、内は懲戒解雇となった。
本も取消操作を実した責任を問われ、面による懲戒処分を受けた。
広告
おすすめ作品
-
完結第23話
昭和53年、満員の始発を止めた運転手――その後、坂道で起きた悲劇
昭和53年7月30日。沖縄の交通が右側通行から左側通行へ切り替わった朝、55歳のバス運転手・新垣清徳は、32人の乗客を前に始発の発車を拒んだ。用意された旧型バスは、乗降口が車道側に開く危険な車両だったのだ。しかし欠便を恐れる主任は、若い運転手にその車を出すよう命じてしまう。やがて坂下から届いたのは、一人の少年が負傷したという知らせ。なぜ危険だと分かっていたバスが走ったのか。清徳は息子や同僚たちとともに、事故の責任と、誰も気づかなかった道路の危険に向き合っていく。職場逆転|時代|歴史|昭和|裡の顔3.0万字5 205 -
完結第10話
亡霊の専属運転手
かつて海外の特殊部隊で「ファントム」と恐れられた神代美央は、戦場を離れ、平穏な人生を求めて大企業の会長専属運転手に応募した。しかし最終面接で待っていたのは、「女に会長を守れるわけがない」と嘲笑する副社長と、十一人の屈強な男たち。美央だけが、彼らのスーツの下に隠された拳銃に気づいていた。やがて現れた鷹司会長は、美央の履歴書を見た途端、激しく震え始める。職場逆転|真実|真相|第二の人生1.5万字5 203 -
完結第16話
四万円を断った朝
同僚に裏切られ、二千万円近い借金を背負った大橋拓人。再就職の面接へ向かう朝、雨の道路でパンクした車を見つけ、遅刻を覚悟でタイヤを交換する。女性から差し出された四万円を断り、代わりに面接先まで乗せてもらった拓人。しかし会社に到着すると、受付の社員たちが彼女に深々と頭を下げた。職場逆転|人生逆転|真相|修羅場2.5万字5 1074 -
完結第14話
十八年勤めた売り場を追われた日、恩返しが始まった
十八年間デパ地下を支えた契約社員・千鶴は、新店長から「高齢者の代わりはいくらでもいる」と突然解雇される。 だが、毎週安い弁当を買う老人の正体は、大手食品会社の会長。かつて倒産寸前だった彼の弁当を世に広めた恩人こそ、千鶴だった。職場逆転|退職金|金銭問題|修羅場1.9万字5 2349 -
完結第20話
路線バスで来た父を笑った婚約者一家の誤算
娘の顔合わせに路線バスで訪れた庄三は、相手の両親から「車も持てない乞食」と嘲笑される。婚約者まで黙って見ていたため、庄三はわずか五分で破談を告げた。 しかし庄三の正体は、県下一の交通グループを一台の中古バスから築いた創業者。翌日、社運を懸けた大型工事のコンペ会場で、相手親子は上座に座る庄三と再会する。職場逆転|人生逆転|第二の人生|金銭問題2.6万字5 3754 -
完結第21話
賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ
十七年間、海外調達を支えてきた玲奈に言い渡された年末賞与は、まさかの零円。評価は最高ランクのまま、翌年も重要なイタリア案件を任されていた。会社は住宅ローンを抱える彼女なら、どんな扱いをしても辞めないと考えていたのだ。 玲奈は怒鳴らず、記録を残して退職届を提出。家と車を手放し、亡き母の言葉に背中を押されてイタリアへ渡る。 ところが彼女の退職後、強引な一律値下げ交渉によって工房との信頼関係は崩れ、大型案件まで危機に陥る。三か月後、玲奈の携帯には人事、部長、社長から合計三百十二件もの着信が残されていた。職場逆転|第二の人生|金銭問題2.8万字5 2710 -
完結第11話
赤提灯から始まる逆転
濡れ衣を着せられ、会社を追われた天才技術者・鈴鹿行。半年かけて開発したセキュリティシステムを上司に奪われ、4500万円の損害賠償まで突きつけられた彼は、すべてを失った雨の夜、居酒屋で無銭飲食を疑われた老人の代金を肩代わりする。 翌日、上司が反社会的勢力と結び、システムを横流ししようとしていた事実が発覚。後輩まで人質に取られ、鈴鹿が追い詰められた瞬間、一本の電話が入る。 「十秒後に車が来る。迷わず乗れ」 現れた黒塗りの高級車に乗っていたのは、昨夜の老人だった。その正体は、鈴鹿の会社を傘下に持つ巨大企業グループの創業者。上司が盗んだシステムを自分の成果として披露する役員会で、二人はすべてを覆す反撃を仕掛ける。職場逆転|裡切られた|怒り|第二の人生1.6万字5 784 -
完結第18話
ただの経理パート
「君の仕事は誰にでもできる。今日で辞めてもらう」 結婚二十八年。夫は社員全員の前で、私を“週三日の経理パート”として解雇した。 代わりに経理責任者となったのは、夫が連れてきた三十四歳の女性顧問。 私は退職届に署名せず、会社の鍵だけを置いて帰った。 ところが翌朝、売上の六割を占める主力取引先三社が、一斉に新規発注を停止した。 夫は私の報復だと騒いだが、通知に書かれていた理由は―― 《安全監査資料の重大な欠落》 新しい顧問が、都合の悪い事故記録を削除していたのだ。 さらに調べると、私は会社案内だけでなく創業者名簿からも消され、二千万円を出資した記録まで書き換えられていた。 役員を外す書類に残された私の署名。 その作成日、私は手術を受け、病院から一歩も出ていなかった。職場逆転|夫婦1.8万字5 476 -
完結第13話
月給55万円を削られた古参社員の静かな逆転
株式会社鈴木で30年間営業の柱として働いてきた佐藤修は、二代目社長から突然の大幅減給を告げられる。 会社を支えてきた経験や取引先との信頼関係を「古いやり方」と切り捨てられた佐藤は、怒りではなく静かな決意を胸に退職を選ぶ。 しかし、退職後に明らかになっていくのは、彼が残してきた人との繋がりや、会社を守るため密かに続けていた努力の重みだった。 新しい経営方針を掲げる若い幹部たちが見落としていたものとは何だったのか。 長年積み重ねてきた信頼と、数字だけでは測れない仕事の価値が、やがて会社の未来を大きく左右していく――。職場逆転|金銭問題2.0万字5 927 -
完結第17話
三日待て――命を懸けて起爆盤を粉砕した現場主任、120人を救い500億の黄金を暴く
奥羽鉱業・黒竹事業所で23年無事故を守り抜いてきた発破主任の酒井誠一は、ある朝、巨大な黒蛇の夢と坑道の異様な臭気から「発破を三日待て」と直訴する。しかし、工期短縮と300万円のボーナスに目が眩んだ現場監督・高木は酒井を即刻解任し、発破を強行しようとする。起爆まであと数秒、酒井は職を賭して大ハンマーで起爆装置を叩き壊した。 「狂人」と罵られ資材庫に監禁された酒井だったが、本社保安部長の介入と手帳に残された緻密な記録によって、高木の日報改ざんが白日の下に晒される。そして約束の三日目の朝――全坑内員120名が退避を完了した直後、山は地獄の咆哮とともに大崩落を起こした。九死に一生を得た男たちが崩落断面で目撃したのは、神の導きか、500億円の超高品位金鉱脈だった。職場逆転|因果応報3.2万字5 328