"会長、腕時計に盗聴器があります!" 第3話
入館記録と入経を、消さずに調べてください」
会議をされ、廊で靴箱とスマートフォンを返された、浩が追いついてきた。周囲に聞こえない声で、今の24までに消えれば、健には自分から正を認めて辞めたと説すると告げた。
「会には僕から話します」
「話せるとうか。会社だけじゃない。おが帰る所も、私たちので成りっている」
そのは、施設へ戻った直に分かった。玄関では野寺が青ざめた顔で、都福祉財団から届いたメールを握っていた。
財団は施設の運営費1200万円を助成している。メールには、報漏洩を疑われる物を置き続けるなら、今度の助成を全面に見直すとかれていた。
「蓮、私たちは君を犯だとっていない。ただ、君の居所までられている。児童相談所と相談して全な所を用するまで、今夜ここに置いておくことができない」
浩は、蓮の仕事だけでなく、帰る所まで奪おうとしていた。
第4話 会が仕掛けた620億円
野寺は児童相談所へ連絡し、蓮を別の支援施設へ移す続を始めた。法律も、全も、17歳のをへ放りすことなどできない。それでも蓮は、自分が残ればの子どもたちの学費用まで質に取られると考え、職員が荷物を準備しているに裏からてしまった。
広告
き先は楽町の靴磨きしかいつかなかった。だが森本は腰の術で入院しており、閉のシャッターには誰もいない。蓮がスマートフォンを確認すると、健の端末は源が切られ、真理子にもつながらなかった。
23を過ぎた頃、揃った革靴の音が2つづいてきた。昼、本社の警備で見た男たちだった。
「会社の物を返してもらう。その靴箱を渡せ」
「に会社の物はありません」
「副社は、ごと回収しろと言っている」
蓮は会話が始まったから、着の内ポケットで録音していた。男が靴箱へを伸ばしたため体ごと抱え込むと、肩をシャッターへ押しつけられ、腹に拳を受けた。それでも箱をさない蓮の頬へ、もうがをげる。
「やめろ。向かいにカメラがある」
24営業のコンビニから、員がこちらを見ながら通報していた。男たちは蓮を突き放し、通りのないへ逃げた。
靴箱の底には、送信を見つけた直の写真、真理子が発した受領、脅迫状の写しが入っている。蓮は今の録音を複製し、野寺と森本へ送った。
〈副社は、ごと回収しろと言っている〉
その声まで、はっきり残っていた。
パトカーを待つに、真理子が息を切らして駆けつけた。施設から蓮がたと聞き、森本なら居所をっているかもしれないとへ向かったのだという。
広告
「会は君を捨てていない。検査入院から戻って、ずっと捜している」
健は入院、規則だと説されてスマートフォンを預けさせられていた。退院に返された端末からは蓮と森本の連絡先が消え、会社へ話をしても浩側の職員へ転送された。それでも息子から聞かされた「蓮が正を認めて逃げた」という説を信じず、真理子と部弁護士に捜索を頼んでいた。
翌朝、治療を受けた蓮は、真理子に連れられて世田の古いを訪れた。会社の予定表に載っていない、き妻から健が相続しただった。
蓮の腫れた頬を見ると、健はちがり、くをげた。
「私のせいで、ひどい目に遭わせた」
「会が命じたことではありません。顔をげてください」
居には部弁護士の神と、デジタル鑑定会社の担当者が待っていた。腕計と会から1台ずつ見つかった送信は、都グループの警備部が試験導入した器で、管理は本社警備にあるはずだった。半、岸の子署名で貸しされた6台のうち、2台だけが返却されていない。製造番号は発見した2台と致した。
ただし、岸が誰の指示でいたかを示す直接証拠はまだない。そこで健と神は、実しない物流子会社の売却計画を使い、数字だけが違う3種類の資料を作った。
実際の取引や株価へ響しないよう、協力する融記者にも先に事を伝えたうえで、閲覧者ごとに異なる透かしと操作記録を埋め込む。
広告
おすすめ作品
-
完結第23話
昭和53年、満員の始発を止めた運転手――その後、坂道で起きた悲劇
昭和53年7月30日。沖縄の交通が右側通行から左側通行へ切り替わった朝、55歳のバス運転手・新垣清徳は、32人の乗客を前に始発の発車を拒んだ。用意された旧型バスは、乗降口が車道側に開く危険な車両だったのだ。しかし欠便を恐れる主任は、若い運転手にその車を出すよう命じてしまう。やがて坂下から届いたのは、一人の少年が負傷したという知らせ。なぜ危険だと分かっていたバスが走ったのか。清徳は息子や同僚たちとともに、事故の責任と、誰も気づかなかった道路の危険に向き合っていく。職場逆転|時代|歴史|昭和|裡の顔3.0万字5 284 -
完結第10話
亡霊の専属運転手
かつて海外の特殊部隊で「ファントム」と恐れられた神代美央は、戦場を離れ、平穏な人生を求めて大企業の会長専属運転手に応募した。しかし最終面接で待っていたのは、「女に会長を守れるわけがない」と嘲笑する副社長と、十一人の屈強な男たち。美央だけが、彼らのスーツの下に隠された拳銃に気づいていた。やがて現れた鷹司会長は、美央の履歴書を見た途端、激しく震え始める。職場逆転|真実|真相|第二の人生1.5万字5 203 -
完結第16話
四万円を断った朝
同僚に裏切られ、二千万円近い借金を背負った大橋拓人。再就職の面接へ向かう朝、雨の道路でパンクした車を見つけ、遅刻を覚悟でタイヤを交換する。女性から差し出された四万円を断り、代わりに面接先まで乗せてもらった拓人。しかし会社に到着すると、受付の社員たちが彼女に深々と頭を下げた。職場逆転|人生逆転|真相|修羅場2.5万字5 1093 -
完結第14話
十八年勤めた売り場を追われた日、恩返しが始まった
十八年間デパ地下を支えた契約社員・千鶴は、新店長から「高齢者の代わりはいくらでもいる」と突然解雇される。 だが、毎週安い弁当を買う老人の正体は、大手食品会社の会長。かつて倒産寸前だった彼の弁当を世に広めた恩人こそ、千鶴だった。職場逆転|退職金|金銭問題|修羅場1.9万字5 2373 -
完結第20話
路線バスで来た父を笑った婚約者一家の誤算
娘の顔合わせに路線バスで訪れた庄三は、相手の両親から「車も持てない乞食」と嘲笑される。婚約者まで黙って見ていたため、庄三はわずか五分で破談を告げた。 しかし庄三の正体は、県下一の交通グループを一台の中古バスから築いた創業者。翌日、社運を懸けた大型工事のコンペ会場で、相手親子は上座に座る庄三と再会する。職場逆転|人生逆転|第二の人生|金銭問題2.6万字5 3757 -
完結第21話
賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ
十七年間、海外調達を支えてきた玲奈に言い渡された年末賞与は、まさかの零円。評価は最高ランクのまま、翌年も重要なイタリア案件を任されていた。会社は住宅ローンを抱える彼女なら、どんな扱いをしても辞めないと考えていたのだ。 玲奈は怒鳴らず、記録を残して退職届を提出。家と車を手放し、亡き母の言葉に背中を押されてイタリアへ渡る。 ところが彼女の退職後、強引な一律値下げ交渉によって工房との信頼関係は崩れ、大型案件まで危機に陥る。三か月後、玲奈の携帯には人事、部長、社長から合計三百十二件もの着信が残されていた。職場逆転|第二の人生|金銭問題2.8万字5 2710 -
完結第11話
赤提灯から始まる逆転
濡れ衣を着せられ、会社を追われた天才技術者・鈴鹿行。半年かけて開発したセキュリティシステムを上司に奪われ、4500万円の損害賠償まで突きつけられた彼は、すべてを失った雨の夜、居酒屋で無銭飲食を疑われた老人の代金を肩代わりする。 翌日、上司が反社会的勢力と結び、システムを横流ししようとしていた事実が発覚。後輩まで人質に取られ、鈴鹿が追い詰められた瞬間、一本の電話が入る。 「十秒後に車が来る。迷わず乗れ」 現れた黒塗りの高級車に乗っていたのは、昨夜の老人だった。その正体は、鈴鹿の会社を傘下に持つ巨大企業グループの創業者。上司が盗んだシステムを自分の成果として披露する役員会で、二人はすべてを覆す反撃を仕掛ける。職場逆転|裡切られた|怒り|第二の人生1.6万字5 784 -
完結第18話
ただの経理パート
「君の仕事は誰にでもできる。今日で辞めてもらう」 結婚二十八年。夫は社員全員の前で、私を“週三日の経理パート”として解雇した。 代わりに経理責任者となったのは、夫が連れてきた三十四歳の女性顧問。 私は退職届に署名せず、会社の鍵だけを置いて帰った。 ところが翌朝、売上の六割を占める主力取引先三社が、一斉に新規発注を停止した。 夫は私の報復だと騒いだが、通知に書かれていた理由は―― 《安全監査資料の重大な欠落》 新しい顧問が、都合の悪い事故記録を削除していたのだ。 さらに調べると、私は会社案内だけでなく創業者名簿からも消され、二千万円を出資した記録まで書き換えられていた。 役員を外す書類に残された私の署名。 その作成日、私は手術を受け、病院から一歩も出ていなかった。職場逆転|夫婦1.8万字5 476 -
完結第13話
月給55万円を削られた古参社員の静かな逆転
株式会社鈴木で30年間営業の柱として働いてきた佐藤修は、二代目社長から突然の大幅減給を告げられる。 会社を支えてきた経験や取引先との信頼関係を「古いやり方」と切り捨てられた佐藤は、怒りではなく静かな決意を胸に退職を選ぶ。 しかし、退職後に明らかになっていくのは、彼が残してきた人との繋がりや、会社を守るため密かに続けていた努力の重みだった。 新しい経営方針を掲げる若い幹部たちが見落としていたものとは何だったのか。 長年積み重ねてきた信頼と、数字だけでは測れない仕事の価値が、やがて会社の未来を大きく左右していく――。職場逆転|金銭問題2.0万字5 928 -
完結第17話
三日待て――命を懸けて起爆盤を粉砕した現場主任、120人を救い500億の黄金を暴く
奥羽鉱業・黒竹事業所で23年無事故を守り抜いてきた発破主任の酒井誠一は、ある朝、巨大な黒蛇の夢と坑道の異様な臭気から「発破を三日待て」と直訴する。しかし、工期短縮と300万円のボーナスに目が眩んだ現場監督・高木は酒井を即刻解任し、発破を強行しようとする。起爆まであと数秒、酒井は職を賭して大ハンマーで起爆装置を叩き壊した。 「狂人」と罵られ資材庫に監禁された酒井だったが、本社保安部長の介入と手帳に残された緻密な記録によって、高木の日報改ざんが白日の下に晒される。そして約束の三日目の朝――全坑内員120名が退避を完了した直後、山は地獄の咆哮とともに大崩落を起こした。九死に一生を得た男たちが崩落断面で目撃したのは、神の導きか、500億円の超高品位金鉱脈だった。職場逆転|因果応報3.2万字5 329