"出産予定日2日前、家を追い出された" 第10話
美はそのに居の具を注文しようとしたが、決済で止まったという。員は、返に同しても正送の調査が終わるわけではなく、提した説が虚偽なら責任を問われるとを押した。
「私、健さんに利用されたんです」
美は何度もそう繰り返した。私は娘を隣のベッドへ寝かせ、声を荒らげずに答える。
「あなたが騙された部分はあるとう。でも、私が妊娠しているとりながら婚の成を確かめず、620万円を受け取ったことまで消えるわけではないわ」
美は唇をかみ、初めて「すみません」と言った。その謝罪を許すとも許さないとも答えなかった。今必なのはな解ではなく、事実を欠けたままにしないことだった。
「あなたのお子さんに罪はない。だからこそ、私の娘のためのおを奪って、しい庭を作ることを正当化しないで」
私がそう告げると、美は膨らんだ腹を両で覆い、いうつむいた。やがて、健が私を追いす計画を話した最初のから、順に説すると約束した。
彼女は健とのLINE17件、通話録音2本、融資申込の画像を提した。さらに、をるに健の机で見つけたという青いファイルの写真を見せる。表には《注先別支払管理》とあり、には都設の請求番号と送額がきで並んでいた。
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「これを見たとき、健さんに取りげられそうになって……原本は持ちせませんでした。でも全ページ撮りました」
写真は計34枚。端には撮刻が残り、防犯カメラにも美がファイルをく姿と、健が奪い返す面が映っていた。黒川は監査の覧と照し、28件の請求番号が致すると確認した。
青いファイルは偶然見つかったのではない。美が荷物をまとめた際、健から「これだけはへ運べ」と渡された段ボールの底に隠されていた。部監査が入ったあと、自宅から別の所へ移すつもりだったのだろう。美は表の会社名を見て審にい、健が話の数分で撮していた。
面談から3営業、アプリに入通が届いた。私は娘へ授乳を終え、片で画面をく。
残は、620万860円。
たった860円になっていた数字が、元へ戻っている。けれど同じ620万円でも、以とはが違った。健を信じて預けていた活資ではなく、娘と私がしい所できるために、自分で守り直したおだ。
父は「があれば、いくらでもす」と言ったが、私はまずこの座から使いたいと伝えた。父に頼らないというではない。助けてもらいながらも、自分ので決める覚を失いたくなかった。
父はし寂しそうに笑い、それから娘のためのさな箱を差しした。
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にはではなく、母が私のに使ったのスプーンが入っている。「おに渡すを、ずっと待っていた」と言われ、私は初めて、帰ることと依することは違うのだとえた。
その夜、黒川から照結果が届いた。青いファイルには、架空の3社からさらに資を移した先が、イニシャルで記されていた。
《K・Y 12回 計2200万円》
振込先の座名義を確認した藤原が、静かに告げる。
「K・Yは、本佳代さんです」
第12話 姑の座へ2200万円
佳代名義の座には、18かで12回、計2200万円が振り込まれていた。架空の注先3社から入ったは、そののうちか翌に移され、摘欄には《替返済》《活支援》と記されている。
残る2600万円は、健が実質管理する別の2座へ流れ、投取引と美との居準備に使われていた。2200万円と2600万円。わせれば、監査で見つかった4800万円と致する。
佳代の座からは、自宅の改装代や額な宝飾品の支払いが確認された。私には毎の費を細かく報告させていたが、会社から抜かれたで台所を直し、「息子が親孝してくれた」と所へ話していたのだ。らなかったという説と、繰り返された12回の入は、あまりにも釣りわない。
都設の監査は、青いファイルの写真、会社サーバーの操作履歴、28件の請求、業務端末のチャットを系列にまとめた。
藤原も、私の座からの620万円、偽造された婚届、2500万円の融資申込、玄関先の録音を別の証拠覧にした。
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