"出産予定日2日前、家を追い出された" 第14話
会わせるかどうかは、血縁ではなく全を見て決めます」
「私から息子もも孫も、全部奪ったのね」
「違います。私のものを、返してもらっただけです」
「いつか悔するわよ。赤ん坊を1で育てる変さをったら、健が必になる」
「1ではありません。それに、誰かが必だからという理由で、娘を危険なのそばには置きません」
父や藤原がいるから言えた言葉ではない。あの夜、最初の話をかけたときから、私はしずつ自分の判断を取り戻していた。
佳代の指が緩み、属の鍵が私ののひらへ落ちた。ずしりとした触は、あの夜に投げされた入院バッグよりずっと軽かった。
引っ越しのトラックが角を曲がるまで見送り、鍵業者にすべての錠を交換してもらう。最の作確認が終わると、のからの音が消えた。
父が娘を抱いて入ってきた。の午の差しが向きの部へ伸び、母と植えた犀の枝が窓にを落としている。傷も空も残っていたが、は静かに私たちを迎えた。
私は玄関の内側から、初めて自分のでドアを閉めた。へ締めす音ではなく、娘を守るための音だった。を入れると、えていたへしずつ温もりが戻ってくる。
黒川がしい鍵を2本差しす。私は1本を自分の鍵束へ付け、もう1本を父へ渡した。
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「今度は、いつでも来て」
父は言葉を詰まらせ、娘を抱く腕にしだけ力を込めた。
第16話 私がした婚届
健の逮捕から7、藤原を通じて署名済みの婚届が届いた。
に役所へ持ち込まれた偽物とは違い、今回は健本が弁護ので署名し、跡と作成刻も記録されている。親権者欄には私の名があり、に関する権利を主張しないこと、娘への連絡は私や病院ではなく代理を通すことも、別のに記された。
藤原は1ずつ読みげ、私が疑問を持つたび説を止めた。健側は、私が会社の刑事続きを止めることを婚の条件にしようとしたが、その条項は最初から拒否されている。夫婦の婚と、会社や警察が扱う事件を交換材料にはできない。
会社は健を懲戒解雇し、4800万円の返還を求める続きを始めていた。佳代の座に残っていたには保全措置が取られ、私への620万円はすでに戻っている。3000万円の融資は、2500万円の担保融資も実されなかった。健が集めようとした6120万円は、数字のまま崩れた。
「署名すれば、終わるんですね」
役所へ向かうので私が言うと、藤原は首を横に振った。
「刑事事件や損害の回収は続きます。でも、ご夫婦としてどこで終わるかは、今、由美さんが決められます」
父は部座席で、ろ向きのチャイルドシートに眠る娘を見守りながら、会話へを挟まなかった。
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以の父なら、健を選んだ私を責め、自分の判断に従わせようとしたかもしれない。今は私が類を読み終えるまで待ち、「おが決めたなら、それでいい」とだけ言った。
窓で、私は先に婚届受理申を取りげた。あれは婚したくないからしたものではない。偽造された類で、の終わり方まで奪われないための盾だった。今は内容を自分で確認し、自分ので本当の婚届を差しす。
職員は本確認類と記載事項を照し、親権者欄を指で確認した。受理印が押された刻は148分。さな音がしただけなのに、肩へ乗っていたさがゆっくりほどけていく。
窓をれるに、私は受理証を1通請求した。偽造された婚届の写真と同じフォルダには入れず、しい透ケースへ収める。終わった証拠ではなく、自分で選んだ発点として残したかった。
戸籍、私は旧姓のへ戻る。娘の姓については庭裁判所の許など必な続きを取り、焦らずえることにした。名は類のためだけにあるのではない。娘がいつか自分の族について尋ねたとき、嘘をつかず説できる形を選びたかった。
役所をると、佳代から留守番話が入っていた。
《健が婚届に署名したのは、あなたのお父様に脅されたからよ。
今からでも取り消しなさい。
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