"断っただけで「要注意世帯」" 第11話
「自治会を辞任します」
いつも背筋を伸ばしていた女性が、急にさく見えた。
「私が全部違っていました」
健司はその言葉に違を覚えた。
「全部ではないといます」
民が斉に健司を見る。
代も顔をげた。
「見守りで助かったはいます。浅井さんのお母さんもそうですし、暮らしの齢者を気にかけること自体まで違いだとはいません」
代の目に涙が浮かんだ。
健司は続けた。
「でも、助けるためだからといって、本の同なしに報を集めたり、断ったを非協力世帯として貼りしたりするのは違うといます」
「はい」
「8の鍵の件を隠したこともです。制度を守ることが目になって、制度で傷つくが見えなくなっていたんじゃないですか」
代はゆっくり頷いた。
「はい」
川もちがった。
「自治会なんかなくせってもいるが、それも極端だとう」
今度は若いから満の声ががった。
方、齢のからは「何かあったに困る」という声もた。
見は割れた。
その、美奈がちがった。
康平の逮捕、彼女が民の集まりへるのは初めてだった。
顔は疲れていた。
「私、この見守り制度に助けられたから、反対するは自分勝なんだとっていました」
内が静かになる。
「でも、自分が助けられた経験があるからって、のにも同じ方法を受け入れさせていいわけじゃなかったんですよね」
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美奈は健司を見た。
「私も相沢さんの活のことを、軽い気持ちで夫に話しました。その報が使われました。本当にすみませんでした」
健司は数秒考えた。
以の自分なら、そのをく終わらせるために「もういいです」と言っていたかもしれない。
だが今は違った。
「今はまだ、普通には話せないといます」
美奈の目から涙が落ちた。
「はい」
謝罪されたからといって、すぐ許す義務はない。
けれど、憎むと決める必もない。
健司はその距を自分で選ぶことにした。
最終に、宅予定表は即廃止された。
自治会で預かっていた予備鍵もすべて返却。
今、鍵預かりを希望するは、管理会社と契約する部サービスを個別に利用する。
朝の見守りは完全登録制に改められた。
齢や族構成で自に対象へ入れることはしない。
異常があったも、まず本へ話し、次に本が登録した族、最に管理会社へ連絡する。
掲示板へ個名や族構成を載せることも原則禁止となった。
自治会そのものは残った。
ただし、代の判断で何でも決まる仕組みは終わった。
総会が終わったあと、健司が帰ろうとすると、代がろから声をかけた。
「相沢さん」
「はい」
「最初に掲示板へ貼ったこと、本当にすみませんでした」
健司はし考えた。
「僕より、凛に謝ってください」
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代は目を伏せた。
「そうですね」
数、代は本当に凛へ謝った。
凛はし困った顔をしてから、
「もうパジャマのこと言わないならいいよ」
と答えた。
代は初めて、声をして笑った。
事件から4か、マンションには以とは違う静けさが戻っていた。
朝7にチャイムが鳴ることはない。
休、健司が目を覚ましたには8を過ぎていることもあった。
凛ももう、
「今は誰も来ないよね?」
と確認しなくなった。
玄関横にあった宅確認用の磁も撤された。
川にも変化があった。
妻のが、5ぶりにマンションへ泊まりに来た。
完全に戻るわけではない。
今も娘のくで暮らす。
それでも、「度ときたくない」と言っていた所へ、泊だけならってみると自が決めた。
きっかけは、川が5の誤配事件について自治会へ正式な謝罪を求めたことだった。
当役員だったが数集まり、さな話しいがかれた。
代も席した。
「あの、もっとく誤解を訂正すべきでした」
は静かに答えた。
「訂正自体はされたわよ」
「でも、噂が残ってることに気づいていたのに、私は何もしませんでした」
「今さらね」
「はい。今さらです」
すぐに許したわけではない。
それでも翌、代が持ってきた菓子折りをは受け取った。
「これはもらうわ」
隣で川が、
「甘い物いすぎるなよ」
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