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"鍵をかけられた妊婦" 第5話

ただ美緒の裸の理由を聞くと、売で靴と柔らかい靴を買ってきた。美緒が「もっとく言えばよかった」と泣くと、「いか遅いかを今決めなくていい。今は帰る所を決めよう」と言った。

退院続きの際、医療ソーシャルワーカーが族以の緊急連絡先も登録できると教えた。美緒は第連絡先をから織へ変えた。夫婦であることと、緊急に最も頼れるであることは、必ずしも同じではなかった。

姉のでの活は窮屈ではあったが、扉を自分でけられるだけで呼吸が楽になった。織は保育園勤務で朝がく、義兄も宅勤務のがある。は美緒を見張らず、蔵庫の使い方と鍵の置き所だけを教えた。

美緒は会社への休暇を申した。司には庭内の問題とだけ説したが、産業医との面談を勧められ、勤務をさらに縮できることになった。

から届いた荷物には、とパソコン、母子帳が入っていた。保険証はなかった。に尋ねると、節子が「見つからない」と言っているらしい。

美緒は健康保険組へ紛失を届け、資格確認続きをした。警察にも相談記録を残した。刑事事件にするか即答を求められたわけではなく、担当者から、から施錠されたや会話をせる範囲でいておくよう言われた。

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、段ボールの底から枚の注文てきた。美緒のパソコンケースに挟まっていたもので、節子が誤って入れたらしい。の駅の運営会社から川漬物へされた正式な発注だった。

数量は節子が話していた百袋どころではない。種類、百袋。納期遅延には取引条件を見直す能性があると記され、余には邦夫の字で「パート名辞退、わない」とかれていた。

美緒はそこで初めて、節子の切迫を具体に理解した。理解はしたが、許したわけではない。

と会うには、の女性相談員が紹介した族相談を利用した。夫婦だけで会うと、が母親の事を並べ、美緒が説に疲れて折れることが分かっていたからだ。

は、注文を取ったく働いていたパートが相次いで辞めたと話した。は腰を痛め、もうは節子と勤務を巡って争った。キャンセルすればの駅の棚を失うかもしれず、邦夫は注を提案したが、節子は利益がなくなると拒んだ。

「母さんは、美緒が事務もできるし、にいるなら助けてもらえるとった。俺もくらいならって」

までいると相談したでしょう」

「途で話が広がった。俺も止められなかった」

相談員が「止められなかったのは、何が怖かったからですか」

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と尋ねた。

はしばらく黙り、「母さんが倒れること」と答えた。続いて、「がなくなったら、父さんも母さんも何をしてきればいいか分からなくなる」と言った。

の頃から、繁忙期になると部活を休んで伝った。学先も自宅から通える学に変え、就職してからも末はを取った。本族なら普通だとっていた。

「だから、美緒にも普通だとった?」

「たぶん。嫌だと言われても、すれば終わるって」

「私はあなたの子ども代を埋めわせるために妊娠したんじゃない」

はうつむいた。謝罪の言葉はなかった。

相談の最に、美緒はつの条件を伝えた。産まで別居すること。の鍵をが持ち込まないこと。今の連絡は当面メッセージか相談を通すこと。そして、節子が直接連絡してきても返事はしない。

は「婚するつもりか」と尋ねた。

「今は決めない。今決める必もない」

美緒は、結論を急がないことも自分の選択だと初めてった。

姉のへ戻ると、織の夫の達也がリビングの棚を段空けてくれていた。「くいていい」という言葉ではなく、洗濯曜費の分担をいたを渡されたことが美緒にはありがたかった。好だけに寄りかからずに済む仕組みがあれば、助けを受けても自分を失わずにいられる。

翌週、美緒は会社の総務担当者と面談した。

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