"5人目だけが若かった" 第2話
者を丁寧に送るための結び方には見えなかった。
首と首をく固定し、1から次の1へつなぐ縄。
それはむしろ、逃げられないように縛りげた形に見えた。
午になるまで、収容作業は続いた。
砂崩れで棺は完全に壊れていたが、全体の配置は部残っていた。5体の遺骨はを別々の方向へ向け、円を描くように置かれていた。
胸元には黒い。
首には乾いた松の枝。
腐った縄が、1の首から別の遺骨の首へ渡されている。
札は計23枚見つかった。
さらに5体すべての元から、古い貨がてきた。
4体は顎のに落ちていた。
だが、1体だけ違った。
そのの奥には、貨と緒に黄い布が押し込まれていた。
法医学者の田弓子が型ライトで顎の内側を照らした。
布は何にも丸められ、歯の内側のかなりいところまで詰め込まれていた。
田はしばらく黙っていた。
そしてにだけ聞こえる声で言った。
「儀式で置いたとはえません」
が彼女を見る。
「どういうです」
「きているのを塞ぐために、無理やり押し込まれた能性があります」
から流れた5体の骨。
老5の葬墓だとは言った。
だがそのの夕方、田は収容された1体を見ながら、さらに気になることをにした。
「この骨……若すぎます」
は何も言わず、彼女の線を追った。
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そこに並べられていたのは、5体のうち最も柄な1体だった。
精密な鑑定には3かかった。
砂崩れによってしく折れた骨と、埋葬されるから損傷していた骨を区別する必があった。で圧力を受けて折れた部分と、あるいは直に傷ついた部分では、変の仕方が違っていた。
725の午、田弓子はを解剖へ呼んだ。
ステンレスの作業台には、5体分の骨が個別に分けられていた。
田は側から4体を指した。
「こちらの4体は、の説ときく矛盾しません。の齢は60代半から80代半。男性2、女性2です」
は眉を寄せた。
「女性2?」
「はい」
佐藤徳夫が話していたのは、男性2、女性3の老だったはずだ。
田は番に置かれた骨盤を示した。
「問題はこの1体です」
骨盤の形はの4体よりらかに若く、骨の表面も滑らかだった。歯の摩耗もなく、関節に老化の痕跡がほとんどなかった。
「女性です。は22歳から26歳。幅を広く見ても28歳を超えていません」
はしばらく声をせなかった。
「70代の女性ではない?」
「絶対に違います」
青川の者名簿には、1993に同じでくなった老5が記録されていた。そのに20代の女性などいない。
しかも、若い女性の骨にはさらに異常があった。
田は両首の拡写真を並べた。
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「ここを見てください」
骨の表面に、細く圧迫された痕跡が残っていた。
首にも同じ痕がある。
「に軽く縛った程度では、こうはなりません。にかなりく固定されていた能性があります」
さらに肋骨には複数の損傷があった。
6か所。
方向がそれぞれ異なっている。
顔の骨にも激しい損傷が残り、歯4本の周囲は砕けていた。頬の骨も、1度の転倒では説できない形で傷ついていた。
田の声は次第にくなった。
「何者かに繰り返し暴されています」
は作業台から目をさなかった。
「事故ではない?」
「違います。肋骨の位置からすると、倒れた状態で胸や腹部にい力を受けた能性があります」
首の骨にも決定な痕跡があった。
舌骨周辺の損傷。
、い圧力が加わったにじることがある。
「因は窒息の能性がいです」
田はそう結論づけた。
しかし、それ以にを黙らせたものがあった。
若い女性のの指には、さな亀裂が残っていた。
「防御創にい痕跡です」
「攻撃を防いだ?」
「おそらく。最まで抵抗したのでしょう」
首と首を縛られる、彼女はをげ、何かをつかみ、攻撃してきたから自分を守ろうとした。
だが、その名は分からない。
なぜ彼女が老たちと同じ棺にいたのかも分からない。
は青川へ戻り、1993の方者について民から聞き取りを始めた。
しかし返ってくる答えは同じだった。
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