みかん小説
本棚

"同じ部署の社員が月30万〜50万円もらう中、私の月給だけは18万円だった" 第6話

6億4000万円の終

黒田は6億4000万円の契約に、社印の押された通ねた。

「青葉通信は、本付で都システム発との業務委託契約を終します」

秒針の音まで聞こえそうな沈黙が落ちた。ほんの数分まで、田はその契約額を私への脅しに使っていた。それが今は、自分たちが失う額として同じ机のに置かれている。

田の子がきな音をてた。菱田はを理解できないように通と黒田の顔を見比べ、佐藤は机のでスマートフォンを握ったままかない。

「待ってください。来には型更があります。野が突然辞めると言いしただけで、当社との契約まで切るのはおかしい」

「理由は野さんの退職ではありません」

黒田が指で示したのは、虚偽の捗報告、実作業者と責任者の致、障害対応体制の偽装、顧客報を扱う権限管理の備だった。3週から青葉通信側で内部確認をい、の役員会で契約終と監査協力を決議している。

利用者への響を避けるため、業務は60の移を設け、青葉通信の社内チームと別の委託会社へ順次切り替える。突然システムが止するわけではない。しかし、都システム発に次度の6億4000万円が入ることもない。

「これは、もう決定事項です」

広告

黒田の声はかったが、田の鳴り声より会議全体へ届いた。

田は私を指さした。

「この女が顧客をそそのかしたんです。会社の報を持ちして、うちとの契約を奪おうとしている!」

川が青葉通信側の監査始記録をいた。最初の確認は、私が採用の返事をするより19。きっかけは、顧客側の作業記録と都システム発の次報告が致しなかったことだった。

野さんから会社の秘密を受け取った事実はありません。確認に使ったのは、当社が保する障害対応票、アクセス履歴、納品物です」

法務担当者も、契約終の根拠は契約条項と監査結果であり、個の転職とは切りしていると説した。田の指はを失い、ゆっくり机へがった。

「転職って、何の話ですか」

佐藤がかすれた声で尋ねた。

黒田は私へ線を向け、話してよいか確認した。私はうなずいた。

野美咲さんは、来週から青葉通信のIT基盤統括部として勤務します。採用は2度の面談、技術審査、役員会承認を経た正式なものです」

菱田が「部?」と呟いた。朝まで《技術補助員》だった私に、今度は最顧客が基幹システムを統括する役職を任せる。

佐藤はまだ納得できないように、私の更を持ちげた。

「でも、こちらの料は……。青葉通信はいくらすというんですか」

広告

私は黒いファイルから採用条件通を取りし、額が見える向きで机へ置いた。

俸1200万円。額換算100万円。

18万円の署名欄を叩いていた佐藤の指が止まり、田のが半きになった。

同じ仕事を続けるための転職ではない。予算、員、障害の判断を預かり、結果にも責任を負う役職だ。面接では齢より先に、私が17で何を直し、何を守ったかを尋ねられた。その当たりの質問が、当の私には信じられないほど嬉しかった。

与だけで転職を決めたのではありません。仕事をしたの名を、正しく記録する会社で働きたいとったんです」

黒田は、6か分の監査資料をテレビ画面へ映した。

「では都システム発が、誰の仕事を誰の名で報告していたのか確認しましょう」

最初に表示されたのは、障害対応件数《73件》と、菱田亮の名だった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: