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"同じ部署の社員が月30万〜50万円もらう中、私の月給だけは18万円だった" 第7話

73件を奪った男

川が監査画面を操作すると、73件の障害記録が発刻順に並んだ。夜21件、休9件。担当者欄にはすべて《mizuno.m》と表示され、始から復旧までの操作も、青葉通信側のサーバーに残っている。

方、都システム発が提した次報告では、73件すべての統括責任者が菱田亮だった。野美咲という名は、補助者覧にさえ記載されていないもある。

「統括というのは、部が実作業をするものです。俺が全体を見て、野さんへ指示しました」

菱田は急に背筋を伸ばし、ネクタイを直した。黒田は反論せず、曜午418分に発したデータベース障害の記録をいた。

「では、この障害で最初に切りしたサーバーと、その理由を説してください」

「細かい操作は担当者に任せていたので……」

「復旧判断をした統括責任者なら、響範囲は説できますね。止した処理は何ですか」

菱田は画面を見つめたまま答えられなかった。あの夜、彼は連絡網に入っておらず、障害が復旧した午645分にも眠っていた。

川は次に、基幹システムのアクセス履歴を表示した。過6かの設計変更は142件。そのうち137件が私のIDで実され、残る5件は自処理だった。菱田のログインは研修の1回だけで、変更操作は0件。

数字が画面へるたび、菱田の顔から自信が消えていった。

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「ログインしていなくても、話やで指示はできます」

田が助けすと、川は障害の通話記録と連絡履歴をいた。菱田への発信も、彼からの指示も1件もない。代わりに、私と川の通話が227分続いている。

森本も報管理責任者とともに入し、監査担当者へ引き継ぎ確認を渡した。彼女は緊張で指先を固くしながらも、事実をはっきり話した。

野さんが操作している、菱田さんはスマートフォンを見ていました。なくとも私は、菱田さんから技術な指示を受けたことがありません」

森本は言い終えると、胸ので握っていたをほどいた。入社2目の彼女が部と役員の親族をに証言するのは、簡単なことではない。それでも線をげなかったのは、私がったあと、同じ扱いを受けるを残したくないからだと分かった。

菱田は彼女を睨みつけたが、黒田が線を向けるとを閉じた。

監査資料には、田が承認した報告が6冊分保されていた。実際の作業者を確認する欄は空なのに、菱田の《優れた指揮により期復旧》という文章だけが毎繰り返されている。その評価を根拠に、菱田は2度の特別賞与を受けていた。

私が午4に鳴る話へていた夜、菱田の実績欄だけが増えていた。悔しさはあったが、画面に並ぶ刻と件数を見ているうちに、それはたい確信へ変わった。

73件は、もう誰かの声だけで塗り替えられる数字ではない。

野さんの成果を、なぜ菱田さんの名で報告したのですか」

黒田が尋ねると、田は机に置かれた186ページのを指さした。

「成果以の問題です。野は退職にわせてシステムを操作できなくし、会社を脅している。報を隠したの記録など信用できません」

今度は私が、田へ尋ねた。

「私が何を消し、どの権限を止めたというのですか」

田は答えの代わりに、になればシステムがかないと断言した。

黒田は画面を切り替えた。

そこには、契約終24の全操作履歴が表示されていた。

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