"同じ部署の社員が月30万〜50万円もらう中、私の月給だけは18万円だった" 第19話
午213分の型更
型更の当、青葉通信の作業には12の担当者が集まった。壁の計は午1140分。机には確認表と予備端末が並び、正面の画面には5つの基幹システムの状態が別に表示されている。
窓のには終へ急ぐの列がさく見え、内にはコップのコーヒーの匂いが漂っていた。私は始に全員の顔を見渡し、体調が悪くなったは慮せず交代すること、異常を見つけても1で抱え込まないことを確認した。
都システム発にいた頃なら、田は「野に任せてある」の言で帰り、菱田は始刻さえらなかっただろう。今夜は操作担当、確認担当、判断担当を分け、各程を2以で照する。私が倒れても作業が止まらないことを、計画の最優先にした。
午0、更を始した。最初の2は予定どおりみ、データ移もしい認証処理も正常だった。担当者の声は落ち着き、をめくる音とキーボードの打鍵音だけが静かな部に続く。
15分ごとの確認では、担当者が数字を読みげ、別の1が画面と照した。私は全程を自分の目で確かめようとせず、異常がたときの判断条件へ集した。任せることは責任を放すことではなく、誰が判断するかを先に決めておくことだと、ようやく理解できていた。
広告
午213分、処理待ち件数が急に4800件まで増え、監画面の部が黄へ変わった。
若社員が息をのみ、全員の線が私へ集まる。以の私なら、自分で端末を奪うように操作したはずだ。けれど、それでは18万円だった頃と同じ、私がいなければ止まる仕組みに戻ってしまう。
「原因の切り分けを2組。顧客響の確認を1組。操作は担当者が続けてください。私は断するかどうかを判断します」
声にすと、12が斉にいた。森本は都システム発側の旧環境を確認し、青葉通信の若2は処理の変化を追う。3分、原因は認証報を同期する順番のずれだと分かった。
処理待ちの数字はそのにも5200件まで増えたが、利用者側の取引は予備経へ流れている。断すれば全には戻せるものの、次の実施は2週になる。私は焦りを押し込め、3組から届く報告の刻と内容をホワイトボードへ並べた。
順には代替順序が記載されていたが、実際の負荷で試すのは初めてだった。私は担当者の説を聞き、響範囲が限定されていることを確認してから、切り替えを承認した。
午231分、待件数は1200件まで減。239分、監画面は再びすべて緑になった。利用者側の止は0分だった。
誰か1が奇跡を起こしたのではない。発見、分析、判断、操作を別々のが担ったから、26分でて直せたのだ。
広告
私は対応記録の担当者欄に、関わった6の名が入っていることを確認した。
森本の名も、旧環境の確認者としてそこにあった。都システム発の社員が青葉通信の成果を奪うのでも、青葉通信がすべてを自社の柄にするのでもない。会社が違っても、実際にった仕事はそのの名で残された。
午547分、最の確認が終わった。型更は予定内に完し、5つのシステムすべてが体制へ切り替わった。拍が起きたあと、子へ座ったまま目元を押さえるもいた。
私も背もたれへ体を預け、初めてく息を吐いた。徹夜の疲れはある。それでも、誰にもられず1で夜けを迎えた73件とは、まったく違う朝だった。
若社員が差しした温かいお茶を両で包むと、えていた指先がしずつ戻った。作業にい言葉を使わなかったか、判断を急がせなかったかを振り返り、次回の改善点を3つメモした。成功した夜ほど、問題を隠さず残す必がある。
黒田が完成した報告を私へ差しした。表の責任者欄には私の名があり、そのの実作業者欄には12全員が並んでいる。
「この報告なら、誰の名も消えません」
窓ので、朝のが層ビルのへ差し始めていた。
広告
おすすめ作品
-
完結第12話
靴磨きの少年と会長の時計
有楽町の高架下で靴を磨く18歳の佐藤蓮には、他人には聞こえない微かな機械音を聞き分ける力があった。ある日、常連客である東都ホールディングス会長・田中健三の腕時計から、機械式時計には存在しない電子音を聞き取る。留め具から現れたのは、米粒ほどの盗聴器だった。会長に請われて本社へ入った蓮は、次々と情報漏洩を防ぐが、やがて産業スパイに仕立て上げられる。300万円の入金、深夜の入館記録、捏造写真。会社だけでなく帰る場所まで奪われた少年は、古い靴箱に残した証拠を抱え、会長を追い落とそうとする陰謀に立ち向かう。職場逆転|人生逆転1.7万字5 599 -
完結第13話
「異物が入ってる!」老舗そば屋を潰した“32秒の嘘”
東京・深川で「柚香庵」を30年間守ってきた72歳の高瀬澄子。ある日、5人組の客から「そばに異物が入っている」と怒鳴られるが、正体は自家製の柚子薬味に残った種だった。ところが、男たちの目的は食事ではない。1億2000万円相当の土地を1800万円で奪うため、1分41秒の映像を32秒に切り、店主が異物混入を笑ってごまかしたように拡散したのだ。店の評価はわずか2時間で4.7から2.1へ。さらに保健所へ金属片の写真が届き、午前2時17分、閉店後の裏口に人影が現れる。30年分の信用を奪われかけた澄子は、孫とともに記録を残し始めた。職場逆転|金銭問題1.8万字5 1 -
完結第6話
会長、腕時計に盗聴器があります!
有楽町の高架下で靴を磨く18歳の佐藤蓮には、他人には聞こえない微かな機械音を聞き分ける力があった。ある日、常連客である東都ホールディングス会長・田中健三の腕時計から、機械式時計には存在しない電子音を聞き取る。留め具から現れたのは、米粒ほどの盗聴器だった。会長に請われて本社へ入った蓮は、次々と情報漏洩を防ぐが、やがて産業スパイに仕立て上げられる。300万円の入金、深夜の入館記録、捏造写真。会社だけでなく帰る場所まで奪われた少年は、古い靴箱に残した証拠を抱え、会長を追い落とそうとする陰謀に立ち向かう。職場逆転9.0千字5 176 -
完結第5話
「中卒は留守番してろ」と空港に置き去りにされた私
中卒ながら独学で資格を取り、旅行会社に中途入社した22歳の天野澪。現場経験を生かして難航していた企画を救っても、学歴を嘲る竹内部長に成果を奪われ続けていた。やがて澪は、予約困難な老舗旅館・天祥館の視察枠を獲得する。ところが出発前夜、竹内は部下を脅し、澪の航空券だけを密かに取り消した。羽田空港に1人残された澪へ届いたのは、「中卒は留守番してろ」というLINE。事情を知らず天祥館へ着いた同僚たちを待っていたのは、チェックインを認めない女将だった。なぜ女将は、不在の新人を待つのか。そして澪が保存した操作履歴と録音は、竹内の嘘をどこまで暴くのか。職場逆転8.1千字5 616