"帰国した僕を待っていたボロ家" 第2話
映像の向こうで笑う妻と息子を見ることが、翌朝もう度い具箱を持ちげる力になった。
健は、自分が苦しいという話を本の族にはほとんどしなかった。ビデオ通話がつながれば、「こっちは丈夫だよ。ったより何とかなるもんだ」と笑い、仕事が終わらず数しか眠れないでも、その事実を隠した。方の苗も、「こちらは丈夫」と繰り返していたため、は互いに配をかけないことがなのだと信じていた。
健は現で言われた作業だけをしていては将来がないと考え、先輩技術者が故障箇所を特定する順を注く観察した。廃棄される部品をもらって構造を調べ、帰宅には英語の技術資料をずつ訳しながら読み込んだ。数かには器の異音や圧力計の数値から故障の原因を絞り込めるようになり、周囲から任される仕事も増えていった。
あるの夜、型スーパーの凍設備が突然止したことがあった。商品の損失がるに復旧させなければならず、経験豊富な技術者たちが原因を探す、健は制御盤のさな異常を見つけた。その仕事を境に料はしずつがったが、彼自の暮らしはほとんど変わらなかった。
同僚が古を買い替えても、健は古いに乗り続けた。
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より広いアパートへ移る余裕ができても部を変えず、事もできるだけ自炊かい弁当で済ませた。料になると最初にすることは、母のよしえが管理する本の座へを送ることだった。
「母さん、が危なくなったらちゃんと直してくれよ。勇気にも便ないをさせないでくれ」
話のたびに健がそう言うと、よしえは決まって笑った。
「こっちは配しなくていいよ。あんたが体を壊さないことの方が事なんだから」
苗にも、勇気の体調や保育園での様子、母親の腰、兄夫婦との暮らしについて細かく尋ねた。しかし苗が「みんな元気よ。あなたこそ無理しないで」と答えると、それ以くは聞かなかった。折、画面越しの妻が以より疲れて見えることはあったが、「のことがし忙しいだけ」と言われれば、その言葉を疑う理由がなかった。
3目、健は勤めていた会社を辞め、さな空調設備のメンテナンス会社をちげた。最初の従業員は自分を含めてで、古いバン台と古具を揃えただけの発だった。朝に見積をき、昼は現を回り、夜は請求と税務類を理する活が始まった。
取引先の支払いが遅れ、従業員の料を払えば座残がほとんど残らないもあった。そんな夜、健は机の引きしから族写真を取りし、写真ので笑う苗と勇気をい眺めた。
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自分には逃げる所がないのではなく、帰りたい所があるのだと言い聞かせた。
会社はしずつ成した。さな堂やスーパーから始まった契約は、ショッピングセンターや物流施設へ広がり、健は利益の部を古い宅の購入と改修にも投じるようになった。事業が定すると資産は急速に増え、現の系社会では自力で成功した事業として名をられるようになった。
同じ頃、岐阜の実を建て替える話が持ちがった。
「どうせ直すなら、古いを壊して建て直した方がいいかもしれないね」
母の提案を聞いた健は迷わなかった。見積額を聞き、必な資を送り、追加事がればさらに送した。苗も話で「ったより派なになりそうよ。帰ってきたらきっと驚くわ」と笑った。
事の映像には、資材の積まれた敷や、しい壁が映ることもあった。健は画面を見るたび、そのので母がゆっくり休み、苗が料理をし、勇気が庭をり回る景を像した。兄夫婦も緒なら、自分がくにいるも支えって暮らせるだろうと信じていた。
7目を迎える頃、会社は健が毎現へなくても回るようになっていた。複数の期契約を持ち、産投資も定し、経営を任せられるも育っていた。
ある夜、オフィスの窓からロサンゼルスの灯りを見ろしていると、机の端に置いていた古い族写真が目に入った。
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