"ソファの下のピンクのスマホ" 第6話
ただつ。
優奈さんがらかに揺していた。
私はスマートフォンを取りし、画を回した。
「撮らないで!」
優奈さんがを伸ばしてくる。
私は距を取った。
「翔太さん。2000万円、何に使ったの?」
翔太の笑いが止まった。
「何の話だよ」
「ホテル」
その言で、彼は黙った。
私は録画を止めた。
「今は帰るわ」
部をると、その画を雄へ送った。
20分。
話が来た。
「母さん、今どこ?」
声が震えていた。
マンションくのさな公園で待っていると、雄がで現れた。
目が赤い。
私のへ来ても、何も言わない。
「雄」
私は真正面から聞いた。
「あなた、優奈さんのことっていたでしょう」
い沈黙のあと。
彼の目から涙が落ちた。
「……ってた」
胸ので何かが切れた。
「いつから?」
「半くらい」
「どうして黙ってたの」
雄は両で顔を覆った。
「婚できないんだ」
「なぜ?」
「会社があるから」
私は眉を寄せた。
雄が友とちげた会社は、創業に優奈さんの父親から資を受けていた。
その、父親がくなり、保していた30%の株式を優奈さんが相続している。
「優奈が本気で俺と争ったら、株を第者へ売るって言ってる。取引先にも俺の庭のことを言うって。今、会社はきな契約の更期で、問題を起こしたくないんだ」
「だから妻がの男と付きっていても黙っているの?」
「会社には社員が12いるんだよ」
広告
雄は泣きながら言った。
「俺ので潰せない」
私は、その言葉を聞いてるよりしくなった。
息子は優奈さんを庇っていたのではない。
自分が背負っている会社と社員を質に取られているとい込み、きが取れなくなっていたのだ。
私は雄の肩へを置いた。
「あなた、専に相談した?」
雄は首を振った。
「優奈の言うことを、そのまま信じてるだけなのね」
「でも30%だぞ」
「株を持っていることと、会社を好きに潰せることは同じじゃないでしょう」
雄が顔をげた。
私は言った。
「、先のところへ緒にきなさい」
今度は。
息子自が、自分のを取り戻す番だった。
翌、雄を連れて弁護士の事務所へった。
雄は最初、妻の浮気より会社のことばかり話した。
優奈さんが30%の株式を持っている。
婚すれば売却すると脅されている。
主取引先へ庭問題をらせるとも言われている。
弁護士は最まで聞いたあと、会社の定款と株主契約を確認した。
「さん」
雄へ向かって言う。
「奥さんは30%を保しています。しかし自由に誰へでも売れる契約ではありません」
雄が顔をげた。
非会社のため、株式の譲渡には会社の承認が必になっていた。
さらに、創業の契約には既株主へ先に買い取りを申しる条項もある。
広告
「もちろん、争いになれば面倒です。しかし『婚したら即会社が潰れる』状態ではありません」
雄は言葉を失った。
半、自分を縛っていた恐怖の正体が、しずつ崩れ始めた。
「それでも資は……」
「奥さんの株を会社がタダで取りげることはできません。そこは適正な続きが必です。ただ、貞や財産問題とは分けて処理できます」
雄はく俯いた。
「俺、何やってたんだろう」
「怖かったんでしょう」
私は静かに言った。
「怖いほど、で考えると相の言葉が全部本当みたいに聞こえるのよ」
次に問題となったのがだった。
雄の同を得て夫婦の計資料を理すると、優奈さんが佐々から受け取っていた2000万円以にも、気になるきが見つかった。
毎雄から受け取る15万円の活費の部。
夫婦名義の積座。
そして結婚に私が渡した300万円の残り。
計すると、およそ430万円が数で優奈さん個の座へ移されていた。
そこから部が翔太へ流れている。
つまり2000万円すべてが雄のではない。
だがなくとも数百万円については、夫婦の活のために積みげた財産が混ざっている能性がい。
「ここはきちんと精査できます」
弁護士は言った。
さらに雄自の代理として正式に資料を集めることになった。
方、佐々健についてもな事実が分かった。
彼は堅産会社の財務部に勤めていた。
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
現地払いの還暦旅行
旅行会社に勤める弘志は、義父の還暦祝いに伊豆の高級ホテルを手配する。ところが旅行当日、義父母と義姉、さらには妻の優希までが、駅で「お前はもう帰れ」と弘志を追い返した。 屈辱をこらえて帰宅した弘志のもとに、妻から不可解なメッセージが届く。一方、義家族はホテルで高級料理や酒、エステを次々と注文していた。 しかし彼らは、旅行のしおりに記された重要な支払い条件を見落としていた。チェックアウトの日、彼らを待ち受ける驚愕の請求と、妻が隠していた秘密とは――。人生逆転|兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|絶縁|修羅場2.8万字5 486 -
完結第20話
借金3億の旅館を継いだ私を捨てた夫の誤算
父の急逝により、43歳の真帆が引き継ぐことになったのは、信州の古びた温泉旅館と約3億円の借金だった。夫の拓也は「貧乏になる前に離婚してくれ」と冷たく言い放ち、ただ一人、17歳の息子・勇気だけが母について行くと決める。 亡き父の宿を守ろうとする真帆だったが、遺された宿日誌から夫の恐ろしい裏切りが発覚。さらに離婚協議では、16年間つけ続けた家計簿が思わぬ反撃の切り札となる。 夫に見捨てられた母と息子は、3億円の借金を抱えた旅館で新たな人生を切り開けるのか――。人生逆転|真実|孤獨|親子関係2.4万字5 88 -
完結第16話
庭付き新居に押しかける長男夫婦、引越し当日に絶句
夫を亡くした62歳の田所美津子は、長年暮らした家を売り、菜園付きの一軒家で新生活を始めようとしていた。 ところが長男の琢磨と嫁の真理亜は、相談もなく同居を宣言。「断るなら一生介護しない」と脅しまでかけてくる。 夫の葬儀で遺産を要求された美津子は、もう息子に振り回されないと決意していた。 長女の美香と密かに進めていたのは、誰にも知らせていないもう一つの引っ越し計画。 何台ものトラックを連ね、当然のように新居へ乗り込んだ長男夫婦。だが引っ越し当日、二人は思いもよらない事実を知ることになる――。人生逆転|祖父母と孫|嫁姑|親子関係|介護2.4万字5 86 -
完結第10話
銀座の384万円
巨大企業グループの総帥という身分を隠し、平凡な専業主婦として暮らす美央。夫と義母に見下されながらも、温かい家族を夢見て五年間耐え続けてきた。 義母の誕生日、55万円の高級バッグを用意して銀座のレストランへ向かうと、義家族はすでに食事を終えていた。美央の席も料理もなく、代わりに突きつけられたのは384万円もの請求書。 「会計はあなたが払って」 その言葉に、美央は静かに微笑んで店を去る。しかし義家族はまだ知らなかった。自分たちが誰を敵に回したのかを――。因果応報|人生逆転|嫁姑|夫婦|金銭問題|修羅場1.6万字5 1510 -
完結第15話
親族会議で追放された妻――翌朝、七枚のカードが全停止
七年間、夫の翔平と宮田家を陰で支え続けてきた神崎紗良。しかし親族会議の席で、夫から突然離婚を宣告される。 「慰謝料も財産分与もなし。一円も持たずに出ていけ」 義父母や親戚からも見下された紗良は、反論することなく離婚届に署名し、屋敷を去った。 ところが翌朝、翔平の七枚のブラックカードがすべて使えなくなる。続いて二軒の豪邸に届く契約終了通知、銀行からの融資見直し。 実は宮田家の誰も、紗良の本当の正体を知らなかった。九十九件もの着信を重ねた元夫が、最後に突きつけられる真実とは――。裡切られた|嫁姑|夫婦|金銭問題1.9万字5 505 -
完結第10話
本当の家主
仕事で疲れ果てて帰宅したのり子を待っていたのは、義妹・美香が散らかしたゴミだらけのリビングだった。片付けも夜食作りも拒否すると、夫の誠は妻を責め、義母のかよは「この家から出ていけ!」と怒鳴り、雨の降る夜にのり子を追い出してしまう。 助けを求める妻を見ながら、夫は冷たくカーテンを閉めた。しかし義家族は知らなかった。土地も建物も、亡き両親の遺産と自分の稼ぎで手に入れた、のり子名義の財産だったことを。すべてを奪われ続けた妻が、ついに静かな反撃を決意する。人生逆転|兄弟姉妹|嫁姑|修羅場1.8万字5 685 -
完結第16話
「嫁は廊下で寝ろ」私が二度と帰らなかった理由
33歳の藤崎恵里は、夫の母を気遣い、義実家での一年間の同居を受け入れた。しかし、優しかった義母の態度は次第に豹変。洗濯物、食器、私物まで次々と居場所を奪われ、ついには仕事から帰った夜、布団を廊下に出されてしまう。 「嫁はここで寝ればいい」 夫まで義母に味方する中、恵里は静かに家の鍵を置き、二度と戻らないと決意する。実は彼女には、家族が知らないもう一つの顔があった。 翌朝、仙台にいる義父から一本の電話が。そして38年前、同じ廊下で起きた出来事が明らかになり、家族の関係は思いがけない方向へ動き始める。因果応報|嫁姑|夫婦|第二の人生|親子関係|金銭問題2.1万字5 4563 -
完結第10話
義父の古希祝いで母娘の席が消えた――予約名義は私
34歳の藤崎菜央は、義父の古希祝いのため、親族57人の食事会を一人で準備し、手付金30万円も立て替えていた。ところが当日、会場に用意されていたのは55人分の席だけ。消されていたのは、菜央と13歳の娘・小春の席だった。 義妹と義母は「連れ子は家族ではない」と言い放ち、夫の啓介さえ娘をかばおうとしない。 菜央はホテルの支配人に「予約名義は私です」と告げ、契約の名義変更を求める。だが、本当の裏切りは三日前の予約変更記録に隠されていた――。裡切られた|祖父母と孫|嫁姑|親子関係|修羅場1.4万字5 1536