"娘がいない夜も、足音がした" 第3話
最初は洗面所側の器がく反応し、0.数秒遅れて廊側へ伝わっている。直、から井を突くような鋭い音が続いた。
603号には誰もいない。ドアセンサーも窓センサーも反応していなかった。
午1047分、私のスマートフォンが鳴った。森田だった。
「今夜もっただろう。証拠を録った。すぐ娘を止めろ」
私は姉の居で、眠そうな咲の肩を抱いていた。「今、私も娘もにいます。603号は午7から無です」
森田は瞬黙り、「留守番させた誰かがいるんだろう」と言った。
「いません。閉記録と内映像があります」
「そんなものはいくらでも細できる。とにかくから聞こえた」
話は切れた。咲は画面を見つめ、「私じゃなかった」とつぶやいた。より先に涙がていた。私は娘を抱きしめたが、自分もすぐぶことはできなかった。私たちが原因ではない能性がまっただけで、音の発源は分からない。
翌朝、記録を管理会社へ送った。藤は、無にも同じ音がたなら設備由来の能性を調べる必があると、初めて態度を変えた。ただし管理組の費用で専調査をうには理事会決議が必だという。
理事会は翌週かれた。森田は、私が図に内で装置を作させた能性があると主張した。ほかの理事3のうち2は判断を避け、1は「子どものいる庭と齢者の覚差」
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として双方が譲るよう求めた。
私は譲り方を尋ねた。すでに対策をし、娘がでも音がた。さらに何をすればいいのか。誰も答えなかった。
川がオブザーバーとして席し、605号でも同刻に音を聞くと話した。すると森田は、「隣同士で裏をわせた」と声を荒らげた。
藤が過の修繕記録を確認すると言い、会議は結論なく終わった。帰り際、理事のである704号の宮が、私を呼び止めた。
「これ、理事にはまだ言っていません」
宮が見せたのは、2の規模修繕に撮された503号浴井裏の写真だった。共用の排て管に、本来あるはずの防振材がなく、の換気ダクトが属バンドで直接固定されている。
写真の提者欄には、《森田修造・専部浴改修》とかれていた。
宮によれば、この写真は当の点検報告へ添付される予定だったが、完成版からされていた。共フォルダには撮者のきだけが残り、理事会議事録には「漏なし」としかかれていない。誰が削除を指示したかまでは分からなかった。
「森田さんが隠した証拠ですか」と私が聞くと、宮は首を振った。「そこまでは言えません。管理会社の担当がと判断した能性もあります。ただ、理事本の部で問題を見つけたのに、ほかの理事へ報告されなかったのは事実です」
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都のよい枚を見つけた瞬、私は森田がすべて仕組んだのだといたくなった。しかし写真は入であり、結論ではない。私は原本データの保を依頼し、撮した業者、当の担当者、事申請を確認してから判断することにした。
姉のから戻った咲は、無の録音を何度も聞きたがった。私は度だけ緒に確認し、そのは器をしまった。自分がしていない音を証するために、娘が毎晩波形を監する活へ変わってはがない。
写真だけで原因が確定したわけではなかった。排て管は共用部分に当たる能性がいが、井材や換気設備は専部分との境界が規約によって異なる。事内容と音の関係を、専に見てもらう必があった。
管理会社が保管する事申請を確認すると、森田は3に浴と洗面所の改修を届けていた。しかし申請にはユニットバス交換と内装事だけが記載され、共用管周辺の防振材をす事や換気ダクトの固定方法は図面にない。施会社はすでに廃業していた。
藤は、管理組の修繕履歴に写真が残っていた理由を説した。2、階からの漏確認で点検をけた際、修繕業者が異常な施に気づき撮した。しかし漏れとの直接関係がなかったため、当の理事だった森田へで伝えただけで、正はわれなかった。
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