"娘がいない夜も、足音がした" 第6話
議題は森田の理事解任、設備正費用、管理会社との再発防止策だった。私個への謝罪を総会の議題にはしなかった。謝罪を数決で命じても、森田の気持ちまで変わるわけではない。
森田は最初に20分く話した。妻の介護と騒音に苦しみ、管理会社がかないため理事として対応した。603号には何度も改善を求めたが、被害を軽く扱われたという内容だった。
妻が半から施設にいることは言わなかった。私は発言の順番が来た、苦を受けて防音対策をしたこと、娘が夜の移を恐れるようになったこと、無の記録、専調査の結果だけを説した。森田の妻の居所は、設備問題に必な範囲を超えるためにしなかった。
「私は、森田さんが音を聞いたこと自体を嘘だと言っていません。音はありました。ただ、その原因を確認せず、娘だと決めつけたことを問題にしています」
会から、子どもの音に困った経験があるという声ががった。別の民は、森田がに清掃や防災訓練をしてきた功績を挙げた。設備原因が分かっても、見はつにならなかった。
採決の結果、森田の理事解任は決された。ただし賛成は全体の約6割で、反対と棄権もかった。設備改修は、共用管の防振処置を修繕積、専部ダクトの復旧を森田、調査費の部を管理会社が負担する案で承認された。
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私の損失については、総会では決めず、森田と管理会社を交えた個別協議になった。管理会社は簡易計測費と専調査の私負担分を補償し、森田は弁護士を通じて解決15万円を支払う案をした。謝罪文には、発源を確認せず603号へ繰り返し苦を申して、娘へ精神負担を与えたことを認める文が入った。
額は、私が受けた苦痛を正確に測るものではない。裁判を続ければ増える保証もなく、と費用がかかる。私は、今の直接接触禁止と、学や勤務先へ連絡しない条項を加えてした。
森田は署名したが、私へ直接謝らなかった。エレベーターで会えば壁を見つめ、挨拶にも答えない。私はその態度を変えさせようとしなかった。
事、午1043分の衝撃音はほとんど聞こえなくなった。703号も器洗浄の予約を午8へ変えた。建物には別の音や扉の音が残っているが、以のような規則な衝撃は消えた。
ところが咲は、音が消えても夜になるとベッドからられなかった。トイレへくは私を起こし、階から度物音がすると体を固くした。
私は「もう丈夫」と何度も言いそうになった。だが、原因が直ったと、怖さが消えるは同じではない。学の相談員に話し、咲の希望で2回の面談を受けることにした。
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森田に勝てば、娘も元通りになるとっていた自分に気づいた。解決や報告は必だったが、それだけで失ったまで自に戻るわけではなかった。
相談員は、咲に音を気にしない訓練をいるのではなく、できる選択肢を緒に増やした。夜にをみたくなったら私を呼んでもよい。でけそうなは廊の灯りをつけ、から物音がしても、それが抗議か活音かをすぐ決めない。
私も面談を受けた。森田の音が廊から聞こえると拍数ががり、仕事の文章がに入らなくなることを話した。相談員は、娘を守る役だけでなく、私自も威圧を受けた当事者だと言った。
解決で防音マットをさらに増やす案はやめた。必以の対策をねれば、咲に「やはり私たちが音を消すべきだった」と伝わる。既のマットは残し、費用は相談と、ので過ごす休に使った。
久しぶりに映画を見た帰り、咲は館内の音量は平気なのに、のさな音が怖いと話した。怖かったのは音量ではなく、そのに誰かが鳴りに来ることだった。私はようやく、娘の恐怖の形を理解した。
、咲は6になった。しい担任には、本の同を得て、夜騒音を巡る経緯となについて伝えた。森田が学へ連絡した事実はなかったが、咲はいつ来るかと恐れていた。
担任は特別扱いを約束せず、困ったに保健へけること、宿泊事では部の位置を相談できることを説した。
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