"夜逃げ社長に捨てられた4人" 第5話
真希は客が「何となく格好いいじ」と曖昧に話しても、質問をねて希望を具体化できた。凛はその言葉を絵に変え、は予算と耐久性にわせて現実に作れる形へ修正する。奈は「そこまでやったら赤字です」と容赦なく止め、初めて会社のが何のために必なのか4全員が理解するようになった。
業から3か、奈が帳簿を見ながら言った。
「来、うまくいけば全員に料をせます」
額はくなかった。
それでもは、その言葉を聞いてしばらく返事ができなかった。
自分たちで働き、自分たちで作ったから、約束したに料を払う。
以なら当たりだとっていたことが、今は何より切にじられた。
板「結」は、ようやく本当のでき始めた。
業から半ほど経つ頃には、「結」の名は商のでもしずつられるようになっていた。真希がに営業を続け、完成した板を見た客が別の客を紹介してくれたことで、によっては4が最限活できる程度の売がつようになった。
共同活も相変わらず続いていた。
奈が朝当番のは卓へ正体の料理が並び、真希が夕を作るは効率をしすぎて3連続同じ煮物になる。凛は夜になるとの隅でスケッチを描き、は「仕事はでいいから寝ろ」
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と声をかける役目になっていた。
そんなある、真希が珍しく玄関を勢いよくけて帰ってきた。
「沢さん、きい話が来ました」
隣町に設されるの駅から、施設全体のサイン計画について見積もり依頼が来たという。正面板、駐誘導板、館内案内、テナント表示まで含むため、これまで受けた仕事とは額の桁が違っていた。
4は何度も打ちわせをった。
凛が施設全体の統デザインを作り、が耐久性や施方法を検討する。真希がオーナーと価格交渉をね、奈が資材費と注費を細かく積みげた。
正式契約が成した、奈はの蔵庫から普段は買わないさなケーキを4個取りした。
「これ成功したら、うち、かなり楽になりますよ」
真希が言った。
材料の括購入には、これまで積みげた事業資の半を使った。それでも全員が、この案件を乗り切れば「さな商の板」から歩へられると考えていた。
ところが契約から2週、真希の携帯話が鳴った。
の駅のオーナーだった。
真希は最初、いつもの営業調で話していた。しかし数分には表がくなり、最は「承しました」とだけ言って話を切った。
「キャンセルです」
奈がちがった。
「材料、ほとんど発注済みですよ?」
「担当者が変わって、別業者へ切り替えることになったそうです」
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はしばらく何も言えなかった。
契約条件について確認すれば、すでに発した費用の部を請求できる能性はあった。しかしそれだけで全ての損失を補えるわけではない。何より、成功を確信していた仕事が突然消えたことが4のをきく削った。
その夜、真希が帰宅したのは午10を過ぎていた。
「原因、分かりました」
机のへ置いたのは、の駅関係者から聞き取ったメモだった。
黒田がいていた。
K-CRAFT SIGNとしての駅の担当者へ接触し、「結」は黒田芸から仕事を持ちした元従業員が作った会社で、納期も品質も信用できないと吹き込んでいたらしい。
さらに、黒田は自分がかつて元請けだったを利用し、たちが過に作った板まで「自分が監督した仕事」として営業資料へ載せていた。
「ここまでやるか……」
は呟いた。
活を壊された。
料を奪われた。
それでも自分たちでちがろうとした。
今度は、そのしい仕事まで潰された。
材料だけがへ残った。
材、アクリル板、具、塗料。使いを失った資材のを見るたび、は自分が3を巻き込んだのではないかとうようになった。
そして追い打ちをかけるように、自宅ローンの支払いについてから連絡が入った。
このを失えばむ所だけではない。
「結」
のまでなくなる。
は初めて、本気でを畳むことを考えた。
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