"夜逃げ社長に捨てられた4人" 第6話
数週、の空気はらかに変わっていた。真希は毎営業へたが、きな契約は取れず、奈は帳簿をくたびに数字を見て黙り込んだ。凛は使う予定のなくなった資材をに、それでもしい図案を描き続けていた。
はそれを見るほど苦しくなった。
自分が「4でやろう」と言わなければ、真希は別の営業職を探し続けたかもしれない。奈もをかければ事務職を見つけたかもしれず、凛はまだ23歳なのだから京へる選択肢さえあった。
それを自分がつのへ集め、会社を作り、今では全員の活まで背負っている。
ある真夜、3が2階へがったあと、はでに座っていた。
机のには「板 結」といた業届の控えがあった。号をき込んだのことをいそうとしても、今はその文字が無責任なの残骸にしか見えない。
、3へ言おうとった。
を畳む。
自分はを売ってローンを理する。
3にはまだ若さがある。
これ以付きわせるわけにはいかない。
ちがろうとした、の隅に積まれた材へ目が止まった。
の駅で使うはずだった板だった。
は無識に本をへ取った。表面を指でなぞると、目のさや乾燥具がのひらから伝わってくる。
20触れ続けてきた覚だった。
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黒田に鳴られたも、夜まで働いたも、このだけは仕事を覚え続けてきた。
「まだ作れるんだよな……」
わず声が漏れた。
はない。
きな仕事もない。
信用まで傷つけられた。
それでも、自分のから技術まで奪われたわけではなかった。
その、階段からさな音がした。
振り返ると、凛がっていた。
「沢さん、し話してもいいですか」
凛はの正面へ座ると、両を膝に置いた。
「私、辞めます」
はすぐにを理解できなかった。
「私がいなくなれば、分の件費が減ります。デザインは注でもできますし、今なら私はまだ別の仕事を探せます。だから、私を切ってください」
凛は泣いていなかった。
けれど、声だけが震えていた。
は数分まで、自分も同じことを考えていた。
3のためにを畳む。
自分が犠牲になればいい。
しかし凛のから同じ理屈を聞いた瞬、その考えが仲を守る方法ではなく、ただ自分が責任から逃げるための言い訳だったのではないかとえた。
「ふざけるな」
凛が顔をげた。
「おを切るくらいなら、を畳む」
言ってから、自分の矛盾に気づいた。
ほんの数分まで畳むつもりだった。
それでも言葉に迷いはなかった。
「そもそもおがいなくなったら、『結』じゃないだろ。真希も奈も同じだ。4で始めたのに、苦しくなったからずつ減らすくらいなら、最初から会社なんて作る必なかった」
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凛の目に涙が浮かんだ。
その、階段の途から真希の声がした。
「丸聞こえですよ」
奈も隣にっていた。
どうやらとも起きていたらしい。
「、商活性化のサインデザインコンペの募集が始まります」
真希がスマートフォンを見せた。
が主催する企画で、最優秀案には実際の施業務が発注される。規模はの駅よりさいが、「結」にとっては分きな仕事だった。
「の駅で使う予定だった材料、かなり流用できます」
奈も言った。
は材を見た。
黒田のせいで余った材料。
ならば、それを黒田に潰された証拠のまま眠らせる必はない。
「やるか」
真希が頷いた。
奈が笑った。
凛は涙を拭きながら、スケッチブックを抱えた。
終わるはずだった夜。
4はもう度、同じ机へ集まった。
コンペの締め切りまでは3週しかなかった。4は通常の案件を最限こなしながら、残ったのほとんどを提案へ注ぎ込んだ。失敗すれば今度こそ資が尽きる能性がく、誰も「楽しんでやろう」と言える状況ではなかった。
凛は最初の1週だけで数案を描いた。
しかし、どれも本が納得しなかった。
ある夜、がへりると、元には丸めたスケッチがのように転がっていた。凛はパソコン画面を見つめたまま、疲れ切った顔をしていた。
「何が駄目なんだ?」
「綺麗にはできるんです。
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