"卒業3か月前に消えた娘" 第3話
「なぜ?」
「聞きました。でも答えてくれませんでした」
宿先も調べられた。
2階のさな部には、本があふれていた。国文学の本、郷史、政史、古い宅図、方聞の切り抜き。
ところが、肝の卒論資料はなかった。
机の引きしに残されていたのは、未使用のノート2冊と鉛、そして富郊の図が1枚だけだった。
図には赤いボールペンで3つの丸がつけられていた。
川崎は図を学へ持っていき、結教授にも見せた。
「この所に当たりは?」
「あります」
教授は1つ目の丸を指差した。
「蓮子君がに取材した集落です」
2つ目もそうだった。
3つ目も、都発によってくのが買収された域だった。
川崎は古い図と現の計画図をねた。
3つの丸。
すべて、1990代初に規模な買収がわれた所の周辺。
「卒論の取材先としては自然ではないですね」
若い巡査が言った。
「そうだな」
川崎は答えたが、図をしまわなかった。
自然ではない。
だからこそ、そのに何かが隠れている気がした。
そして失踪届提から10目、川崎は達夫の事務所を訪れた。
さな応接で、達夫は自分から茶をした。
「蓮子は見つかりそうですか」
「まだ何とも」
「兄夫婦が参っています。特に義姉が」
達夫は目を伏せた。
「私はあの子をさい頃から背負って歩きました。
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姪というより娘みたいなものです」
川崎は赤い丸のついた図を机へ置いた。
その瞬だった。
達夫の線が、番の丸で止まった。
本当にいだった。
だが川崎は見逃さなかった。
「この所をっていますか」
達夫はすぐ表を戻した。
「もちろん。昔、仕事で関わった域です」
「どんな仕事です?」
「関係ですよ。補償の算定だったといます」
「ほかの2か所は?」
「は」
「蓮子さんが、そこを調べていたことは?」
「りません」
川崎は達夫の顔を見た。
「の、蓮子さんと何を話したんですか」
「言ったでしょう。就職のことです」
「それだけですか」
「それだけです」
声も表も乱れなかった。
川崎はまた、記録の端に鉛で「?」をいた。
達夫にはアリバイがあった。
蓮子が姿を消した、午から午にかけて建設会社の役員らと会議をしていた。席者が複数おり、そのはと料理へったという証言も取れた。
主も達夫を覚えていた。
「夕方には来ていましたよ」
会議相も答えた。
「そのは確かにさんと緒でした」
報告を受けた司は、川崎へ言った。
「叔父を疑ってるのか」
「まだ疑うというところまでは」
「なら、入りするな。姪を配しているだけかもしれん」
その通りだった。
達夫の言には違がある。しかし違は証拠ではない。
川崎は別の方向から調べることにした。
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蓮子が取材した3つの集落。
最初に訪ねたのは、当70歳かった鈴という老だった。
蓮子の写真を見せると、老はすぐ頷いた。
「来たよ。礼儀正しい子だった」
「何を聞かれました?」
「昔のの話だ。田んぼがどこまであったとか、祭りのこととか」
「の補償については?」
そこで鈴の表が変わった。
「しはな」
「どんな話です?」
老は湯呑みに目を落とした。
「の話は、わしからは話しにくくてな」
「どうしてです?」
「昔のことだ」
「さんは何か聞いていませんでしたか」
鈴は首を振った。
「らん」
そのは何を尋ねても、同じ答えしか返ってこなかった。
川崎は記録へ《参考・具体供述を拒む》とき、その横にまた「?」をつけた。
別の取材先でも似た反応があった。
「補償は役所が決めたことだから」
「詳しいことは主がやった」
「もう終わった話ですよ」
皆、話題を避けた。
単に昔の銭問題を蒸し返されたくないだけなのか。それとも、話せない理由があるのか。
川崎には判断できなかった。
蓮子の両親にも改めて話を聞いた。
母のすみ子は娘の部から、冊の計簿のようなノートを持ってきた。
「これ、蓮子のものです」
には取材先へ向かった交通費やコピー代が細かく記録されていた。
《614 央図館 コピー180円》
《73 田区 バス往復620円》
《822 役所資料 コピー460円》
9以、コピー代が急に増えている。
あるは1,800円。
別のは2,400円。
学が卒論資料として使うには、かなりの量だった。
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