"251840円の正月料理を持ち去った義母" 第15話
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完結第16話
姉の代わりに嫁いで6年――総支配人夫人の姉と再会した日
姉が断った縁談を押しつけられ、三倉冬馬と結婚した紗和。相手は社員4人の小さな会社を営み、800万円の借入れを抱えていた。家族の援助もなく始まった結婚生活から6年。夫婦で訪れた高級ホテルで、総支配人夫人となった姉・瑞穂に再会する。「本当にあんたに譲って正解だったわ」。姉は紗和たちを追い払おうとするが、夫が告げた一言に、ロビーの空気が変わった。やがて見つかるのは、同じ角部屋をめぐる苦情と、不自然な無料宿泊の記録。紗和は現場に残された資料をもとに、予約を変更された客たちの事情を確かめていく。姉が誇る「総支配人夫人」の暮らしは、いったい誰の犠牲で成り立っていたのか。兄弟姉妹2.3万字5 94 -
完結第15話
兄を笑った銀行一家へ、300億円の解約通知
挙式15分前、新郎控室で待っていたのは、白いタキシード姿の兄1人だった。「結婚も、式も、全部ドッキリだったって」。婚約者の父は銀行会長。その家族が送りつけた80秒の動画には、兄を嘲る笑い声が残っていた。23年前から親代わりになり、私を育ててくれた兄が、今度は自分の幸せを選ぼうとしただけなのに。兄の隣に座った私は動画を保存し、財務責任者へ電話をかける。「じゃあ、預金300億、全額解約で」。銀行一家が見下していた妹は、美容企業グループの創業者兼会長だった。だが、私がその銀行に会社の資金を預け続けていた理由を、彼らは知らない。答えは、兄が保管していた古い茶封筒の中にあった。夫婦|親子関係2.1万字5 89 -
完結第14話
母に買った家を狙う婚約者
「結婚前に母親へマンションを買うなんて、嫁としての自覚がないわ」 未来の姑は、私が自分で貯めたお金の使い道まで責め始めた。 婚約者も「結婚後は僕たちの家庭を第一にして」と母親の味方をした。 私は怒らず、静かに尋ねた。 「分かった。じゃあ結婚後は、お互い自分の親には1円も援助しないってことでいいよね」 すると、2人の顔色が一瞬で変わった。 「それとこれとは話が別でしょう。長男の嫁なら夫の親を支えるのは当然よ」 私の母への援助は身勝手で、夫の両親への援助は当然らしい。 さらに姑は、母のマンションを「必要なら売ればいい」とまで言い出した。 なぜ私の預金額や退職金を、何度も確認していたのか。 なぜ婚約者は、突然結婚を急ぎ始めたのか。 私はバッグの中の茶封筒へ触れた。 そこには《最終通知》の文字と、約3000万円という金額。 そして婚約者の名前が記された、もう1枚の書類が入っていた。嫁姑|夫婦|相続|金銭問題2.0万字5 298 -
完結第10話
27年目、妻は食卓を捨てた
「……もう、必要ないのね」 27年間作り続けた夕食を、家族5人はスマホを見たまま無言で食べた。 「いただきます」も「おいしい」も、誰の口からも出なかった。 翌朝、私が食卓に残したのは一枚のメモだけ。 《今日から、自分のことは自分でお願いします》 夫は鼻で笑い、私が困って戻るよう家族カードまで停止した。 「パート代だけで、一人で暮らせるわけがない」 ところが3日たっても、私は助けを求めなかった。 家族が食事や洗濯、義母の薬の管理に困り始めた頃、娘が台所の奥で古いノートを見つける。 表紙には《家族のこと》。 そこには27年間、誰にも気づかれなかった私の記録が残されていた。 さらにノートから落ちた封筒には、夫が想像もしなかった書類が入っていた。 《常勤職員登用に関する雇用条件通知書》――返答期限は、今日だった。嫁姑|夫婦|親不孝1.6万字5 925 -
完結第10話
独身だから介護しろ
「来月で店を辞めろ。父さんの介護は、独身のお前がやれ」 父の退院祝いで、兄は私の名前だけが並んだ介護予定表を置いた。 朝食、服薬、入浴、夜間の見守り――月曜から日曜まで、休みはない。 姉も「あなたには守る家庭がないでしょう」と言った。 だが要介護2の父は、歩行器を使えば動けるうえ、介護サービスを利用する意思も示していた。 それでも兄姉は費用を惜しみ、私へ仕事を辞めさせようとした。 私は予定表を破り、「本人の前でもう一度決めよう」と告げた。 父は震える右手で、机を2度たたいた。 その意味が分かったのは3か月後だった。 ケアマネジャーから見せられたのは、私を主介護者とする《家族同意書》。 署名日は、私が北海道へ出張していた日だった。 そして費用管理者の欄には、父の通帳を預かる姉の名前が書かれていた――。兄弟姉妹|親不孝|親子関係|介護1.5万字5 276 -
完結第10話
夜勤明けに締め出された私――15分後の「さようなら」
夜勤を終えた看護師の柏木真由が帰宅すると、自分の鍵が使えなくなっていた。「頭が冷えたら謝りに来ればいい」。義母が求めるのは、夜勤前に料理の準備を断ったことへの謝罪。家の中にいる夫まで、締め出しに賛成していた。7年間、毎月10万円を家に入れ、仕事と家事を続けてきた真由は、玄関に立って15分後、謝る代わりに別れを告げる。それでも夫が気にしたのは、その日の夕飯だった。新しい住まいを確保し、やり取りを残すうち、夫があの朝の休暇を申請したのは7日前だったと分かる。なぜ、夫は口論より前に休みを決めていたのか。真由は、家の持ち主である義父へ連絡する。家族のつもりで暮らしていたのは、自分だけだったのか――。嫁姑1.6万字5 151 -
完結第15話
「子供3人は全員連れてけ」と言った夫へ
「子供3人は全員お前が連れてけ」。離婚を切り出した恵美に、夫はそう言い放ち、同居の義母も「やっと静かになる」と笑った。仕事部屋を奪われ、子供たちの進路や楽しみまで制限されてきた家で、長男は静かに告げる。「その言葉、忘れないでね」。子供たちは全員、母と暮らすことを選んだ。ところが転居から1週間後、夫と義母から一晩で80件の着信が届く。洗濯、食事、通院、そして家の支払い。戻れと迫る夫は、恵美の新居の家賃が月28万円だと知り、借金を疑い始める。「内職」と見下していた妻の仕事は、本当は何を支えていたのか。恵美は家計簿と口座の明細を並べ、夫が見ようとしなかった数字を確かめていく。夫婦|親子関係2.2万字5 647 -
完結第15話
「帰ってこなくていい」と笑った家族――20年目の離婚届
43歳の真由美は、夫・浩司と19歳の娘・里奈のため、20年間休むことなく家事と親戚付き合いを担ってきた。ところがお盆に3日だけ実家へ帰ると伝えると、2人から「ずっと帰ってこなくていい」「ママがいないほうが平和」と笑われる。真由美は反論せず、8つの保存容器を残して家を出た。その手には、4か月前から20冊目の家計簿に挟んでいた離婚届があった。翌日、夫から届いた70件の着信。さらに家計簿から明らかになる672万円と、夫が失った8億円の肩書。家族が当然だと思っていた20年が、静かに数字へ変わり始める。夫婦|親子関係2.0万字5 436 -
完結第10話
墓前の少女は「娘は生きてる」と言った
「おばあちゃん、その人、生きてるよ」 7年前、豪雨の夜に消息を絶った娘・咲。 遺留品だけが河原で見つかり、私は娘の名を墓石に刻んだ。 命日前日、墓前に白い野の花を置いていたのは誰なのか。 そこへ現れた7歳の少女は、墓石を指して言った。 「その人、うちにいるよ。今、ご飯作ってる」 少女に連れられて海辺の古い家へ向かうと、台所から懐かしい声が聞こえた。 「……お母さん」 目の前に立っていたのは、死んだはずの娘だった。 けれど咲は、再会を喜ぶどころか震えながら言った。 「お願いだから、私を見つけないで」 さらに少女の左目の下には、咲と同じ小さなほくろがあった。 家の壁には、私と娘しか持っていないはずの古い写真。 そして7年間、婿が毎年私の家へ通っていた本当の理由が、少しずつ見え始めた。真相|親子関係1.5万字5 314