"13歳の娘だけ、保険証にいなかった" 第7話
そのの夜、美津子は術を受けた。
きな問題にはならず、経過も良好だった。
翌。
病に修が来た。
美津子は父を見るとしだけ顔を背けた。
「何」
「役へってきた」
「ふうん」
「養子縁組をする」
美津子はすぐにばなかった。
「病気になったから?」
修が眉をひそめた。
「何?」
「保険証に名がないと困るから、急に娘にするんでしょ」
その言葉は修の胸にく刺さった。
娘からそうわれても仕方がない。
13やらなかったことを、病院で困った途端に始めたのだから。
「そう見えるよな」
修は子へ座った。
「違うって言わないの?」
「違うと言っても、おから見たら同じだろ」
美津子は黙った。
「俺はな、美津子」
修はゆっくり話した。
「緒に暮らしてれば族だから、それでいいとってた」
「うん」
「それは違いじゃなかったとう。でも、それを言い訳にした」
美津子が父を見る。
「言い訳?」
「面倒な続きも、親戚との喧嘩も、昔のことを掘り返すのも嫌だった。それでもおは俺を父ちゃんって呼んでくれる。だから、このままでいいとって逃げた」
修はをげた。
「悪かった」
美津子は驚いた。
父が自分へをげる姿を、初めて見た。
「保険証のために娘にするんじゃない」
修は顔をげた。
「保険証に名がなかったせいで、俺が13何を回しにしてきたか、ようやくいらされたんだ」
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美津子の目に涙が浮かんだ。
「でも私、本当のお母さんのことも、お父さんのことも、まだほとんどらない」
「っていい」
「藤井の娘になったら、野じゃなくなるの?」
「名の話なら変わるかもしれない。でも清さんの娘だったことは変わらない」
「さんの娘も?」
「変わらない」
「お父ちゃんの娘は?」
修は瞬黙った。
そして笑った。
「それは13から変わってない」
美津子は泣きながら、しだけ笑った。
ところが。
養子縁組の話が親戚へ伝わると。
今度は藤井の側から。
いがけない反対が起きた。
修の兄・徳蔵がへ来たのは、美津子が退院してもない曜だった。徳蔵は町れで農を持ち、藤井の親族のでは何かと発言力がい。普段から修に「男の俺へ相談しろ」とをすことがく、修は兄を嫌ってはいなかったものの、面倒なだとっていた。
そのは、挨拶もそこそこに本題へ入った。
「養女にするって、本当か」
「本当だ」
修は聞を畳んだ。
「何か問題あるか」
徳蔵は美津子が隣の部にいるとはらなかった。障子枚隔てたところで、美津子は縫い物をしていたが、の声が聞こえ始めてを止めた。
「今さら必なのか」
「必だからするんだ」
「13そのままで困らなかったんだろ」
修の声がくなった。
「今回困った」
「保険のことなら別に続きすればいい。
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何も養女にまでしなくても――」
「兄貴は何を言いに来た」
徳蔵はしを置いた。
「相続のことだ」
隣の部で、美津子は息を止めた。
「おには浩と信夫がいる。ももしたものじゃないが、おがねばあのが継ぐだろう。美津子を正式に養女にすれば、話が変わってくる」
修はすぐには返事をしなかった。
徳蔵はそれを迷いだとったらしく、続けた。
「別にあの子を追いせと言ってるんじゃない。今まで通り育ててやればいいじゃないか。何も財産まで――」
「兄貴」
修の声が、はっきり変わった。
子は台所からてきた。
「美津子が歳の、いをした」
徳蔵は黙った。
「夜だった。医者のまで自転でって、帰りは泣いてる美津子を背負って歩いた。歳のに初めて俺を父ちゃんって呼んだ。学の入学式のは緊張して朝飯がえなくて、俺がまでを引いていった」
徳蔵は目を逸らした。
「浩がまれた、美津子はまだつだったのに、赤ん坊の隣かられなかった。信夫が邪をひけば、夜にを持ってきた。子が倒れたは、俺より先に飯を炊こうとした」
修は拳を握った。
「それを13やってきた」
「修、俺はそういう話を――」
「そういう話だよ」
修は兄を真正面から見た。
「子どもはだ」
徳蔵の顔が張った。
「浩と信夫だけじゃない。
美津子もいる。最初からだ」
「血が――」
「血を言うなら、俺と美津子にはない」
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