"13歳の娘だけ、保険証にいなかった" 第11話
枚のに収まるほど。
単純ではない。
名。
血。
戸籍。
緒に過ごした。
それぞれが違うを持ち。
どれかつだけで。
全部を決めることはできない。
美津子が最もよく覚えていたのは。
親戚の徳蔵が相続を理由に反対した。
修が言った言葉だった。
「子どもはだ」
そして。
「相続が変わるから娘じゃないと言うなら、13分の父親も返せと言うのか」
当は。
ただ嬉しくて。
泣いた。
になってから。
ようやくそのが分かった。
修は。
あの。
養子縁組によって。
父親になろうとしたのではない。
13。
すでに父親だった自分の責任を。
ようやく。
のでも。
引き受けようとしたのだ。
それから何経っても。
美津子は古い保険証を捨てなかった。
冊目。
自分の名がないもの。
冊目。
「藤井美津子」とかれたもの。
冊を並べると。
たったつの名の違いしかない。
けれど。
そのには。
自分のをった。
の写真。
清に抱かれた赤ん坊の自分。
12の養子縁組届。
野定雄との対面。
病院のい井。
修の謝罪。
子の涙。
そして。
弟たちの、
「最初から姉ちゃんだよ」
という声があった。
美津子にとって。
族とは。
最初から決まっているものではなかった。
らなかったことをり。
違っていたことを認め。
逃げていたことへ向きい。
それでも。
もう度。
互いを選び直していくものだった。
昭36の。
しい保険証から。
の女の名が消えていた。
けれど。
そのが抜けていたからこそ。
藤井は初めて。
ずっとそこにいた娘の名を。
族全員で。
き直すことになったのである。
※本作は、昭36に国民皆保険の体制がった代背景と、戦の混乱期に見られた親族養育・分関係の未理をモチーフに構成した創作です。登物、域、戸籍・相続をめぐる個別の来事は物語の設定です。
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