"合格発表の日、父が消えた" 第4話
摘欄には《資料協力費》と記されている。、その全額は万円から万円ずつ、の名義へ送されていた。防庫のフィルムにかれたと同じ名だった。
その夜、栞はのうちに連絡を取った。は、当、青葉学会の塚本から「特別奨学」として受験費用を受け取ったと答えた。父の名はらなかった。残る、同級だった佐伯亮介だけが、話でく黙った。
「藤原さんのお父さんに、会ったことがある」
佐伯はそう言った。の、青葉の自習で修に呼び止められ、を受け取った。ただし、修は奨学だとは言わなかった。
「これは君たちが塚本に使われていた答案の代だって言った。を返す代わりに、頼みがあるとも言われた」
「何を頼まれたの」
話の向こうで、佐伯が息を吸った。
「頁の帳簿を預かった。でも、俺は、度もけていない」
佐伯亮介は、京のさな法律事務所で弁護士をしていた。休に会った彼は、代より痩せ、黒縁の鏡を掛けていた。事務所の庫から取りした茶封筒には、修の字で《佐伯君へ。私が週戻らなければ、学の監査へ》とかれていた。
「どうして届けなかったの」
栞が問うと、佐伯は封筒を両で押さえた。当の彼は、父親の会社が倒産し、受験料すら払えない状態だった。
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青葉学会では、授業料を免除する代わりに、難関学向けの問題を何度も解かされていた。塚本は教材発のためだと説し、答案枚につき千円を渡した。
修は、その答案が別の徒への料指導に使われていると話した。しかし数、テレビでは修が百万円を盗み、試験漏洩にも関わった疑いがあると報じられた。佐伯は、封筒を渡した男も犯罪の員だったのではないかと恐れた。
「学へ持っていけば、僕も共犯だとわれる。母は、せっかく受験できるようになったのだから、余計なことをするなと言った。学に入ってから何度も捨てようとしたけれど、それもできなかった」
封をけると、青葉学会の裏帳簿頁と、修のきの説が入っていた。裏帳簿には、徒をAとBのつに分けた記号が並ぶ。Aは授業料免除の徒で、試験形式の問題を解かされる側。Bは保護者が特別指導料を払う徒で、Aの解答過程と講師の添削を受け取る側だった。
さらに部の度には、問題名の横に栄印刷の管理番号が記されていた。塚本が印刷会社から持ち込んだ未公問題をAの徒に解かせ、正答だけでなく、受験が陥りやすい誤りまで集めていたことが分かる。Bの徒には、それを「直予問題」と称して額で販売していた。
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邦学の欄には、赤い印が付いていた。その横に《識別用・第4問の数値を変更》とある。学側が漏洩経を探るため、関係者ごとに部の数値を変えた試験原稿を用していたらしい。栞名義の偽答案は、その変更された数値で計算し、同じ誤答を度いてから訂正していた。
「この字を、俺は見たことがある」
佐伯が答案の写真を見て言った。青葉の自習で隣の席を使っていた女子徒で、をくときに必ず央へい横棒を引いていた。栞も同じ物をい浮かべていた。
野千。
、栞と毎朝同じで通った友だった。千は邦学を第志望にしていたが、試験夜に急性虫垂炎で入院し、本試験を受けられなかった。その、別の私学へ学したとの便りで聞いている。
栞は千の実を訪ねた。母親の佳は、インターホン越しに用件を聞くと、千は県にいると言って扉をけなかった。しかし栞が偽答案の写真を郵便受けへ差し入れると、内側で息を呑む音がした。
翌、千本から連絡が来た。待ちわせたファミリーレストランで、彼女はぶりの挨拶もせず、「私は本番の試験を受けていない」と言った。
入院、塚本が病を訪れたという。邦学には病気で受験できなかった徒のため、提携予備で実施する特別試験があると説された。
母の佳は、栞が青葉へ置き忘れた受験票の写しを使えば続きがいと言われ、疑いながらも百万円を払った。
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