"合格発表の日、父が消えた" 第7話
犯罪者たちの言葉を信じ、族から連絡段を断ったのだ。
栞はりをじた。塚本や原に対するりとは違う。父が命懸けで守ろうとしたという物語を、美談として受け入れることができなかった。相談してくれれば緒に警察へけた、と歳の自分をいながら、同に、当の自分なら父を止められただろうかとも考えた。
がかりは、母が保していた古い聞にあった。、郡のさな装丁会社で械事故があり、歳の男性従業員がを負傷したという記事だった。男性は《誠》と報じられ、会社名は川瀬製本所だった。
栞が話すると、社の川瀬は、数秒黙ったあと「さんなら、昨辞めた」と答えた。どこへったかは分からないが、会社の寮に残した荷物があるという。栞は翌、真理子とともに郡へ向かった。
川瀬製本所は、宅のれにある古い平のだった。では台の折りが音をて、と械油の匂いがした。川瀬は、に修を雇った経緯を話した。修は分証を失くしたと言い、最初の半は払いで働いた。腕がよく、故障した械も直せたため、川瀬は事をく聞かなかった。
「の事故で指を痛めてから、細かい仕事ができなくなった。それでも辞めなかったんですが、、誰かが自分を探しているとって、急に退職したんです」
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寮の部には、類も写真もなかった。残されていた帆布の鞄の底から、通のきかけのが見つかった。すべて栞の誕にかれ、宛先は昔の自宅だった。
《来には、きっと本当のことを話せる》
《今さら戻れば、おの傷をくだけかもしれない》
《守ったつもりで、おのを選んでしまった》
最のには、川瀬製本所を辞めたあと向かう所がかれていた。福島県部のにある、さな教科の装丁だった。
しかし栞がへ話すると、修は週に退職していた。退職理由は、娘が自分を探していると聞いたからだという。
父はぶりに見つけてもらうのを待っていたのではない。
栞から、もう度逃げたのだ。
栞は、教科の装丁がある町までを運んだ。は修の勤怠表を見せ、退職を決めたのことを話した。昼休み、修は事務所へ呼ばれ、埼玉から娘が訪ねてくるかもしれないとらされた。そのあとほど折りのにっていたが、冊も械へ通さず、夕方になって退職届をいたという。
「さんは、逃げるというより、待つことに慣れすぎたに見えました。自分から何かを決めると、誰かを幸にするとっていたんでしょう」
は、修が使っていた机の引きしから、学案内を冊した。
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社会向け夜課程のページに折り目が付き、会計監査の学科へ赤鉛で線が引かれている。栞が社内講座で簿記を教えている記事を見て、父なりに娘がもう度学ぶ能性を考えていたらしい。
だが、その案内には何もき込まれていなかった。受験しろとも、学費をすとも記されていない。修は娘の未来を度と決めまいとして、今度は見を伝えることまで恐れていた。栞はそのさに腹がち、同に、父がから歩もけずにいたことを初めて実した。
郡から戻る内で、真理子はほとんどをかなかった。栞がサービスエリアへを入れると、母は温かいお茶を本買い、つを娘へ渡した。ベンチに座ったあと、真理子は鞄から古い封筒を取りした。
修が失踪して目に届いただった。差の所はなく、消印は茨県。には、修が自分で撮ったとわれる証写真と、《栞は学へ通っているか》という文だけが入っていた。
真理子は返事をせなかった。宛先がなかったからではない。封筒のには、翌の聞尋ね欄へ返事を載せるよう指示があった。真理子は掲載を申し込んだものの、直に取り消していた。
「どうして」
「あなたは、やっと仕事を始めていた。毎晩泣かなくなって、簿記の勉もしていた。
あのが戻れば、また全部壊れるとった」
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