"失踪した妻を道の駅で見つけた――「来ないで」と怯えた理由" 第3話
造の売。
さな堂。
野菜の直売所。
自販売。
駐にはが5台ほど。
から吹くは都会よりし涼しかったが、差しはい。
「暑いから子かぶって」
「はーい」
杏奈とをつなぎ、自販売へ向かった。
麦茶を1本買い、蓋をけて渡す。
杏奈は喉を鳴らしてんだ。
「おいしい」
「気にむなよ」
その、ポケットのスマートフォンが震えた。
画面には、
《吉兼宗郎》
と表示されていた。
私はしれた。
「はい」
「まだ着かんのか」
挨拶もない。
「渋滞がありました。今、杏奈を休ませています」
「休憩?」
宗郎の声が険しくなる。
「子どもを暑い連れ回して、何を考えてるんだ。く来い」
話の向こうから武志の声がした。
「父さん。あんな男にを守れって言っても無駄ですよ」
はっきり聞こえた。
宗郎は止めなかった。
「とにかく、あと1以内に来い」
「……分かりました」
話を切った。
以なら、言葉をみ込んで終わっていた。
だが今は違った。
結の失踪。
置き。
彼らの淡な態度。
半、点だった違がしずつ線になり始めている。
「パパ」
振り向くと、杏奈が配そうに見ていた。
「ってる?」
「ってないよ」
「顔怖い」
「ごめん」
私はしゃがんだ。
「アイスべるか?」
瞬で表が変わった。
「べる!」
売へ入る。
はし暗く、元の漬物や菓子、野菜が並んでいた。
奥では配の女性がテレビを見ている。
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私はカップアイスを2つ買った。
のへ座り、2でべる。
杏奈はスプーンでしずつすくいながら言った。
「ママもアイス好きだったね」
「好きだったな」
「いちご」
「そうそう」
「パパはバニラばっかり」
「悪いか」
「子どもみたい」
その言い方まで結に似ていた。
私は笑った。
ほんのしだけ、以の活へ戻ったような気がした。
べ終わると、杏奈は周囲を歩き始めた。
「が来るからくへくなよ」
「うん」
駐の端に、古びたパラソルがあった。
そのにさな宝くじ売りがある。
簡素な机。
きの案内。
褪せたのぼり。
杏奈がそこへづいた。
突然。
にしていたうさぎのぬいぐるみが落ちた。
私は空のカップを捨てながら声をかけた。
「杏奈?」
返事がない。
娘は、パラソルのを見ている。
体が完全に止まっていた。
「どうした?」
づく。
杏奈の肩が震えていた。
「パパ……」
「何?」
娘が指をさした。
「あの……」
そこには、1の女性がいた。
子。
首から宝くじ販売用の箱をげている。
古い袖シャツ。
細い腕。
顔は痩せ、い髪をろで無造作に束ねていた。
最初は分からなかった。
女性が横を向く。
その瞬。
私の胸の奥で、何かがきく鳴った。
輪郭。
筋。
い唇。
「まさか……」
私は歩んだ。
女性のが見えた。
の甲。
さなほくろが2つ、斜めに並んでいる。
昔、結が笑って言った。
「が2つあるみたいでしょう」
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薬指には、の細い指輪。
私が結婚に贈ったもの。
価ではない。
でも結はずっと使っていた。
違えるはずがない。
「結……?」
声がなかった。
女性がこちらを見る。
私と目がう。
彼女の顔から、血の気が引いた。
そして。
私が何か言うよりく。
隣にいた杏奈が、駐いっぱいに響く声で叫んだ。
「ママ!」
女性の体がきく震えた。
杏奈がりした。
私は反射に腕を伸ばしたが、瞬遅れた。
「ママ!」
娘は泣きながら子の女性へ向かった。
女性――結は、信じられないものを見るように目を見いた。
次の瞬。
「来ないで!」
鳴だった。
杏奈のが止まる。
「……ママ?」
「来ちゃ駄目!」
結は首を横に振った。
顔は恐怖で引きつり、両で胸元の宝くじ箱をく抱えている。
私は娘のそばへった。
「結」
名を呼ぶ。
彼女は私を見た。
目から涙が落ちた。
それでも言った。
「らないです」
「何?」
「私は……あなたたちをりません」
杏奈が泣き始めた。
「ママ、杏奈だよ」
結の顔が歪む。
「違う」
「杏奈だよ!」
「帰って!」
幼い娘に向ける言葉ではない。
だが、その表には拒絶より苦痛があった。
私はゆっくり歩づいた。
「結。半、探してた」
「来ないで」
「どうして?」
「お願い……」
彼女の線が私たちではなく、駐の入へ向く。
次に売。
。
。
まるで誰かが見ていないか確かめている。
「誰かに見られるのが怖いのか?」
結の肩がねた。
答えだった。
「俺たちを嫌って逃げたわけじゃないんだな」
「違う!」
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