"昭和39年、姉の「元気です」に隠された嘘" 第7話
借をしてでも。
京へ来ようとするかもしれない。
「せっかく京までしてもらったのに、“つらい”っていたら駄目だとった」
「誰が駄目って言ったの」
「誰も」
「じゃあけばよかったじゃん」
「けなかったんだよ」
子の声が。
しくなった。
「子には分かんないよ。に送って、母ちゃんたちがし楽になってるってったら、帰りたいなんて言えないんだよ」
子も言い返そうとした。
でも。
言葉をみ込んだ。
では。
子から送られたで。
の炭を買ったことがある。
父の薬代にもなった。
弟の学用品も買った。
子が。
からいなくなっただけではない。
15歳の姉は。
京から。
計の部を。
支えていた。
「だから元気っていたの?」
「うん」
「本当は元気じゃないも?」
子は。
しばらく考えた。
「いっぱいあった」
その言で。
子の目に涙が浮かんだ。
「馬鹿じゃないの」
「何が」
「元気じゃないなら、そうけばいいじゃん」
「いたって、何にもならないよ」
「なるよ」
「何が」
子は答えられなかった。
仕事が楽になるわけでもない。
が青森へづくわけでもない。
料が増えるわけでもない。
ただ。
族が。
る。
それだけだ。
でも。
子には。
それで分な気がした。
「母ちゃん、毎姉ちゃんの葉待ってるよ」
子は黙った。
「元気っていてあるとぶ。でも本当は、何べたとか、誰と喧嘩したとか、今は嫌だったとか、そういうのりたいんだよ」
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「配させるだけじゃん」
「配するのが族なんじゃないの」
子は顔をげた。
子は続けた。
「姉ちゃん、子さんたちには“つらいっていてもいい”って言ってたんでしょ」
子の表が固まった。
「なのに自分だけ、ずっと元気なふりしてるの変だよ」
い沈黙があった。
子は。
葉の束を。
枚ずつねた。
最に。
さな声で言った。
「のことなら、簡単なんだよ」
「何が?」
「帰ってもいいって言うのも。つらいってけって言うのも」
自分のことになると。
怖かった。
帰っていいと言われたら。
本当に帰りたくなる。
母に。
「もう頑張らなくていい」
と言われたら。
張りつめていたものが。
全部切れる気がした。
「私ね」
子は笑おうとした。
「京に残りたいのか、帰りたいのか、自分でも分かんなかったんだとう」
子はそこで初めて。
姉が。
へ本当のことをかなかったのは。
族をさせるためだけではないと気づいた。
子自が。
自分の気持ちを。
決められなかったのだ。
翌朝、子が青森へ帰るため野駅へ向かうと、子も見送りについてきた。の涙が嘘のように、姉はずっと「京ではを見て歩かないとにぶつかる」とか「財布は鞄の奥に入れろ」とか、細かい注ばかりしていた。駅へ着いてからも、握り飯は持っているか、切符をなくしていないかと何度も確かめた。
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「姉ちゃん」
「何」
「今度はちゃんといて」
子は苦笑した。
「あったらね」
「また“元気です”だけだったら?」
「そうなるかも」
「だったら私もしかかない」
「好きにすれば」
列がホームへ入った。
子は乗りへ向かい。
度振り返った。
子がを振っている。
。
青森をた。
子は最までを振らなかった。
今は。
きく。
何度も。
振っていた。
子も振った。
列がきす。
姉が見えなくなるまで。
今度は。
お互い。
顔を逸らさなかった。
青森へ戻ると。
節子は。
「どうだった」
とすぐ聞いた。
子は。
「元気だったよ」
と答えた。
その瞬。
自分で。
おかしくなった。
姉と同じ言葉。
節子も。
し笑った。
「そうかい」
子は続けた。
「でも、元気じゃないもいっぱいあったって」
母の表が。
ゆっくり変わった。
その晩。
子は。
子が話したことを。
できる限り母へ伝えた。
で失敗したこと。
夜泣いていたこと。
へ帰りたかったこと。
にを送りたいとっていたこと。
節子は。
最まで。
何も挟まず聞いた。
話が終わると。
「そうかい」
とだけ言った。
翌。
節子は子へをいた。
何枚もいては破った。
子が見つけた。
卓袱台には。
丸めたが。
3枚転がっていた。
「何いてるの」
「うまくけない」
「母ちゃんも?」
「親だからって、何でもうまく言えるわけじゃないよ」
節子は苦笑した。
その姿を見て。
子は。
姉が言ったことをいした。
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