"「貧乏男」の通帳に5億円" 第9話
1800万円を、誰が返す
見積の隣に、沢のあるマンションのパンフレットが置かれた。持ってきたのは、蓮さんが以勤めていた会社の同僚、さんだった。を売ったにも関わっていて、夫の資産のことをっているという。
「5億円を置いておくより、かした方がいい。都の物件なら、この規模でも検討できるよ」
次の曜、事務所の応接机で、さんは販売資料をいた。蓮さんから、妻も緒に聞くと伝えてある。私は示された利回りを見てから、収入と費用がかれたページへ戻った。
「この賃は、今も入っている額ですか」
「部は募集の定です。もちろん、空の期はあります」
「途でまとまったおが必になったら、すぐ売れるとは限らないんですよね」
さんは頷いた。価格ががる能性も、修繕費が膨らむもある。こちらが尋ねた項目について、資料にない数字は改めて確認すると答えた。
私は夫を見た。彼はパンフレットの角を押さえ、増えた収入で支援できる部をもっと用できるかとった、と言った。
「私も、増えたらいいとう。でも、必なに使えるおがなくなるのは困る。今は、こっちの事を先に考えたい」
1800万円の見積を引き寄せた。蓮さんは2枚を見比べ、今回は購入を見送ると伝えた。さんは無理に勧めず、条件が変わったらまた話そうと言って資料をしまった。
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午には、コーポ川の、川文さんが来た。78歳の文さんは、建物の図面より先に、廊に置かれた鉢植えの写真を見せてくれた。がく世話をしているだという。
「直して、もうし貸し続けたいの。でも、私にも使えるおの限りがあるでしょう」
8戸あるうちの2戸を、まいの支援が必なにも貸せるようにしてきた。美優さんに見せた部も、その1つだった。今すぐ全員がる必はないが、点検で指摘された傷みを放置はできない。
蓮さんは、通帳から費用をすこともできると言った。私は頷いてから、図面の隅へ所者の名をいた。
「払えるかどうかと、誰が負担する事なのかは、先に分けたいんです。蓮さんが払って終わりにすると、次も同じになってしまうから」
文さんは鏡を掛け直し、こちらへ子を寄せた。
「く借りてもらえるなら、その分、毎こちらが受け取る賃をげることは考えられるわ」
そこで、管理だけだった契約を見直し、あかりホームが20借りげる案がた。会社が事費を調達する、賃の調だけでなく、途で契約を終えるの未回収分も決めておく。文さんの建物にを入れる以、事内容の同も面に残す。
そのでは契約を決めず、専にも確認してもらうための条件をまとめた。
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私は森さんと帳簿をき、毎の収支を別に移した。
入居者から預かった賃のうち、へ送る分を引く。会社に残るおからも、管理や修繕の費用、社員の与がていく。座を通る額を、そのまま返済に使えるわけではなかった。
「この、残る額がないですね」
私が示すと、森さんが修理伝票をしてくれた。蓮さんへの替の返済も、急いでまとめれば資を圧迫する。返す順番と期を、事の支払いと並べて確かめた。
蓮さんが計算表を覗き込んだ。
「部が1つ空いたも、見られる?」
私は別の欄を作った。満ならりる、だけでは続けられない。空や予定の修理があっても払える額を、夫も緒に考え始めていた。
文さんが帰ったあと、蓮さんは自分でに相談の予約を入れた。修繕に関する1800万円の資計画と、借りげ条件のたたき台を送る。私も本の依頼を受け、準備した数字の説に同席することになった。
翌週、追加で必な資料について話が来た。夫は私に代わっていいか先方に確かめ、受話器を渡した。
「預についても拝見します。ただ、今回まず確認したいのは、会社が継続して返せるかどうかです」
の担当者が続けた。
「この返済額が成りつ理由を、空がたも含めて説していただけますか」
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