"妊娠8か月の私に28人分のおせちを作らせた義母" 第1話
「黒豆は、あと鍋お願いね。午には親戚が取りに来るから」
1231の午6、義母の千鶴子は、私のへ乾燥豆の袋を積みげた。私は妊娠8かで、の健診では血圧がく、医師からたないように言われていた。義母にも診察ので説したはずなのに、彼女は聞こえなかったような顔で蔵庫をけた。
「お義母さん、今は族6分だけだと聞いていました。これはどう見ても、その量ではありません」
「げさね。煮るのは鍋でしょう。あなたは見ているだけじゃない」
流し台の横には、老が30尾、鶏もも肉が8枚、れんこんが5節、里芋が箱ごと置かれていた。さらに廊には、まだ組みてられていない段が10組積まれている。義母は昨夜、それらを夫の実から私たちのへ運び込み、元だけ親戚が集まると説していた。
夫の康平は鉄設備会社に勤め、末は陸の現へ応援にていた。に備えた点検が終わるのは12で、帰宅は3の予定だった。発、彼は「今は料理を注文した。母さんにも無理をさせないから、優奈は何もしなくていい」と言っていた。
私はその言葉を信じていた。ところが29、義母から「予約したで毒がて、注文が取り消された」と連絡があった。せめて族分だけ助けてほしいと頼まれ、ホテルの調理部で働いていた経験のある私は、体調を見ながらならと引き受けた。
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30の朝、義母は鍵でへ入り、材を運び込んだ。昼には義妹の梨と義父の正も来たが、2は調理を伝わなかった。梨は箱へ貼るの帯を作り、義父は居で賀状をいていた。
「梨さん、この箱は何ですか」
私が尋ねると、義妹はスマートフォンから顔をげず、「親戚へのお裾分け」と答えた。千鶴子も、毎世話になっているへし渡すだけだと言う。だが10組の段は、お裾分けで済む量ではなかった。
午8、玄関のチャイムが鳴った。所にむ女性が保バッグを持ってっており、「予約した《華おせち》を取りに来ました」と言った。私は何のことか分からず、義母を呼んだ。
千鶴子は私を奥へ押し戻し、自分が応対した。廊のから見ると、女性からい封筒を受け取り、「完成は午2です」と伝えている。封筒には《残万円》とかれていた。
「お義母さん、売るつもりなんですか」
「親戚同士の材料費よ。商売じゃないわ」
「今の方は予約と言いました」
千鶴子の顔から笑みが消えた。梨は面倒そうにちがり、帯の束を私へ見せた。そこには《梨のキッチン 作り迎》と印刷されていた。
「来から始める私の仕事の試作品。お姉さんは料理が得なんだから、族を伝うくらいいいでしょう」
初めて聞く話だった。私は作業台へをつき、康平へ話をかけた。
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しかし部で作業なのか、呼びし音のあと留守番話へ切り替わった。
その、千鶴子が私のへ注文表を置いた。
受取の名は親戚だけではない。所の、梨の元同僚、義父の囲碁仲。計28分、売予定額は31万6000円になっていた。
そして番には、私のらない文字があった。
《製造責任者 真鍋優奈》
「私の名をしてください。私はこの販売に同していません」
私は注文表を梨へ返した。声が震えたのは恐怖ではなく、血圧ががっているのが分かったからだ。のろがく、界の端に細かながちらついていた。
梨は、名義を借りただけだと言った。私はホテル勤務代に品責任者の講習を受けており、その修証の写しが以の引っ越し類に入っていた。千鶴子が見つけ、「族のに資格を持つがいるなら使わないともったいない」と考えたらしい。
「講習を受けたの名をけば、自宅で勝に料理を売れるわけではありません。営業許を取った厨も必です」
「だから試作品だって言ってるでしょう。おは材料代。保健所へ届けるのはからよ」
梨は言葉を選びながらも、悪いことをしている識はかった。SNSで庭料理の写真を発信し、フォロワーが増えたため、来から総菜の宅配を始めたいという。
今回のおせちは実績写真と利用者のを集めるための先販売だった。
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