"時給951円と捨てられた妻の正体" 第6話
午。 社員証を没収され、通用から追いされた透は、ネクタイを失った首元を緩め、ふらふらとした取りで港区の自宅マンションへと戻ってきた。
スマートフォンの画面には、信販会社やカードローン会社からの督促着信が、くも数件表示されていた。 会社のコーポレートカードが止されたことで、紐づいていた各種の支払いが斉に焦げ付き始めたのだ。
(まだだ……まだ終わりじゃない! 彩がいる。彩と緒にこの部で暮らして、別の会社に転職すれば……俺のこれまでの実績なら、収千万くらいならすぐにに入るはずだ!)
自分自には何の営業力もなく、すべて葉の威を笠に着た会社側の駄だったという現実から、透はまだ目を背けていた。
オートロックをけ、階の〇号へ駆けがる。 昨、自分が自げに取り付けさせた品のシリンダーに鍵を差し込み、ドアを押しけた。
「彩! 彩、いるだろ!? 変なことになったんだ、今すぐ荷物をまとめて――」
リビングへび込んだ透は、言葉を失ってそのにち尽くした。
部のが、異様な景に包まれていた。 クローゼットの扉はすべてけ放たれ、ハンガーに掛かっていたはずの彩のブランド物のコートやワンピースが、綺麗さっぱり消え失せていたのだ。
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リビングのガラス棚に飾ってあった級ワインのコレクションも、透の私物の貴属や換性のい計も、も形もない。
そして――。 ダイニングテーブルのに、枚の置きが残されていた。
『透へ。 会社をクビになったんだってね? 社の秘をしている私の友達から全部聞いたわよ。 横領でクビになって、借何千万円も背負った無職のオッサンなんて、こっちから願いげだわ。 今まで貢いでもらったバッグや計は、私の“お当”として全部持ってくね。 度と連絡してこないで。着信拒否したから。バイバイ!』
「な……んだと……?」
を握りしめる透の指先が、ガタガタと震え始めた。
「彩……? おい、冗談だろ……? 彩ぁぁぁっ!!」
虚しい叫びが、がらんとしたリビングに反響する。 昨まで「透くん、頼りになる〜♡」と擦り寄っていた女は、男の転落を察した瞬、目の物をすべて奪いり、文字通り蜘蛛の子を散らすように蒸発したのだ。
その、玄関のチャイムがけたたましく鳴り響いた。
ピンポーン! ピンポーン!
「あ、彩か!? 戻ってきたのか!?」 透が転がるように玄関へ向かい、ドアを勢いよくけた。
しかし、そこにっていたのは、などではなかった。
黒いスーツにを包んだ、恰幅の良い男性と、その背に控える名の作業員。 男の胸元には、『総コミュニティ管理』のバッジがっていた。
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「……園田透さんですね?」 管理会社の担当者は、徹な目で透を瞥し、元のバインダーから枚の類を突きつけた。
「本物件の賃借である神崎葉様より、本付で正式な賃貸借契約の解約届を受領いたしました。また、主の承諾なくシリンダーを無断交換された件について、原状回復費用ならびに違約の請求をお持ちしました。……本をもって、当部の渡しを求いたします」
「た、ち退き……!? 何を言ってるんだ! ここは俺のだぞ!!」
透はドア枠に必にしがみつき、唾を撒き散らしながら鳴り返した。
「契約者は俺だ! 賃だって俺が払ってるんだ! おら、法侵入で警察を呼ぶぞ!!」
管理会社の担当者は、呆れ果てたようにいため息をついた。
「園田さん、まだそんな寝言をおっしゃっているのですか? この〇号の契約者は、当初より【神崎葉様】の単独名義です。座引き落としも、神崎様の個座からわれていました。あなたが賃を支払っていた記録など、過で度もしません」
「な……っ!?」
「さらに、神崎様より気、ガス、の全ライフラインの利用止続きが完しております。本を過ぎれば、この部の送およびは物理に遮断されます」
担当者は計を瞥した。
「現の刻は午分。
あと分で、当部の鍵を本来のマスターシリンダーへと制交換いたします。速やかに私物をまとめてご退ください。
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