"正月、娘に熱汁を浴びせた義兄へ110番" 第11話
ドガンッ!!
義父の清が、元の座卓を両で力任せに叩き割らんばかりに鳴りつけた。 茶碗がねがり、破片が畳に散る。を超えた老の鬼気迫る形相に、座敷の全員が息を呑んだ。
「おたちは……恥というものをらんのか!!」 清の肩が、激しいりと悔でに震えていた。 その元には、弁護士を通じて示された、あの防犯カメラの静止画が握りしめられていた。
「幸夫が何をしたか、これを見ろ! 歳の、自分の姪の腕を狙って、煮えたぎる汁物を笑いながらぶちまけているんだぞ! おたちもだ! あの子が泣き叫んでいるに、誰としてを持ってらなかった! 笑って見ていたんだ!」
清の目から、ボロボロと濁った涙が溢れ落ちた。 「美奈さんが警察を呼んだのが悪いんじゃない。……呼ぶ警察官がいなければ、このはあのさな子を焼き殺して平気な顔をしていたんだ! 腐りきっているのは、美奈さんではなく、私たち神のだ!!」
清はちがり、壁の仏壇のに歩み寄ると、位牌のから本の古い系図の巻物を取りした。
「幸夫は、本をもって神から勘当する。保釈も円もさん。弁護士も国選で勝にやらせろ。実刑を受けて刑務所で己の罪を贖わせる」
「あ、あなた!? 男を捨てる気!?」幸子が鳴をげる。 「当たりだ!」
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清はした。 「それから健太。おもだ」
座敷の隅で青ざめていた健太が、ビクッと顔をげた。 「美奈さんから届いた調を見た。おは、結が傷を負った直、証拠のカメラの源を抜こうとしたそうだな。……父親のすることか。男のすることか。おのような卑怯者を育てた覚えはない」
清は々とを垂れ、親族同に向けて言い放った。 「神は、本をもって解散する。本のと田畑はすべて売却し、結ちゃんへの賠償と治療費に充てる。……度と、私ので『内のメンツ』などとにするな!」
義父の絶叫が、静まり返った広に霊した。 虚栄と保で塗り固められていた神本は、自らのでみした怪物の業によって、完全に燼へと帰したのだった。
の半ば。たいがる京庭裁判所の調。 テーブルを挟み、私は弁護士と共に、調委員名と向きっていた。
相方の席には、やつれ果て、作業同然のスーツを着た健太がで座っていた。弁護士を雇うもなく、会社の格処分によって取り与が激減した男の姿は、わずかヶの傲さの面すらなかった。
「神健太さん。提された証拠――防犯カメラ映像、警察の調、ならびに医師の診断を精査いたしました」 女性の調委員が、を交えずに類をめくった。
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「あなたの連の言は、民法第百条の同居・協力・扶助義務に著しく違反し、第百条第項第号の『婚姻を継続し難いな事由』にに該当します。奥様側の婚請求、ならびに親権の単独指定について、争う余はありません」
「調委員さん……」健太は掠れた声で懇願した。 「俺は……やり直したいんです。娘に会わせてくれれば、俺がどれだけ反省しているか伝わります! 面会交流を認めてください!」
弁護士が、すかさず枚の診断を机のに滑らせた。 精神科医による、結の理鑑定だった。
「神さん、これが現実です」 弁護士が徹に告げる。 「結ちゃんは現、男性の鳴り声や、器が触れう属音に対していPTSD(傷ストレス障害)の反応を示しています。特に『父親』という単語を聞いただけで過呼吸を起こす状態です。児童精神科医の所見として、『父親との接触は児童の精神回復を著しく阻害する』と記されています」
「う……」健太が絶句する。
「当方としては、面会交流は【無期限止】を求めます。さらに、養育費として額万円。慰謝料百万円については、健太氏が保する財産分与分、ならびに退職見込み額に対する差押特約を設定した公正証を作成していただきます」
「ご、百万なんて払えるわけないだろ! 俺は倉庫係に格されて、料も半分になったんだぞ!」
「払えないのであれば、裁判所を通じて与の差し押さえを毎執するだけです。
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