"消えた写真屋の父が残した一本のビデオ" 第10話
由美は写真を複写し、元のネガとともに警察へ持ち込んだ。の失踪に事件性を認めさせるには直接ではない。それでも瀬の証言と矛盾する映像、族の偽署名、預かりの実をわせれば、父がを持って逃げたという扱いは見直せる。担当者は再捜査の相談を始めた。
同じ、由美は主を集め、百万円と用途の細を返した。飯田は現をすぐには受け取らず、父への疑いを皆に謝った。由美は「お父さんに言ってほしかった」と返したが、姿のないへ謝罪を届ける方法が分からなかった。
瀬は由美が警察へったとると、写真館へ来て、隠されていた映像は編集されたものだと言った。由美は相に原本を見せず、警察に提済みだとだけ伝えた。瀬は初めて、声を荒らげた。
「おの親父が戻れなかった理由を、本当にりたいのか」
「りたい。あなたの言葉だけではなく、証拠を見て」
瀬は答えずにった。由美は弟と戸締まりを確認し、で寝ずに母の勤め先へ迎えにった。父のように、で危険を抱えないと決めたからだった。
藤崎と会う夜、美佐からい話があった。暗で録画したあと、彼女はカメラの赤いランプを消すのに取り、廊へる音まで録音したという。「あのとき私は、瀬さんのの扉が閉まる音も聞いた。
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度じゃなく度」。由美はには信吾、瀬、藤崎のが乗ったのだとったが、運転がいた能性もある。音の数からの数は決められない。美佐も「確かなのは扉の音だけ」と言い直した。
由美は藤崎へ見せる資料をつだけ選んだ。父のいる暗の映像、百万円の預かり記録、瀬がで古川と会った証言。全部を机に並べて相を追い詰めれば、またを閉ざすかもしれない。それ以に、藤崎自が何を見たか先に話してほしかった。彼がの言葉を撤回するなら、自分の記憶と証拠を区別できるはずだ。
待ちわせの喫茶で、藤崎はコーヒーを注文してももまなかった。彼が持ってきたのは、資材置きの勤簿を写したと、当の務のガソリン代の領収だった。失踪当の夕方、瀬のへ同乗したことを今なら付で示せると話した。由美は「どうして持っていたの」と聞いた。藤崎は会社を閉めるとき、誰かに問われたら話すつもりで持ちした。、問われなかったのではない。問われる所へ自分からかなかった。
「信吾さんは、事務所からてきたとき、私に目をわせなかった」
藤崎が最も覚えているのは額の傷ではなく、その沈黙だった。ので瀬が族の名のある類を振ると、信吾はようやく「子どもの座に触るな」
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と言った。藤崎はそので、類が正式な契約には見えないと気づいていた。だが瀬ので言えば自分も職を失うとい、黙っていた。その言を言わなかったため、信吾は偽物を本物とったかもしれない。
由美は藤崎を許す役を引き受けなかった。証言を警察でやり直してほしいと言った。「あなたが黙った理由は聞きました。父がいなくなった理由を、あなたに背負わせるつもりもありません。でも、に言わなかったことを、今度は記録に残してください」。藤崎は頷き、めたコーヒーをそのまま残した。
由美が警察へ資料を届けてから数、写真館のに見らぬがまるようになった。運転席の男は聞を読むだけでへ入ってこない。千鶴は瀬の差しだと怯えたが、由美はの番号を控え、所轄へ連絡した。調べると再発を担当する測量会社の職員で、の建物の壁面を確認していたと分かった。
「全部疑うと、疲れるね」
健太が言うと、由美は頷いた。も疑いをみ込んできた族には、今度はどんな些細なことでも脅しに見える。だからこそ、怖い相が本当に誰か確かめ、無関係なを敵にしないようにしたかった。
由美は商のしい測量図を受け取り、旧案と比べた。最終な筋は写真館かられており、建物の取り壊しは事とは別の老朽化対策だ。
瀬がかつてを得たとしても、今の事を止めれば父の失踪の真相がらかになるわけではない。
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