"死刑執行直前、1匹の犬が見つけた「8年前の嘘」" 第13話
散歩にこう
翌朝、直は訓練所の壁に最の具を取り付けた。
収納棚の扉を3回閉し、引っかかりがないことを確かめる。具を片づけていると、最初に棚の修理を頼んだ女性が、犬を連れて見に来た。
「助かりました。これならい箱をに置いても丈夫ですね」
「壁側にも固定しました。ただ、この段には軽い物を置いてください」
直は具の位置を示した。女性は使い方を聞き、請求を受け取った。
以は、仕事を頼まれるたびに、事件をったうえで同されているのではないかと考えた。今は、直した扉がきちんと閉まり、取り付けた棚がさに耐えれば、それで次の依頼につながった。
「来、事務の照も見てもらえますか」
「程を確認して連絡します」
直は帳をいた。裁判の予定をしたあとのページに、依頼内容と連絡先をき込んだ。
結は広で若い犬の練習を見ていた。ハルはに敷いたマットので、伏せたまま周囲を眺めている。
直が具箱をへ置いて戻ると、ハルはをて、ゆっくり起きがった。
「終わったよ」
直がしゃがむと、ハルはを嗅いだ。属とくずの匂いを確かめてから、先を掌へ押しつけた。
結が練習を終えてづいてきた。
「棚、評判よかったみたいだね」
「来の仕事も頼まれた」
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「じゃあ、お祝いにお昼をべようか」
「仕事を1件頼まれるたびに祝っていたら、べすぎるよ」
「最初だけ」
「もそう言ってた」
結は笑い、ハルの入れを片づけた。
2はくの堂へった。直は入で内を見渡す癖が残っていたが、空いている席を自分で選び、窓際へ座った。
事を待つあいだ、結が封筒を1通渡した。浦から届いた、補償と会社への請求に関する捗の写しだった。
刑事補償の続きはんでいた。会社との賠償については、何を認め、どこまで責任を負うのかを確認しながら話しいが続いている。
直は類を最まで読んで封筒へ戻した。
「すぐ終わる話じゃないね」
「浦先も、急いで利な条件を受ける必はないって」
「うん。がかかっても、確認してもらう」
額だけをく決めて、何がわれたのかを曖昧にしたくなかった。直は次の面談を帳へいた。
料理が運ばれてくると、2は仕事の話へ戻った。訓練所の倉庫には、まだ直せそうな所がある。直は必な部品を聞き、結は週末の予定を伝えた。
「来週の曜、空いてる?」
結が尋ねた。
「午なら」
「ハルを病院へ連れていくなの。終わったら、3で公園にかない?」
直は帳の曜を見た。空だったところへ、病院と公園といた。
「く」
結は、その返事を聞いてから事を続けた。
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昔の約束を取り戻そうとは言わなかった。直も、待っていてくれたから元の関係へ戻ろうとは頼まなかった。
会えなかったについて話すもあれば、夕の献だけを相談するもあった。結が自分のへ帰り、直がハルと部に残る夜もある。互いのを勝に決めず、会いたいの予定を1つずつ増やしていた。
堂をると、結は訓練所へ戻り、直はハルを連れて自分の部へ帰った。
玄関をけると、ハルは先にへ入り、いつもの敷物まで歩いた。直は具箱を置き、を洗ってから机に向かった。
引きしには、無罪判決の写しと、事件を訂正した記事が入っている。その隣には、執の朝にいた便箋も残してあった。
直は便箋を取りした。
『玄関で待っていたら、先に散歩へ連れていってください』
当の文字を読み、しばらく指での端を押さえた。それからしい封筒へ入れ、判決の写しと同じ引きしにしまった。
捨てる必も、毎読み返す必もなかった。
机のには、来週使う部品の覧がある。直は庫を確認し、りない物に印をつけた。携帯には、結からハルの診察が届いていた。
返事を打っていると、敷物にいたハルがちがった。玄関へ歩き、壁のフックを見げる。
そこには、赤いリードが掛かっていた。
「まだいだろ」
計を見ると、いつもの散歩まで10分ほどあった。ハルは聞こえなかったように座り、直を見た。
直は携帯を置いた。
「分かった。こう」
赤いリードをし、ハルの首輪につないだ。持ちへを通すと、使い込まれた布が掌になじんだ。
ハルは扉ので待っていた。
直は鍵を回し、自分ので玄関をけた。
のがへ伸びる。ハルはすぐにはびさず、直が隣につのを待った。
「散歩にこう」
直は赤いリードを握り、ハルの歩幅にわせてへた。
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