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"私を捨てた元婚約者が、十数年後に知った本当の私" 第6話

「あの……馬鹿野郎がぁッ!!」

鳴りのような号が響き渡った。普段の物静かな職の姿からは像もつかない、魂の底からの激昂だった。源蔵の首筋には青筋が浮きがり、目には真っ赤な血った涙が滲んでいた。

「真子さん……すまねえ。本当に、すまねえ……! 親として、顔向けができねえ……! あんな恥らずのに育ててしまったのは、全部俺の責任だ……!」

源蔵はがり、畳のに両と額を擦り付け、真子に向かって座した。もまた、涙を流しながらその隣で額を畳に押し当てた。

「お父様、お母様、げてください! おが謝るようなことではありません!」

「いや、謝らせてくれ……! あいつは、俺の仕事を『代遅れだ』と馬鹿にして逃げしたもそうだ。の痛みを何ろうとせず、先だけで領よくきていけるとがりやがって……! 挙げ句の果てに、真子さんのような派な方の真で踏みにじるなんざ、を踏みしてやがる!」

源蔵は顔をげ、涙で濡れた瞳で真子をまっすぐに見据えた。

「真子さん。あいつはもう、俺の息子じゃねえ。今限りで、富本のから勘当する。あんな奴に、俺の親としてのけを滴たりともくれてやる筋いはねえ! 式の違約も、慰謝料も、俺が持ちのの蓄えをすべて叩いて、親の最のケジメとしてお支払いさせてもらう!」

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「お父様、それは受け取れません。吉さん本が支払うべきものです」

「頼む、受け取ってくれ」源蔵は震える声で懇願した。「そうしてもらわなきゃ、俺たち夫婦は、恥辱で首を吊るしかなくなる。……真子さん、あんな男のせいで、あんたの尊いを傷つけてしまって、本当に申し訳なかった……」

老夫婦の誠実すぎる痛哭に、真子の目からもようやく、温かい涙が筋零れ落ちた。

という男の軽さの裏で、この両親がどれほどの誇りと痛みを抱えてきてきたのか。それをることができただけでも、ここへを運んだはあった。

、源蔵の配により、式のキャンセル料と解決を含めた百万円が、公正証に基づき真子の座へ正式に支払われた。吉は親からの連絡をすべて遮断して逃げ隠れし、度たりとも謝罪のに現れることはなかったが、真子はそのを元しいマンションへ引っ越し、吉との過を完全に断ち切った。

傷が癒えるまでには、それから数の歳した。

男性に対する拭いがたいから、は「きていこう」とに決めた期もあった。しかし、代半ばを過ぎた頃、代の同窓を通じて、運命の再会が訪れることになる。

それが、現の夫である関京介だった。

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代の京介は、学でも目たないだった。

が百キロを超える柄で肥満気の体型をしており、休みも教の隅で静かに本を読んでいるような、しい徒だった。当の吉のような派なスクールカーストの位グループからは、で「相撲取り」「鈍」などとない嘲笑を浴びせられることもなくなかった。

しかし、徒会だった真子だけは、体育祭の準備や文化祭のゴミ拾いなど、誰もが嫌がるな裏方作業を黙々と完璧にこなす京介の誠実さを、誰よりもく評価していた。

関君、いつも番最まで残って片付けてくれてありがとうね。あなたのおかげで、徒会がどれだけ助かっているか分からないわ」

夕暮れの徒会で、真子がそう言って差しした本の缶のお茶を、京介はまで真っ赤にしながら、宝物のように両で受け取ったものだった。

との婚約破棄からが過ぎた、歳の

親友の理恵から「どうしても真子に会わせたいがいるの。度だけでいいからご飯にこう」と半ば引に誘われた座のレストランで、真子は目のに現れたの男性を見て、完全に言葉を失った。

ての良いチャコールグレーのスーツを完璧に着こなし、無駄な贅肉を削ぎ落とした逞しい体躯と、で彫りのい横顔。

かつての肥満体型はおろか、流の経営者特の洗練された格を漂わせるの男がそこにっていた。

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