みかん小説
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"父の葬儀を捨てた夫へ、亡き父が遺した最後の証拠" 第6話

パズルのピースが、瞬で狂気の枚絵となって完成した。

健太郎は、倫に溺れていただけではなかった。破綻寸の自社を延命させるため、父のによって美央が相続する莫な資産を最初から狙い定めていたのだ。父の葬儀を抜けしたのも、倫相への密会と同に、融資仲介業者との最終調のためだった能性がかった。

妻のしみに寄り添うふりをしながら、その背で、父の遺産を骨の髄までしゃぶり尽くすための罠を周到に張り巡らせていた。

リビングの窓から、乳の朝のが差し込んできた。

父の遺の穏やかな微笑みが、朝を浴びて神々しく輝いていた。

「お父さん……私、絶対に負けないから」

美央は文庫箱を静かに閉じ、法律事務所の名刺をに取った。

絶望に泣き崩れるは、もう終わった。ここからは、き父の遺志を胸に抱き、欺瞞に満ちた夫へ鉄槌をすための、徹な戦いの始まりだった。

ちょうど、美央は杉並区阿佐ヶにある法律事務所の扉を叩いた。

迎えてくれたのは、父・正雄の代からの親友であり、佐伯の顧問弁護士をにわたって務めてきた修だった。髪をオールバックに撫でつけ、髭を蓄えた代半ばの老弁護士は、憔悴しながらも瞳に覚悟のを宿した美央の姿を見て、く頷いた。

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「よく来たね、美央ちゃん。……いや、佐伯美央さん。昨夜は眠れなかっただろう」

……父から、すべてを受け取りました」

美央は持参した茶い文庫箱を応接テーブルのに置き、げた。

鏡をかけ直し、箱のをテーブルのに広げた。すでに事務所の庫に保管されていた正雄の自遺言の検認済み謄本を取りし、探偵の調査報告と並べた。

「正雄さんから相談を受けたのは、今だった」

は煙をつけず、万を指先で弄びながら静かに語り始めた。

「正雄さんはね、病で健太郎君の見いを受けた際、彼がやけに遺産の総額やビルの賃貸収入の権利関係について執拗に探りを入れてくることに、い違を抱いたんだ。正雄さんは、町ので職の親方をやってきただ。の目の奥にある欲を見抜く勘は、並のより遥かに鋭かった」

は探偵の報告ページを指で叩いた。

「そこで私が懇にしている調査関に依頼し、健太郎君の会社の経営状態と辺を洗った。結果は見ての通りだ。額の使途リサとの為、そして破産寸の財務諸表。正雄さんは病でこの報告を受け取った、悔しさのあまり点滴の管を引きちぎらんばかりに震えていたよ。

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『娘を、あのペテン師の贄には絶対にさせない』とね」

「父は……なぜ、に私に教えてくれなかったのでしょうか」

美央の問いに、しげに目を細めた。

「おを信じていたからだよ、美央ちゃん。もしにこの事実を突きつければ、おは父の病と夫の裏切りの板挟みになって、が壊れてしまう。それに、正雄さんがきているうちは、健太郎君もまだ決定な暴挙にはない。正雄さんはね、自分が息を引き取ったその瞬こそが、健太郎君が最も油断し、最も胆にを剥くだと分かっていたんだ」

がり、壁面の棚から『相続税法』と『民事保全法』の分法全を取りした。

「美央ちゃん、ここからが本当の法廷闘争だ。正雄さんが遺した遺言には、すべての遺産——自宅、預貯、駅商業ビル、価証券のすべてを『佐伯美央単独に相続させる』と記されている。健太郎君には円の遺留分減殺請求権もない。配偶者であっても、被相続の血族ではない彼には何の権利もないんだ」

「でも先、あの融資の類には、私の連帯保証の承諾が入っていました」

「そこだ」は鋭いを目に宿した。「彼らは、おに『父の会社の借理するため』などと言葉巧みに嘘をつき、相続財産を担保に入れさせて千万円を騙し取る腹積もりだった。

に健太郎君が持参するであろうその類に、おが判を押さなければ、彼の計画は根本から破綻する」

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