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"棺の中で眠る娘と、吠え続けた秋田犬" 第6話

拍、呼吸を確認! 識レベルはJCSの百から百のです!」

静子は救急隊員に向かって、極めて瞭な医療用語で状況を申し送った。

「直腸温は未測定ですが、推定体温は度から体温症からの復温期です。除細の準備をしつつ、加温加湿酸素の投与と、末梢静脈の確保をお願いします。急激な末梢血管の拡張によるアフター・ドロップとに警戒してください!」

格の救急救命士が目を見張り、即座に敬礼にい会釈を返した。

解しました! ドクターヘリは悪候のためべません、学医学部附属病院の度救命救急センターへ直搬します! お母さん、同乗してください!」

は素くスクープストレッチャーへと移され、加温ブランケットとモニターが装着された。モニターの緑の波形が、微ながらも規則正しい回の拍を刻み始める。

がタンカで運びされる際、ハチが静かにそのに従った。救急隊員のが犬を制止しようとしたが、隊が「いい、触るな。この犬が命を見つけたんだ」とく命じ、ハチは救急部ステップのすぐまで、誇りく付き添った。

静子はさなを握りしめたまま、救急へと乗り込んだ。

輪がを踏みしめてす直、静子は救急の窓ガラス越しに、寺の玄関先にち尽くすの姿を界に捉えた。

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にまみれて崩れ落ちたまま、呆然と救急を見つめるエミリー。

そして、自らの過ちの巨さに打ちのめされ、顔を両で覆って号泣する健

静子の胸のに、もはや復讐のりは残っていなかった。あるのは、ただつ。なぜがあの夜、猛吹の裏なければならなかったのかという、徹な疑の刃だけだった。

は、ただ迷子になったのではない。

あの子がした理由のすべてが、あの豪奢な邸宅と、しい族のに隠されている。

救急は赤灯を激しく滅させながら、を猛スピードで駆けりていった。

田自速百キロくで疾する救急内には、過密な医療用モニターの警告音と、ディーゼルエンジンの唸りだけがく反響していた。

静子はストレッチャーの脇に膝を詰め、さな掌を両で包み込んでいた。には、載の輸液ポンプから伸びる加温輸液のルートが接続され、度に温められた乳酸リンゲル液が点滴筒を通って細い静脈へと送り込まれている。

「血圧、拍数は回でサイナスリズムを維持しています」

救命士の緊迫した報告に、静子はさく頷きながら、酸素マスクの唇をガーゼで湿らせた。

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体温症からの復温過程において最も恐ろしいのは、末梢のたい血液が気に枢へ戻ることで起きる「アフター・ドロップ現象」による致脈だった。え切った血液が臓に流れ込めば、を起こして即座に命が消しぶ危険が常に隣りわせにあった。

、聞こえるね。お母さんがここにいるよ。もうたいところへは戻さないからね」

元で何度も呼びかけながら、静子は胸元のモニター波形から瞬たりとも目をさなかった。

分、救急学医学部附属病院の度救命救急センターの寄せへ滑り込んだ。自ドアがくと同に、症患者の受け入れ態勢をえていた医師や護師ら数名が、ストレッチャーを取り囲んだ。

歳女児、症偶発性体温症。推定直腸温度から復温! 初での拍再から現まで致脈なし!」

ストレッチャーを初療へと押し込みながら、救命士が静子の指示に基づく確な初期対応の経緯を医師団へ引き継いだ。

初療型無灯のに運ばれた体に、即座に脈圧ライン、体温補正図、膀胱留置カテーテルが装着されていく。担当医である救命センターの副部藤医師が、胸骨部を聴診しながら静子へ鋭い線を向けた。

「お母さん、あなたが拍再の初期加温と気確保をいましたね。

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