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"消えた子猫と、花壇の頑固おじさん" 第7話

僕と郎は、温もりを失ったたいコンクリートの隙に戻り、寄り添いって、ただひたすらに祈るようにを澄ませ続けた。

正午を過ぎ、公園に響く正午のチャイムが鳴り終わった頃。 再び、あの軽トラックのエンジン音が聞こえてきた。

僕と郎は弾かれたように広した。 トラックの助席からりてきたみどりさんの腕には――しかし、クマの姿はなかった。

「……クマは?」 郎が駆け寄り、みどりさんの元を見げた。 みどりさんは僕たちのにしゃがみ込み、疲れ果てた顔に、堵の涙を滲ませて微笑んだ。

丈夫よ。……命は取り留めたわ。抗剤とインターフェロンの点滴を打ってもらって、今は酸素で眠ってる」

僕の喉から、ふっと堵のため息が漏れた。 だが、みどりさんの表は、すぐにく曇っていった。

「でもね……先に言われたの。この子はもう、の過酷な環境には戻せないって。肺にが残ってしまって、免疫が落ちているから、もうたいに打たれたら、今度こそ助からないって……」

「だったら、あんたので引き取ればいいだろ」

運転席からりてきたさんが、腕を組みながら言った。 みどりさんは俯き、唇を噛み締めた。

「……私のには、すでに血病のキャリアを持つ保護猫が匹と、真菌の治療の子が匹いるんです。

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のエアコンが壊れていて、の部にはもう、染症の猫を全に隔できるスペースが……畳も残っていません。病院の入院ケージも、く預かってもらえるのはが限界です」

みどりさんの声が震えていた。 「そのき先が見つからなければ……この子は……」

誰も、言葉を継ぐことができなかった。 青空のの葉をカサカサと鳴らす音だけが、虚しく響いていた。

「……き先がなけりゃ、どうなるんだ」

さんのく乾いた声が、静まり返った公園の空気を切り裂いた。 みどりさんは顔をげることができず、固く握りしめた拳を震わせた。

「……護団体のシェルターも、今は産ラッシュでどこも満杯です。政のセンターへ相談すれば、治療が必な野良猫は……『譲渡適格』として、処分対象に回される能性が極めていです」

処分。 その文字が、さんのにどう響いたのか。 さんの額に、青筋が太く浮きがった。

「ふざけるな。……せっかく拾いげた命を、枚でにする気か」

「そんなこと、させません! 私が……私が何とかして、しい里親さんを軒探します! チラシを配って、ネットでも呼びかけて……!」

で何ものに会えるわけねえだろ!」

さんの声に、みどりさんは息を呑んで押し黙った。 さんは苛たしそうに部を掻きむしり、ポケットからタバコを取りそうとして、い直したようにを引っ込めた。

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線が、僕と郎へと向けられる。 僕たちは、じっとさんの濁った瞳を見つめ返した。 敵はない。ただ、僕たちの族を救ってほしいという、声にならない懇願だけを瞳に込めて。

さんはきく息を吐きし、壇の向こう――公園のフェンス越しに見える、自分の古い造平根へと線を投げた。

「……うちなら、ひと部空いてる」

「え……?」 みどりさんが、信じられないものを見るように目を見張った。

「聞こえなかったのか。階の側のだ。あそこなら当たりもいいし、のペットもいねえ。……完全な個だ」

さん……でも、猫はお嫌いなんじゃ……壇を荒らされて、あんなにっていらしたのに……」

「猫が嫌いなんじゃねえ!」 さんは照れ隠しのように鳴った。 「ルールを守らねえと、を台無しにされたのが腹たしかっただけだ! ……それに、あいつのあの顔見ちまったら、見殺しになんかできるかよ。緒にいたあいつの最の顔と……そっくりだったんだ」

さんは靴のを縁で落とし、ぶっきらぼうに言い放った。

「勘違いするなよ。面倒を見るわけじゃねえ。体が治って、里親が見つかるまでの『預かり』だ。……の退院の、俺が軽トラで病院まで迎えにく。ケージと毛布の配だけ、あんたがやっとけ」

さん……! ありがとうございます……本当に、ありがとうございます……!」

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