"消えた子猫と、花壇の頑固おじさん" 第13話
さんが角材をノコギリで切り落とし、インパクトドライバーでガガガッとネジを締めげていく。 みどりさんはスコップをに、さんが作った頑丈な枠のへ、サラサラとした真しい川砂を何袋も流し込んでいた。
僕と郎は、しれたサクラののから、をくしてその様子をじっと見つめていた。
「……何を作ってるんだろうな、こん」 郎がをピクピクとかした。 「分からない。でも……あの、ってないみたいだ」
昨まで僕たちを鳴りつけていたと、僕たちを守って涙を流していたが、並んで同じ汗を流している。の世界の複雑な掟は僕たちには理解できなかったが、そこに流れる空気が、決して敵に満ちたものではないことだけは、毛並みを撫でるの匂いで分かっていた。
、公衆トイレの裏に、浅い枠で囲まれたさな砂が完成した。 表面は熊で綺麗に均され、周囲には猫の嫌がる柑橘系の匂いはなく、むしろがりののような、穏やかでできるのりが漂っていた。
さらにさんはレンガ壇へと移し、黒のに頑丈な緑のネットを隙なく敷き詰めていった。レンガの縁に鉄ピンを打ち込み、槌でガンガンと叩いて固定する。 これで、僕たちの鋭い爪をもってしても、を掘り返すことは能になった。
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作業を終えたさんは、腰にを当ててきく息を吐いた。 「よし……これで仕掛けは完だ。あとは、あの馬鹿共がちゃんとここを使ってくれるかどうかだが……」
みどりさんが筒のお茶をさんに渡した。 「使ってくれるでしょうか……、好きな所で用をしてきた子たちです。急にの決めた所でなんて……」
「教えるしかねえだろ」 さんはお茶を気にみ干すと、僕たちが潜むサクラのの根元へと線を向けた。 目がった。 さんは歩もづいてこなかった。ただ、枠の砂を指差し、い声で言った。
「おい、デカいの。お、男坊だろ。……あっちを使え。あそこなら、いくら掘っても誰もらねえからな」
さんはそれ以何も言わず、軽トラックに乗ってちっていった。 みどりさんも、僕たちの朝ご飯のお皿をく片付けると、「お願いね、郎ちゃん、こんちゃん」と祈るように呟いて自転をらせていった。
静まり返った公園に、僕と郎の匹だけが取り残された。
郎がちがり、ゆっくりと伸びをした。 「……ってみるか、こん」 「えっ、でも……罠かもしれないよ?」
僕の制止をよそに、郎は太い尻尾を平に保ちながら、堂々とした取りでトイレの裏へと歩きした。 しい枠のにつ郎。 先を伸ばし、しく敷かれた砂の匂いを入りに嗅ぐ。
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クンクン、クンクン……。
やがて郎は、ひょいとを枠の縁にかけ、へとを踏み入れた。 ザクッ。 よい触が、肉球を伝わったのだろう。郎のがふわりとを向いた。
郎はを器用に使って、シャッ、シャッと砂を掘り始めた。 び散る砂。く掘られた穴。 郎は満そうに腰を落とし、そこで静かに用をした。そして、終わったは丹に、ろで綺麗に砂を掛け戻したのだった。
から見ていた僕は、わず駆け寄った。 「郎、すごい!」
郎は誇らしげにを鳴らし、枠からびりた。 「悪くねえぞ、こん。壇のよりずっと掘りやすい。……あのおじさん、嘘はついてなかったな」
そのの夕暮れ、公園の見回りに来たさんが、枠のの盛りがった砂の跡を見つけた。 さんはしゃがみ込み、スコップでその塊を丁寧にビニール袋へと回収した。 ちがったさんの元が、誰にも見えない暗がりので、微かに、嬉しそうに綻んでいたのを、のの僕は見逃さなかった。
試期が始まってから、週が過ぎた。
公園の様子は、目に見えて変わっていた。 壇のネットは頑丈で、度も荒らされることはなかった。 そして公衆トイレ裏の枠のには、毎朝、僕と郎が規則正しく残した排泄の跡が残り、みどりさんとさんが交代でそれを回収し、周囲を掃き清めていた。
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