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"凶悪犯と殺処分寸前の猫" 第1話

インディアナ州マディソン郡ペンドルトン。平原のただにそびえるペンドルトン矯正施設(最警備刑務所)の朝は、油の切れた鋼鉄が擦れう鳴のような錠音から始まった。午分。氷点までえ込んだ気が、さセンチのコンクリート壁の隙から染みし、受刑者たちの吐く息をく凍らせる。

「点呼だ、起きろ、クズども! 鉄格子からをすな!」

守の叩きつける警棒の音が、Jブロックの通に乱暴に反響した。汚れた粗布の毛布をね除け、アンソニー・カーターは段ベッドの鉄枠にをかけた。の丈フィートインチ、体百ポンドの巨躯。首筋から肩、両腕の甲に至るまで、シカゴ部のギャング団「ディサイプルズ」の象徴であると悪魔の翼を模した青黒いタトゥーがびっしりと埋め尽くしている。

歳。彼にされた判決は、加武装盗、法器所持、警官に対する加暴罪による懲役。すでにこのたいので、の歳をすり減らしていた。

アンソニーのは、まれた瞬から暴力の軛(くびき)のにあった。クラック・コカインに溺れた両親は、泣き叫ぶ幼い息子の背をバックル付きの革ベルトで打ち据え、の夜にはのないクローゼットに閉じ込めた。

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飢えをしのぐために歳で万引きを覚え、歳でストリートの売となり、歳で初めて拳銃の引きを引いた。彼にとって世界とは、者を徹底に叩き潰すか、あるいは自分が挽き肉にされるかの択でしかなかった。

「おい、カーター。朝飯だ。残さずえよ、今はおらの好きなドッグフードもどきだ」

鉄格子の隙から無造作に差し入れられたプラスチックトレイには、え固まったオートミールと、ゴムのようなスクランブルエッグが載っていた。アンソニーは無言でそれを受け取ると、鉄枠の机に向かい、械のようにへと運んだ。隣の独からは、至主義グループの男と黒系グループの男が罵声を浴びせう声が聞こえてくる。

「おい、てめえ、昨の庭で誰に目使ってやがった!」 「うるせえよ、クソ野郎。今の運で喉笛掻っ切ってやるから待ってろ!」

ここでは、暴力こそが唯の通貨であり、けや躊躇を見せた瞬に捕される。アンソニーはこれまで、刑務所内で発した度の暴に関与し、守に傷を負わせた過から、もの独隔(ホール)を経験していた。彼のは研ぎ澄まされた剃刀のようにたく、の受刑者たちも彼のを通り過ぎるは自然と線を伏せた。

だが、この終わりのない憎悪の循環に、施設の層部すら匙を投げていた。

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ペンドルトン刑務所における受刑者同士の傷害事件発率は州内最悪を記録し、守の職率はパーセントに達していた。

午。所のいオーク材のデスクをに、の男が鋭い線を交錯させていた。

「正気ですか、リチャード所。最警備のJブロックに、物を放り込むなどと」

吐き捨てるように言ったのは、保担当副所のドナルド・ミラーだった。のキャリアを持つ粋の厳罰主義者で、角刈りの髪と酷な細い目がその頑固さを物語っていた。

「受刑者どもはですらありません。社会のゴミ溜めです。あいつらに猫を与えてごらんなさい。ストレス解消に首を絞めるか、密輸品の隠し所に使うか、最悪のは守を脅す凶器にするのが関のです。元メディアや被害者遺族会がれば、猛烈な批判を浴びますぞ。『凶悪犯に税でペットをあてがうのか』とな」

所のリチャード・エヴァンズは、く息を吐きしながら老鏡をした。

「ミラー副所、現のやり方で再犯率ががったかね? 受刑者の凶暴性が抑えられたかね? 棍棒で叩き、独に放り込み、監カメラで締めげても、所した者の割が以内にを刺してここへ戻ってくる。ここはを更させる所ではなく、さらに狂暴な怪物を培養する檻になっているんだ」

リチャードは引きしから、通の協定を取りした。

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