"昭和29年、教室から消えた子どもたち" 第7話
「転って言うのを?」
「ああ」
初めて、
がはっきり認めた。
その翌週。
職員会議で、
期欠席する徒について、
本や庭の希望を聞きながら、
必以に「転」という説を使わない方針が話しわれた。
夫は会議そのものをるではなかったが、
松永先から、
「し変わるかもしれない」
とだけ聞いた。
それだけでも嬉しかった。
しかし、
問題は学のだけではなかった。
。
信ののに、
いつのにかが寄りつかなくなっていた。
以は所の子供がで遊んでいた。
今は避けるように別のを使う。
が勤め始めた仕しでも、
父親の病気が噂になった。
「しばらく休んでほしい」
と言われたらしい。
「おばさんは病気じゃないのに?」
夫が聞くと、
信からのにはこうあった。
《のは悪いじゃないらしい。客が嫌がるからって。誰が悪いのか分からない。》
その文がかった。
誰かの悪はいない。
怖がる客。
客を失いたくない。
活を守りたい族。
病気を治したい父。
全部がつながって、
信だけが学へ戻れない。
休みに入る。
夫は母との療養所へ見いにった。
徳治が面会できるようになったためだ。
広い敷。
。
い病棟。
夫が像していた暗い隔施設とは違った。
それでも、
窓辺に静かに座る患者たちを見ると、
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胸がくなった。
徳治は以より顔が良かった。
「夫君」
「こんにちは」
「信からもらってるそうだな」
「はい」
徳治は笑った。
「学のことばっかりいてくる」
文が果物を置いた。
「く戻れるといいですね」
徳治の表が曇る。
「俺が退院するまで戻さない方がいいって、は言ってる」
「どうして」
夫が聞くと、
「俺が病のままじゃ、あいつも何言われるか分からんからな」
また同じだった。
夫はわず言った。
「信は、戻りたいって言ってます」
徳治が黙る。
「ってる」
「だったら」
「夫君」
徳治の声がくなった。
「おはいな」
「くないです」
「自分の検査のこと、学で隠さなかったって聞いた」
「全部は言ってないです」
「それでもだ」
徳治は窓のを見た。
「俺はな、族を守りたいとって隠してる」
「はい」
「でも々、俺が番族を縛ってる気がする」
夫は答えられなかった。
病気を隠す。
病気が族を縛る。
隠すことまで族を縛る。
つほどけば、
別の糸が絡む。
単純な正解などなかった。
休みが終わった。
学期初。
先が教へ入ってきた。
そのろに、
の男子徒。
夫はちがりそうになった。
信だった。
し痩せている。
でも笑っていた。
教がざわつく。
「林?」
「転したんじゃ」
先がをげる。
「静かに」
信は教壇の横にった。
「林君は庭の事でしばらく学をれていました。
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今から復学します」
復学。
今度は転と言わなかった。
が続ける。
「庭の詳しい事について、本が話したくないことを無理に聞かないように」
信は自分で歩へた。
「俺から言う」
が驚く。
「林」
「いいです」
信は教を見た。
「親父が結核です」
空気が止まる。
夫は胸が苦しくなった。
信は続ける。
「俺は今のところ丈夫です。何回か検査してます」
誰も声をさない。
「それだけ」
信は自分の席へ歩いた。
以と同じ机。
夫の隣。
座る。
夫は声で言った。
「お帰り」
信が笑う。
「川く約束、まだだぞ」
休み。
何かはづかなかった。
野はしれたところから、
「お、うつらないの?」
と聞いた。
教が凍る。
信の顔が引きつる。
夫がちがりかける。
そのに子が言った。
「さっき先が、検査して丈夫だから来てるって言ったでしょ」
野は慌てた。
「いや、別に嫌とかじゃなくて」
信が笑った。
「俺も怖いよ」
「え?」
「親父が病気だって分かった、俺も同じ部いたから」
野は何も言えない。
信は続けた。
「だから検査してる」
それだけだった。
昼休み。
最初は夫とだけだった。
そのうち子が来た。
次に野も来た。
ぎこちなかった。
以と同じではない。
でも、
以と同じに戻ろうとするがいる。
それだけで分だった。
信が戻ってから、
夫と文の関係もし変わった。
母はもう、
結核の話をするとすぐることはなくなった。
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