"一着の学生服を分けた双子" 第6話
「今見た範囲なら、そんな額になるとはえん」
正は、
しないかもしれない借まで背負っている。
そのために、
息子をみ込みへそうとしていた。
浦ので、
話のがもう度変わった。
浦は阿久津を単純な悪だといかけた。
しかし佐野は、
「それでは何も解決しない」
と言った。
「正さんが困った、実際にをしたのも阿久津さんだ」
「でも帳面がおかしい」
「おかしいところは直す。ただ、最初から息子を奪うためにを貸したとは限らん」
浦は考え直した。
数、
阿久津自から学へ連絡があった。
「話したい」
放課、
浦が材を訪れると、
阿久津は珍しく事務所ではなくにいた。
「俺も貧乏だった」
突然そう言った。
阿久津は戦すぐ、
父親をくしたという。
歳で材へ入り、
み込みで働いた。
「俺のはな、飯わせてもらえるだけでありがたかった」
だから信夫にも、
仕事と寝を用することが助けになるとった。
正へを貸したのも、
返せるかどうかより、
目ので困っていたからだった。
「じゃあ、どうして帳面が」
浦が聞くと、
阿久津は顔をしかめた。
「俺は字も計算も得じゃない。の番がつけてた期もある」
「確認しなかった?」
「正も何も言わなかった」
阿久津は杉の丸太を見た。
「先、俺はあいつらを売ったつもりはない」
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「でも正さんは《息子をさないといけない》とっていました」
「言い方が悪かったのは認める」
「保証に昭夫君の名をかせたのも?」
阿久津は黙った。
「それは」
しばらくして言った。
「俺が、信夫が続かなかったら弟もいるだろう、って言った」
浦は息を吐いた。
「分ですよ」
「でも本当に代わりに働かせるつもりじゃ」
「子供にはそう聞こえます」
阿久津は何も言えなくなった。
助けた。
同に縛った。
そのつが、
同じのにしていた。
学側が最初にできたことは、きなことではなかった。
卒業した徒の庭へ問いわせ、着の学を譲ってもらった。しきかったが、澄が夜に袖と裾を詰めれば使える。
通学定期についても、町役と相談し、卒業までの期に限って通学費を援助できることになった。
の朝。
組の教に、
初めて信夫と昭夫がそろって入ってきた。
信夫は古い学。
昭夫は譲ってもらった学。
クラスの野が笑った。
「がいる」
昭夫がすぐ返す。
「からだよ」
「いや、毎いると変なじする」
教に笑いが起きた。
浦も黒板へ向きながら笑った。
しかし、
毎学へ来られるようになったことで、
別の問題も見えてきた。
とも学習にきな抜けがあった。
信夫は数学と技術が得だが、
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英語の基礎が抜けている。
昭夫は国語がく、
理科では習っていない単元がい。
夜に教えっていたとはいえ、
が受けた授業をもうへ渡すだけでは、
全部を補えなかったのだ。
浦は放課に補習を始めた。
最初は兄弟だけ。
やがて同じように成績が遅れている徒も数加わった。
「俺たちだけ特別扱いじゃなくなった」
昭夫が笑うと、
信夫もしした顔をした。
浦はそこでようやく分かった。
助けるとは、
何かを与えて終わることではない。
制を着にすれば、
それで分の失った授業が戻るわけではない。
つ戻したら、
次に失われていたものが見える。
それをまた、
つずつ戻すしかなかった。
あるの補習、
浦は信夫だけをへ残した。
「卒業したら本当に材へきたいのか」
信夫はしばらく答えなかった。
「嫌なのか」
「嫌じゃないです」
「じゃあ好きか」
今度は困った顔をした。
「は好きです」
「何をしたい」
「何って」
「借も、のことも、父ちゃんの仕事も考えなくていいとしたら」
信夫は作業台の目を見つめた。
「具」
「具?」
「さい頃、父ちゃんが余った板で棚を作ってくれたんです。曲がってたけど、板が形になるのが面くて」
信夫は技術の授業でも、
図面をくだけ異様に集した。
「業は考えたことあるか」
「あります」
ったよりい返事だった。
「なら」
「無理です」
「以で理由は?」
信夫は黙る。
「きたいかどうかだけ聞いてる」
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