"火曜日だけ「受取済」が増える町" 第2話
俊夫は取りした。
表には何もいていない。
くと、正式な配台帳とは違うきの名簿だった。
《キク 》
《松尾辰雄 未帰還》
《池 疎》
《森フミ 方》
すでに町にんでいないばかりだった。
ところがその横には、、、とごとの欄があり、《分》《分》と米の量が記されている。した、戻ってきていない兵隊、疎したままの族の名義で、今も毎米がているように見えた。
俊夫は喉を鳴らした。
「やっぱり……」
者や者の分を誰かが受け取り、へ流している。
叔父はそのために帳簿を理しているのではないか。
りに任せてページをめくっていた俊夫の指が、突然止まった。
そこには見慣れた名があった。
《勇作》
父の名だった。
父・勇作は終戦直、肺を悪くしてくなったと聞かされている。さな葬式もした。俊夫自、父の遺を毎朝見ている。
それなのに昭まで、父の欄には毎《分》とかれていた。
さらにその側。
《受取 芳》
母の名。
その横に押された印は、昼の配台帳にあったものと同じに見えた。
度ではない。
ももも、母が受け取ったことになっている。
俊夫はが真っになった。
叔父だけではなかった。
母もっている。
むしろ毎、自分から父の名義を使っている。
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その、で砂利を踏む音がした。
俊夫はノートを懐へ入れ、俵のにを隠した。裏がき、誰かが入ってきた。
清吉だった。
叔父はかりをつけず、事務机のへった。番の引きしをけ、何かを探し、すぐにきを止めた。
ノートがないと気づいたのだ。
「誰や」
暗ので清吉の声が響いた。
俊夫は息を殺した。
数秒、清吉は裏窓へ向かってきた。
俊夫は反対側の荷しからびした。
背で叔父が叫んだ。
「俊夫か!」
名を呼ばれた。
顔を見られていたのか。
それとも最初から、自分が来ることを予していたのか。
俊夫は振り返らず、夜のへった。
懐には、んだ父の名がかれたノートがあった。
へ戻ると、芳は起きていた。裸球ので繕い物をしていたが、俊夫の顔を見るなり針を置いた。遅くまで歩いたことを叱るより先に、息子が胸元から取りしたノートを見て顔を変えた。
「それ、どこで」
「配所」
俊夫は机へ叩きつけるように置いた。
「父ちゃんんでるんだぞ」
芳は何も言わなかった。
「もにんだの名で、ずっと米もらってたのか」
「俊夫」
「清吉叔父さんと緒に何してるんだよ。んだの米をに売ってたのか」
「違う」
母の声はさかった。
「じゃあ何なんだよ」
俊夫は該当するページをいた。
「これ母ちゃんの名だろ。
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毎受け取ってる。今だって俺たちの分が勝に《受取済》にされたのに、父ちゃんの分は別で受け取ってるじゃないか」
芳はい、ノートを見つめていた。
やがて逃げるように目を伏せるのではなく、俊夫をまっすぐ見た。
「そうだよ」
俊夫は息を止めた。
否定してほしかった。
判子を盗まれたと言ってほしかった。
けれど母は認めた。
「勇作の名で、今も分受け取ってる」
「何で」
「でも、その米をうちがべたわけじゃない」
が分からなかった。
「じゃあ誰がべたんだよ」
芳はすぐには答えなかった。
代わりにちがり、い着を羽織った。
「ついておいで」
「どこへ」
「見た方がい」
夜を過ぎた町を、母とで歩いた。空襲で焼けたままの区画を抜け、仮設の共同宅が並ぶ角へ入る。そこは俊夫もはっていたが、用事がなくづいたことはなかった。
の戸を芳が度叩いた。
から、代くらいの女が顔をした。
「あら、芳さん」
「今分、もう届いた?」
「昨、清吉さんが持ってきてくれました」
俊夫は母を見た。
部の奥には子どもがいた。布団も満にない狭い部で、鍋のにはい粥が残っている。
芳は説した。
女はから戻ったばかりで、夫の戸籍理が終わっていない。配登録の変更もにわず、今の町では正式な通帳をまだもらえていなかった。
隣には空襲で親を失った。
そのさらに奥には、疎先から戻ったもののが焼け、以の登録先へ戻れない母子。
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