"火曜日だけ「受取済」が増える町" 第10話
盗んだ米を売り、その部を寄付している。
だから周囲から疑われにくい。
清吉と町内会の男が、藤の荷記録を調べた。正規仕入れより販売量がいがある。
曜の翌だけ。
量は俵。
俊夫たちはそれを府の糧担当者へ持ち込んだ。
今度は父の帳だけではない。
矢野の偽印注文。
被害庭の受領記録。
藤商の販売量。
複数の資料が同じ曜を指している。
調査が入った。
藤は最まで「余った米を買っただけ」と主張した。
だが余っていたはずの米は、本来なら登録漏れの庭へ回る救済分だった。
さらに矢野が供述した。
藤は途から、
「俵さなければ、裏配のことを役所へ話す」
と圧力をかけていた。
矢野は救済の仕組みを守るために従った。
そのを《受取済》の偽印で埋めた。
藤は善の仕組みに寄していた。
しかも部を寄付へ戻し、自分が救済する側の顔まで作っていた。
「父ちゃんも、最初は藤に助けてもらったんだよな」
俊夫が言うと、清吉は頷いた。
「だから疑うのが遅れたんやろ」
は、自分を度助けた相を疑いにくい。
藤はそれも利用した。
藤への調査がんでも、俊夫のにはれないものが残った。
父も俵使った。
母も者の名義を使った。
叔父も度、米を運んだ。
矢野も最初は救済のために帳簿をいじった。
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どこからが助けで、どこからが盗みなのか。
俊夫は野医院へき、父の申について聞いた。
「父ちゃんは、自分のこともくつもりだったんですか」
野はし考えた。
「いていた」
「本当に?」
「自分が最初に俵使ったことも隠さない、と言ってた」
俊夫は黙った。
「それをしたら捕まったかもしれない」
「そうかもしれん」
「じゃあ何で」
「勇作さんは、自分だけ助かって正だけ止める方法はないとったんだろう」
野は古い窓のを見た。
「度違ったが、その正しいことをしてはいけないわけじゃない」
俊夫はすぐには納得できなかった。
きれいな言葉に聞こえた。
「でも違ったことは消えないでしょう」
「消えんよ」
野はあっさり言った。
「だからくんや」
父は派だったから記録したのではない。
自分も関わったからこそ、数字を残した。
俊夫はへ帰り、仏壇のへ座った。
遺の父は若い。
ずっと「自分より正しい」だとっていた。
今は違う。
くて。
違えて。
怖くなって。
それでも途から止めようとしたに見えた。
俊夫は初めて、父を神棚からろしたような気持ちになった。
議と、よりくじた。
問題が表にたあと、芳は自分から役所へ向いた。
「勇作の名義で受け取った分を全部申告します」
俊夫は止めた。
「救済に回したんだから、母ちゃんが得したわけじゃないだろ」
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「それでも、名を使ったのは私だよ」
母はの記録をした。
どのに何受け取り、どの庭へ回したか。
完全ではないが、いせる限りいていた。
役所側も、すべてを返せとは言わなかった。
登録漏れ救済の実態がらかになり、町内会の証言もあったからだ。
ただし勇作の名義は正式に抹消される。
芳は最に、父の判子を押した。
それが勇作名義で使う最の印だった。
帰宅すると、母は判子を布へ包んだ。
「もう使わん」
「捨てる?」
「いや」
「何で」
「勇作が悪いことした証拠でもあるし、止めようとした証拠でもあるから」
俊夫は笑った。
「判子つにすぎるな」
「なんてそんなもんやろ」
母もし笑った。
その夕方、共同宅へくと、以通帳を持っていなかった母子に仮配証がていた。
まだ全員ではない。
続きの途のもある。
それでも裏名簿に頼らなくていいが、軒ずつ増えていた。
芳は帰りで言った。
「勇作がきとったら、何て言うかな」
俊夫は考えた。
「もっとくやれ、かな」
「自分ができんかったくせに」
で笑った。
父を笑えるようになった。
それも、秘密が終わり始めた証拠だった。
最の曜。
配所のには、いつものようにい列ができた。
ただつ違うのは、窓の横にしいが貼られていることだった。
《受領記録に異議のあるは、そので申してください》
《本印と台帳印を照します》
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