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"援助し続けた兄が隠していた二年間" 第6話

話の向こうが静かになった。

私は借の細部までは言わなかった。

兄の問題を、親戚へ晒したいわけではない。

ただ、

「もう現援助はしない。借理の相談なら付きう」

そこだけ伝えた。

叔母は最に、

「私も詳しく聞いてから話すればよかったね」

と言った。

次は母方の従兄。

その次は、昔所にんでいた父の。

兄は同じ話をしていた。

私は同じ答えを繰り返した。

目になる頃、妙に静になっていた。

それでも腹がったのは、兄が美咲を悪者にしていたことだった。

《嫁が弟をそそのかした》

《結婚してから直がたくなった》

そう言っているらしい。

私は兄へメッセージを送った。

《俺が決めた。美咲のせいにするな》

返事はすぐ来た。

《昔のおならこんなことしなかった》

私は画面を見ながら、しばらく考えた。

確かに昔の私はしなかった。

兄が言えば従った。

兄がれば黙った。

兄に守ってもらった弟のままだった。

《昔と今は違う。俺はもう庭を持ってる》

そう返した。

既読になったが、それ以は来なかった。

数。

柴田からまた連絡があった。

「健司、俺以にも返済待ってもらってるみたいです」

「そうですか」

「直さん、払うつもりあります?」

私は即答した。

「ありません」

以の私なら、その言を言うまでに何も迷っただろう。

柴田はししたように言った。

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「良かった」

「良かった?」

「健司、“最は弟が何とかする”ってずっと言ってたんです」

その言葉で、私はつ理解した。

私が助け続ける限り、兄にとって借には底がなかった。

最に私が埋める穴だとっていたからだ。

援助を止めて週ほど経った夜、兄から話が来た。

「万だけ」

挨拶もなかった。

「何に」

「柴田に返す」

「さない」

「万でもいい」

「さない」

「じゃあ万」

私は目を閉じた。

兄は昔から交渉がかった。

きな求をし、断られたらしずつげる。

最に「これくらいなら」とわせる。

「額の問題じゃない」

「万円も貸せないのか?」

「貸さない」

「俺がどうなってもいいんだな」

「そうじゃない」

私は呼吸置いた。

「、借相談の窓へ緒にくなら休み取る」

話の向こうが静かになった。

「そんなげさなことする必ない」

「百万あるんだろ」

「返せる」

「返せてないから話してるんじゃないの」

兄は舌打ちした。

「そういうところ、本当に嫁に似てきたな」

私はそので話を切った。

が震えていた。

切ってから秒もしないうちに、また鳴った。

なかった。

翌朝、着信履歴は件あった。

昼休みには、

《頼む》

《今回だけ》

《もうパチンコやらない》

《万でいい》

《兄弟だろ》

とメッセージが並んだ。

最の文だけ、い見た。

兄弟だろ。

確かに兄弟だ。

だから何でもしなければならないのか。

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私は返信した。

《兄弟だから、をす以の方法なら伝う》

それから相談窓の話番号を送った。

返事はなかった。

しかしその。

兄はではなく、別の求をしてきた。

《美咲さんに話していいか》

嫌な予がした。

私が返事をするに、美咲のスマートフォンへ着信があった。

美咲は私のでスピーカーにした。

「もしもし」

『美咲さん、ごめんね。直には内緒にしてほしいんだけど』

始秒で、私は拳を握った。

『本当に今回だけ、万円お願いできないかな』

美咲は私を見た。

私は黙っていた。

『直、今ちょっとになってるだけなんだ。俺も悪かったとってる。でも友達への返済が今までで』

「健司さん」

美咲の声は落ち着いていた。

「私は直に内緒でおをかしません」

『夫婦でも自分のくらいあるだろ』

「あります」

『じゃあ――』

「でも貸しません」

兄が黙った。

「お以で必なことなら、直が何度も提案してますよね」

『借相談とかだろ。そんなところったらごとになる』

「もう分ごとです」

美咲の声は最まで穏やかだった。

「百万円を族から受け取って、ほかのからも借りて、それでもりないんですよね。今必なのは万円じゃなくて、これ以増やさない方法だといます」

兄は突然鳴った。

『おに何が分かる!』

私はスマートフォンを取った。

「健司」

『直?』

「もう美咲に直接連絡するな」

『夫婦そろって俺を追い込む気かよ』

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