"離婚した元夫は、私の再婚相手を知らない" 第8話
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完結第13話
30万円を止めた日
手術当日、夫から届いたのは見舞いの言葉ではなかった。 「病院へ行ったところで治るわけじゃないだろ」 その直後、私名義の家族カードで高級温泉旅館の二十一万円が決済された。夫は義母との旅行を楽しみ、SNSには《嫁が入院して自由になった》と投稿していた。 六十日間の入院中、夫も義母も一度も見舞いには来なかった。ところが夫は私の会社へ押しかけ、私名義のマンションを勝手に売却査定へ出していた。 さらに調べると、五年間送り続けた義母への月三十万円は、生活費ではなく投資用マンションの購入資金に流れていた。総額は二千百万円。 退院した朝、ようやく夫から電話が来た。 「母さんに毎月渡してた三十万円、なんで止めたんだ?」 私はその一言を聞き、夫婦として残っていた最後の線を静かに切ることにした。嫁姑|夫婦|介護|修羅場1.9万字5 92 -
完結第10話
援助し続けた兄が隠していた二年間
事故で右脚が不自由になった兄・健司を助けるため、直人は二年半にわたり生活費や治療費を送り続けてきた。その総額は、二百十八万円。妻の美咲も家計を切り詰め、兄が立ち直る日を信じていた。 ところがある日、美咲から一本の動画が届く。そこには、杖を持たず、小走りで横断歩道を渡り、パチンコ店の階段を上る健司の姿が映っていた。 直人が収入と支出の確認を求めると、健司が送ってきたのは一年前の給与明細。さらに、すぐ削除された通帳写真には《給与268,430円》の文字があった。 足の回復も、転職も、本当の給料も隠していた兄。では、装具代、リハビリ費、通院費として渡した二百十八万円は、いったい何に消えたのか。 幼い頃、自分を守ってくれた兄への恩と、夫婦の生活を壊し始めた嘘。そのすべてを確かめるため、直人は初めて兄に通帳を開かせる。兄弟姉妹|夫婦|金銭問題1.4万字5 13 -
完結第16話
大晦日、義実家の60億円計画を知った
大晦日の夜、義実家の二階から母とビデオ通話をしていると、突然その表情が凍りついた。 「南、声を出さないで。お父さんが裏口まで迎えに行くから」 直後、私は義父の書斎から漏れる夫の声を聞いた。二人は私の実印を盗み、私が代表を務める資産管理会社の権限を書き換え、約六十億円の預金を破綻寸前のリゾート事業へ流そうとしていた。 私は結婚指輪も荷物も置いたまま裏口から脱出し、その夜のうちに全口座を凍結。二十三億円の普通預金と三十五億円の定期預金を、夫の手が届かない別銀行へ移す手続きを終えた。 これで資産は守れたはずだった。 ところが銀行担当者は、夫が持参すると告げていた書類の中に、父の署名入り《債務保証承諾書》があったと明かす。その印鑑証明書は偽物ではなく、三か月前に正規発行された本物だった。 夫はいつ、父の印鑑証明を手に入れたのか。そして十三年間の結婚生活の裏で、どこまで周到に黒川家を破滅させる準備を進めていたのか。嫁姑|夫婦|真相|修羅場2.4万字5 77 -
完結第11話
100人宴会を潰した義妹に、店主の私が請求書を出した日
土曜日の午後六時半。海鮮料理店「魚心」の大広間には、百人分の御膳が並んでいた。けれど、開宴時刻を三十分過ぎても客は一人も現れない。 幹事を務める義妹へ電話すると、返ってきたのは笑い声だった。 「魚臭いから、焼肉屋に変更したの。身内なんだから許してよ」 しかも義妹は三日前に別会場を予約しながら、前日まで「百人分を用意して」と念を押していた。損害額は五十三万六千円。店主の菜緒が契約書に基づいて請求すると、夫まで「妹から金を取る気か」と彼女を責め始める。 ところが翌日、同窓会の会計担当者が店を訪れ、菜緒の前に二枚の領収書を並べた。参加者から集めた会費と、焼肉店へ実際に支払われた金額が、二十五万円も食い違っていたのだ。 さらに見つかったのは、「魚心」の印が押された五十万円の助成金申請書。 菜緒が一度も見たことのないその書類は、なぜ義妹の個人口座を振込先にしていたのか。そして店の印鑑を持ち出せた人物は、いったい誰だったのか。兄弟姉妹|裡の顔|真相|修羅場1.6万字5 143 -
完結第15話
無能教師と呼ばれた僕が、AIで教室を取り戻すまで
生徒から「ダメ教師」と嘲笑され、同僚からも無能扱いされる高校教師・小野寺啓介。そんな彼に唯一手を差し伸べたのは、学年主任の朝倉美鈴だった。 ところが修学旅行の前日、朝倉が引き受けたはずの「しおり」が未完成だと発覚する。彼女は約束そのものを否定し、全責任を小野寺へ押しつけた。 旅行中止を告げられた教室では、生徒たちの怒号が飛び交う。 「お前のせいで、俺たちの青春が台無しだ!」 絶望する小野寺の前に現れたのは、かつて学校中から恐れられた元問題児・神崎優太。そして彼が持ち込んだのは、最新のAIと、朝倉の嘘を覆す“ある証拠”だった。 残された時間はわずか二時間。無能の烙印を押された教師は、AIを武器に四十ページのしおりを完成させ、生徒たちの修学旅行と失った教室を取り戻せるのか。職場逆転|真実|裡の顔2.3万字5 43 -
完結第16話
義弟嫁の「セレブ家族」に隠された十二年前の秘密
義弟嫁・真澄は、遥の手料理を「貧乏臭い」と罵り、熱々のおでんを床へ投げ捨てる。普段温厚な夫・幸介は激怒し、真澄の両親を呼び出した。 現れた両親の正体は、遥の叔父の会社から三千二百万円を横領し、海外逃亡していた指名手配犯だった。刑事に逮捕され、真澄の偽りのセレブ生活も暴かれる。 金目当ての結婚だったと知った義弟・高志は離婚を宣告。幸介も損害賠償と刑事告訴を突きつけ、真澄を絶縁する。すべてを失った彼女は、反省せず新たな金持ちを探して夜の街へ消えた。兄弟姉妹|夫婦|絶縁|修羅場2.4万字5 1290