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"100人宴会を潰した義妹に、店主の私が請求書を出した日" 第2話

百分の御膳から、誰のにも運ばれなかった料理が、械な速度で片付けられていく。菜緒はその景を網膜に焼き付けながら、え切った事務所のデスクへと向かった。

夜の10半。曜の通常営業を終え、の表板の灯りが落とされた。

片付けを終えた臨雇いの仲居たちに当を包んだ茶封筒を渡し、々とをげて見送った、菜緒は事務所のいパイプ子に座り込んでいた。

机のには、卓と仕入れ伝票の、そして冊の分い黒革のバインダーが置かれていた。

バインダーの最初の頁には、ヶの214付で交わされた枚の契約が綴じられている。『型宴会予約申込ならびにキャンセルポリシー同』。

都第期同窓会、幹事代表・藤本リエ。そこには、リエ特のしがりの丸文字で署名がなされ、認印が鮮に捺されていた。

菜緒がこの契約を導入したのは、のことだった。先代である父・繁蔵が急逝し、歳でを継いだ直、約束の宴会キャンセルで仕入れ代百万円を踏み倒されそうになった痛烈な教訓から、顧問弁護士の助言を得て作成した自のための盾だった。

規約第条:『利用の以の全面取消は代のパーセント、および当の取消、または無断履のは、予約代の全額(百パーセント)ならびに特別配実費を違約として請求する』。

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「内だからって、こんな堅苦しいにサインさせるの?」

ヶ、この事務所でリエはそう言って笑っていた。代の友たちに「実が名の割烹だから、特別に貸し切らせてやった」と自するためにを利用したリエに対し、菜緒は切の例を認めず、規約の条文をつずつ読み聞かせて署名させたのだ。

『当然よ。百の命を預かる仕込みをするの。内だからこそ、数字と約束は曖昧にできないわ』

あのの自分の言葉が、刃となって蘇る。

菜緒は卓のクリアボタンを叩き、仕入れ伝票の数値を打ち込んでいった。

本鮪、真鯛、平目、老、鮑。 にリエから『記品代わりに豪華にして』と追加注文された、特注の祝い折詰の包みと皮。 本配した臨スタッフ名の当、計万千円。 そして、この曜の夜に広を貸し切るために断った、組の常連客の逸失利益。

画面に弾きされた額は、万千百円。

零細の料理にとって、晩で吹きんでいい額では到底なかった。の営業利益の半分が、瞬で消滅した計算になる。

その、事務所のドアが乱暴にき、夫の健が入ってきた。

酒の匂いを漂わせ、ネクタイを緩めた姿。元の青会議所の集まりから帰ってきた健は、机のに積みがった伝票のと、菜緒の青ざめた横顔を見るなり、鬱陶しそうに眉根を寄せた。

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「おい、なお。リエからさっきLINEが入ったぞ。なんか、会が変わったらしいな? あいつから『お義姉さんが怖い声で話してきた』って泣きつかれたんだが、体どうなってんだ」

菜緒は卓を叩くを止め、ゆっくりと夫を仰ぎ見た。

「会が変わった、じゃないわよ。今の夕方、宴を分過ぎてから、あっちが方にすっぽかしたの。にはもう焼肉を押さえていたんですって」

「は……? ?」

健が目を黒させた。しかし、事態の刻さを理解するよりもく、夫のからたのはいつもの聞き飽きた内擁護の言葉だった。

「まあ……あいつ、そういう段取りが昔から苦だからな。幹事なんて慣れないこと引き受けて、テンパってたんだろ。悪気配があったわけじゃないんだから、そうカリカリすんなよ」

「百分の料理よ」

菜緒はちがり、厨のゴミ箱を指差した。

「あなたが呑気に麻雀や酒をんでいる、さんたちがどれだけのいで仕込み、どれだけのいで廃棄したとっているの? 材の原価だけで万以が消えたのよ。仕入れ先への支払いは、来週末なのよ?」

「だ、だからって……!」健は気まずそうに線を逸らし、を掻いた。「リエを鳴りつけたってが戻るわけじゃないだろ。

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