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"100人宴会を潰した義妹に、店主の私が請求書を出した日" 第3話

内同士でのことで揉めたら、親戚に示しがつかない。今回の損は、うちの予備費から補填して……」

「補填? 誰ので?」

菜緒のくたい声に、健の言葉が喉元で詰まった。

「このは、父が遺したよ。藤本の持ち物じゃない。私のよ。……健さん、あなたが円でもこのの運転資を資してくれたことがある?」

健の顔が屈辱で赤く染まった。健は元の信用庫に勤めるサラリーマンであり、の経営には切タッチしていない。活費の部こそ計に入れていたが、の赤字を個の与で穴埋めできるような蓄えなどないことを、菜緒は熟していた。

「リエさんには、規約通りにキャンセル料の満額を請求します。、正式な損害賠償請求を作成して送付します」

「おい! 正気かよ! 妹にそんな請求して、縁でも切る気か!」

「約束を反故にして、を潰しかけたのは彼女の方です」

菜緒はバインダーを閉じ、庫の鍵を回した。夜が換気扇の隙から吹き込み、え切った事務所の空気を微かに揺らしていた。

けて曜、午9。

定休であるはずの「魚」の事務所には、カタカタとキーボードを叩く音だけが響いていた。

菜緒の隣には、の顧問税理士である嵐が座り、老鏡の奥の鋭い目をディスプレイに向けていた。

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昨晩のうちに菜緒から送られたメールと添付データを受け取り、休返で駆けつけてくれたのだ。

「……なるほど。酷い話ですね」

嵐は元のプリントアウトに赤ペンをらせながら、静かに息を吐いた。

「しかし菜緒さん、請求を起こすにあたって、極めてな点があります。に任せて『コース料の百パーセント』をそのまま請求してはなりません。相が内であれ般客であれ、民法の損害賠償請求において争点となるのは『現実に舗側にじた実損害額』です」

嵐の指摘は、確かつ徹だった。

もし裁判や調に発展した、まだ調理での営業に転用能な材の代まで請求に含めていれば、「当な利得」として相側の弁護士に付け入る隙を与えることになる。

「ええ、分かっています」

菜緒は表計算ソフトのシートを切り替えた。

「さんと昨夜のうちにすべて棚卸しを済ませました。真空パックで氷温保し、の仕込みに回せる鮪と平目の柵、未封の乾物類は、仕入れ値ベースで万千円分。これは損害額から完全に控除してあります。さらに、昨夜のスタッフの賄いとして消費した米と根菜類も差し引きました」

画面には、厳格極まりない内訳が並んでいた。

廃棄を余儀なくされた調理済み鮮魚・菜実費:万千円

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臨スタッフ名および板の特別超過勤務当:万千円

貸切保証に伴う最保証売からの粗利補填額:万円 計請求額:万千円。

「完璧ですね」嵐は鏡を指で押しげ、さく頷いた。「事の同に署名捺印があり、の確認ログも保全されている。法にこれ以ないほど固な請求根拠です。この万千円は、相方が全額賠償すべき正当な債権です」

印刷が唸りをげ、公な式に則った請求が吐きされた。

『都第期同窓会 幹事代表 藤本リエ様』 『過()における団体宴会無断履に伴う損害賠償請求』

菜緒は請求に社印を押し、PDFデータに変換してリエのアカウントへ送信した。期限は週、曜の午。

送信ボタンを押してから、わずか分だった。

階の舗の勝がけたたましい音をてていた。ドスドスと階段を駆けがってくる音。現れたのは、息を切らし、顔を真っ赤に潮させたリエだった。

「お義姉さん!! 何なのよ、このふざけたは!!」

元のスマートフォンを菜緒の顔先に突きつけてくる。画面には、今送ったばかりの請求が表示されていた。

「朝起きてスマホ見たら、いきなり万払えって……おかしいんじゃないの!? 族よ!? 私、健の妹なのよ!?」

事務所の空気が気に張り詰める。嵐が静かに席をち、「私は奥で資料を確認しています」

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