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"今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた" 第2話

消えなかった警報

太田と藤本班が戻ったのは、約12分だった。

「遅い」

監督が腕計を示すと、太田は携帯型ガス検器を持ったまま答えた。

「装薬孔の周囲に、目った崩れはありませんでした」

「なら異常なしだな」

監督は確認表を差しした。しかし太田はペンを取らず、検器へ目を落とした。

「発破に、奥でもう度測らせてください」

「今測ったんだろ」

「入側がです。装薬する岩盤のでは、分に待っていません」

藤本班が横からを挟んだ。

「側の排も、昨よりしい」

監督は骨に眉を寄せた。

「昨夜どこかでがったんだろ。のない鉱があるか」

も当も、この周辺にまとまったはなかった。私は帳へ“側排、より増加”といた。

「昼までだ。それ以は待たん」

許を得た太田は、検器の記録能を確認した。測定値は本体だけでなく、事務所の端末にも自保される。

午935分、太田と藤本班は再び第4区画へ入った。

私は主任をされたため、保線ので無線を聞くしかなかった。監督はくにち、何度も計を見ている。

「入、異常ありません」

太田の声が無線から届いた。

「20メートル点も正常です」

監督が私を見て、く笑った。

「聞いたか。正常だ」

私は答えなかった。問題は、数字が正常かどうかだけではない。

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どこで、何秒測ったかだ。

「30メートル。装薬予定岩盤のです」

太田の報告に続いて、い子音が鳴った。

度ではない。を置かず、鋭い警報音が3回続いた。

入にいた作業員たちのが止まった。

「太田、どうした」

監督が無線をつかむ。

数秒の沈黙の、太田が答えた。

「数値が警報域へ入りました」

私は腕計を見た。

午947分。

「そので再測定しろ」

「解」

検器の警報はすぐに止まった。1分、太田から“正常範囲へ戻った”と報告が入る。

監督はきく息を吐いた。

「な偏りだ。械の置き方が悪かったんじゃないのか」

「1度た警報は消えません」

私が言うと、監督の目が細くなった。

「もうがったんだろ」

「がった記録と、がった記録は両方残すべきです」

「おの見は聞いていない」

数分、2が戻ってきた。太田の額には汗が浮かんでいた。坑内の気温はい。それでも彼は袋をし、のひらを作業着で何度も拭いた。

監督は再び確認表を突きした。

「最終には正常。そういて署名しろ」

太田は検器の画面を見た。履歴欄には947分の警報が残っている。

「監督、器の点検もした方がいいといます」

「昼までに別の区画で測れ。そこで鳴らなければ械は正常だ。それで終わりだ」

“終わり”という言葉だけが、妙にく聞こえた。

昼、同じ検器を第2区画で使用した。

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10分測定しても数値は定し、警報は度も鳴らなかった。

器が必ず正常だと断定はできない。しかし第4区画の装薬予定点だけで警報がた事実は、朝よりくなった。

私は事務所の端末をき、太田に確認した。

「947分の履歴を見せてくれ」

太田が操作すると、画面に測定所、刻、最値が表示された。自保された原記録だ。

「残っています」

「画面を記録しておいてくれ」

「何のためにですか」

「本社へ報告するためだ」

監督が振り向いた。

「勝なことをするな」

「異常を報告するのに、主任の肩きはりません」

私は自分の職員番号で保報告システムへ入り、確認できた事実だけを入力した。

947分、第4区画30メートル点で次警報。再測定では正常範囲。側排量の増加。岩盤反響の変化。発破の再確認と作業の止を請。

送信ボタンので、指が止まった。

これを押せば、処分はさらにくなるかもしれない。

私は度息をえ、送信した。

画面に受付番号が表示される。

KT-4072。

番号を帳へき写していると、第4区画の奥から、今度は乾いた音が2度続けて響いた。

藤本班が坑を見たまま言った。

「今のは、1個の音じゃないぞ」

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