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"今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた" 第3話

正常値だけの報

保部からの返信は、昼を過ぎても来なかった。

報告画面には“受理済み”と表示されている。私は15分おきに更したが、状態は変わらない。

そのにも、監督は発破準備をめていた。

「装薬班は予定通り第4区画へ。退避確認は1330分からだ」

「保部の回答を待ってください」

「受理されたから何だ。止命令はていない」

確かに、現を正式に止める回答はまだない。だが警報がた所へ爆薬を入れ、から全を確かめる順序は逆だった。

太田は確認表に署名していなかった。それでも監督は、自分の管理責任で作業をめると言った。

私は事務所へ戻り、そのの現報をいた。入力途の画面には、第4区画のガス測定について、こうかれていた。

《再測定の結果、異常なし。作業継続》

午947分の警報は記載されていない。

「太田、この入力をしたのは誰だ」

声をかけると、彼は周囲を確かめてからづいてきた。

「俺は測定結果をで伝えただけです。入力は事務担当で、最終確認は監督です」

「最初の警報が抜けている」

太田は画面を見つめた。驚いたというより、恐れていたことを確かめた顔だった。

「酒井さん。あの警報、今が初めてじゃありません」

私は子からった。

「いつだ」

「3です。同じ岩盤のくで、度だけ鳴りました」

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太田は声を落とした。

そのも数値はすぐがった。報告を受けた監督は、測る所が悪いと言い、入側でもう度測るよう指示した。入側では正常だったため、その数字だけを報へ記入したという。

「原記録は残っているか」

「自保なら、たぶん」

「本社にも、そのまま話せるか」

太田の喉がいた。

「正直、怖いです。監督に逆らったとわれたら、次の配置でされるかもしれない。のローンも、まだ26残っています」

私は否定しなかった。監督なら、骨な報復はしなくても、仕事の割り振りで太田を追い込む能性がある。

「私のために話す必はない」

「でも……」

「誰かを悪にするためでもない。自分が見た刻、所、数値だけを話してくれ。それで分だ」

太田はく黙った、頷いた。

私は3の測定履歴を端末で検索した。職務をされた私には詳細データを編集する権限はないが、現の測定履歴を閲覧する権限はまだ残っていた。

午1013分。

第4区画、警報域到達。

その8分、入側で正常値。

2つの記録が並んでいた。

ところが同じの報には、の正常値しかかれていない。

私は画面を撮せず、履歴番号と保刻を帳へ控えた。社内データを勝に持ちせば、話が別の方向へずれる。本社の保部に原記録を保全してもらう方が確実だった。

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受付番号KT-4072へ追記を送った。

《3にも同点で警報履歴あり。当報には再測定の正常値のみ記載。原記録の保全を請》

送信直、監督が事務所へ入ってきた。

「何をしている」

「保報告への追記です」

彼は私の帳へ線を落とした。

「個の落きで現を混乱させるな。今の発破が止まれば、1で2400万円分の程がずれる」

「だから異常を消していいんですか」

「消していない。最終結果をいただけだ」

「警報がたに正常へ戻った。順番を抜けば、最初から何もなかったことになります」

監督は机へ両をついた。

「酒井。おはもう主任じゃない。今の作業にをす権限もない」

「異常を報告する権利はあります」

「だったら好きなだけ報告しろ。こっちは予定通りめる」

彼が事務所をた、藤本班が入ってきた。机の画面を見て、眉の皺をくする。

「3も鳴ってたのか」

「はい。同じ所です」

「俺も、昨から岩の響きが変わったとっていた」

私は刻を尋ね、その言葉も帳へいた。

根拠のないから始まった違に、2回の警報、増えた湧、変わった反響、欠けた報がなった。

その、私の携帯話が震えた。

本社保部からではない。妻の美からだった。

《今夜、何に帰れそう?》

私は返信を打ちかけてやめた。今、このまま処分が決まれば、いつものに帰れるかどうかさえ分からない。

代わりにく送った。

《遅くなる。事な確認が残っている》

送信から1分もしないうちに、監督の声が坑側からんだ。

「装薬班、入坑しろ。発破は予定通り14だ!」

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