みかん小説
本棚

"今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた" 第7話

原記録は嘘をつかない

翌朝、私は作業ではなく、紺の着で事務所へ向かった。

発破業務からされたままなので、主任用のい線が入ったヘルメットは宿舎へ置いてきた。いつも子を掛けていた所が空いているだけで、部は妙に広く見えた。

会議には監督、総務担当者、本社保部の野恭平が座っていた。

野部とは、過に全講習で度会っただけだ。私の方ではない。その方がよかった。

机のには、壊れた発破器の写真、私の報告、午947分の測定履歴が並んでいた。

「最初に確認します」

野部は写真を私のへ置いた。

「この発破器をハンマーで壊したのは、酒井さんですか」

「はい」

「誰かに命じられましたか」

「いいえ」

「会社の設備で、価格が約280万円だと理解していましたか」

「正確な価格はりませんでしたが、会社の設備だとは理解していました」

言い逃れはしなかった。危険を止める目だったとしても、設備を壊した事実は消えない。

「分かりました。この件は、社内の懲戒続きと警察への説を含め、別に判断します」

野部は資料を入れ替えた。

「次に、第4区画の全問題です。こちらは設備破損とは切りして確認します」

監督が子の背へ体を預けた。

「結局、酒井の推測でしょう。数値はすぐ正常へ戻っています」

広告

野部は反論せず、モニターへ測定履歴を表示した。

947分12秒、数値昇。

947分19秒、次警報域。

948分03秒、始。

949分26秒、正常範囲。

「この原記録は、器本体と本社サーバーの双方に保されています。から変更された形跡はありません」

「だから、なものです」

「かどうかを判断するためにも、発した事実が必です」

野部は今度は現報を表示した。

《再測定の結果、異常なし。作業継続》

「最初の警報がかれていません。最終承認者は監督ですね」

「最終に正常なら、作業判断として問題ないと考えました」

「作業を継続すると判断したことと、警報を記録から省くことは別です」

監督の指が、机ので止まった。

野部は私へ向き直った。

「酒井さん、全帳を見せてもらえますか」

私は黒い帳をいた。947分の警報、再測定で正常へ戻った刻、湧の増加、岩の反響、乾いた落音。起きた順番通りに記録してある。

「からき換えた箇所はありますか」

「ありません。落音だけ、そので刻を確認して追記しました」

「この帳だけで結論はしません。ただし、原記録と照する資料として預かります」

私は頷いた。

それで分だった。私を信じてもらう必はない。同じ刻の記録を、同じ順番で見てもらえればいい。

野部は3の測定履歴もいた。

広告

同じ点で警報域へ入り、8分に入側で正常値へ戻っている。そのの報にも、の正常値しか記載されていない。

「監督。再測定の所を入側へ変更するよう指示しましたか」

「換気条件をそろえるためです」

「なぜ最初の所でもう度測らなかったんです」

監督は答えなかった。

会議の話が鳴った。総務担当者がると、く返事をしてから受話器を野部へ渡した。

野部は1分ほど話し、話を切った。

「会社として決定しました」

監督が顔をげる。

「第4区画の発破を、原因と全条件が確認できるまで正式に止します。3に届く発破器も使用させません」

私が壊したから打てないのではない。

会社が、全を確認できないから打たないと決めた。

その違いを聞いた瞬、昨から固まっていた肩の力が、ようやくし抜けた。

だが、野部は資料を閉じなかった。

「過30分の原記録と報を照します。今回と同じ省略が、にないか確認するためです」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: